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真幸⑦
「あああああああああっ」
自分の叫び声で、跳ね起きる。
「はぁ…はぁ……はぁ…」
瞳に映るのは、いつもの見慣れたリビングだった。
なにがなんだかわからず、思考がついていかない。
(えっ?………今、一紀と…………)
見ればしっかりと寝巻きを着て布団もあり、ソファーに1人でいる。
辺りを見渡しても、一紀はいない。1人だ。
「夢……?ったく。なんて夢を」
項垂れて前髪をかきあげる。
夢の内容のせいか、全身が気だるい。
気分的にはこのまま二度寝をしてもかまわないが、時間を見るとそうもいかなそうである。
風呂に入って頭をスッキリさせるには、丁度いい時間、とのっそり起きあがる。