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真幸⑧
「うわぁ………」
頭が働かなくて気がつかなかったが、下着はすでに洗濯行きだった。
頭を抱えたくなる。
(欲求不満か?)
あまり欲はない方だと思っていたが、夢のせいかしっかり反応していたらしい。
軽く洗ってから、その他の洗濯物と一緒に回す。
ため息をつきつつ、少し熱目のシャワーをあびると、目が覚めてきた気がした。
(しかもなんで、一紀??)
頭が働き出せば、当然の疑問が浮かんでくる。
長い付き合いの一紀だか、当然、そういう対象として見たことも考えたこともない。
シャワーを浴びたことで少しさっぱりした気持ちで、バスローブに袖を通す。
本当なら洋服を着たいのだが、一紀が眠っている寝室に行く勇気はなかった。
(一応置いておけばよかった)
洗濯物は一息ついた後に丁度干そううなので、軽く髪をふきながら、リビングにいって固まる。
「おはよう。コーヒーでいいか?」
にこやかに声をかけてきたのは、まだ寝いてるはずの一紀だった。