表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

002 「はじめまして」

前回の続きです、初心者のため、出来れば寛大な心で見ていただけると嬉しいです。

002「はじめまして」


僕は女性が苦手だ。苦手すぎて女友達なんていないし、ましてや彼女なんて僕の人生において最も縁遠い存在である。正直欲しいと思ったことくらいは多々ある、カップルが横を通れば幸せそうだなぁっと思ってはいたがそう考えているとまるで自分が幸せではないと認めているような気がして僕自身に暗示をかけるように仕事に趣味に明け暮れたのを覚えている、そして今僕は人生で初めての1人の女性に夢中になっていた。

「あのぅ・・・」

「あ、はい!」

「どこか具合でも悪いのですか、お顔が赤いですけど?」

彼女の声は、正しく可憐という言葉が似合う綺麗な声で、心配してくれているのに、思わずにやけてしまいそうになってしまった。

「あ、いえ、大丈夫です・・・」

「そうですか、なら良かったです」

その顔は、本気で心配してた表情がほんのり解けていき、満面な笑顔を僕に向けてくれた。

「そ、それでは、こちらにどうぞ・・・」

「はい、お願いします」

そう言って彼女を席まで案内し、そしてヘアダイクロスを彼女の首にかける。

「ど、どのように致しますか?」

「そうですねぇ、前髪を目にかからない程度にして頂いて、あとは全体的に少し軽くすくってください」

僕は「か、かしこまりました」っとまるでコミ障全開の口調で言ったあと、彼女の髪を切る準備に取り掛かった、作業は黙々と進み、髪を切っている時も静かで、何もしゃべらずに約1時間、作業は終わってしまった・・・

でも、まだ喋るチャンスがあることに僕は気づいた。

「こ、こんな感じでよろしいでしょうか?」

「はい、ありがとうございます」

ここぞとばかりに僕は彼女に喋りかけた

「よ、よろしければ、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

「え、」

「と、当店ではお客様のカット致しましたことを残しておくことで、またご来店頂いた時に、同じ髪型にして差し上げられるようにするサービスがございますので、よ、よろしければと・・・」

彼女は笑顔で

「お願いします」と言った

「し、少々お待ちください!」

そう言って僕は急いで記入する紙とペンをもって彼女の元に戻った。

「そ、それではお名前を」

「枕崎姫香です」

「まくらざき・・・ひめかさん」

「はい」

僕は、その名前にぴったりの女性だと本気で思った。

そしてレジへと向かった。

「お、お会計4320円になります」

「はい、5000円でお願いします」

そうして、お金を受け取り、お釣りを渡して彼女は去っていった。きっと彼女に会えるのはきっと1ヶ月後ぐらいになるだろう、もしかしたらもう来ないかもしれないかもしれないのに、僕はきっと来てくれると信じていた。

その日の仕事が終わり、僕は家に帰ろうとしたその時。

「しんしぃー!!」

この声は、と振り返って見ると。

「小島さん・・・」

「今日ちょっと飲みにいくぞぉ!」

この人は小島重隆、うちの総代表でありディレクター、どんなことにもポジティブ思考であり、その明るい性格で客からの人気は高い。

その人の後ろにもう2人

「龍牙、彼女とまだ喧嘩中なのか?笑」

「ちょっと、余計なこと言わないでくださいよぉ」

僕の1つ先輩の中田海斗と3つ下の増山龍牙、この2人は高校時代の先輩後輩の関係で、部活も同じということもあり、かなり仲がいい。

「あの、僕今日は・・・」

「いいからいいから、今日俺が出すからさ、なっ?」

本当は家に帰りたかったが、今日は気分が良かったので・・・

「分かりました、行きましょう」

「よしきたぁー」

そうして、小島さんの車で近くの居酒屋に行くことになった・・・

そして、車で約10分、小島さん行きつけの店に着いた。

大きな文字で「飛幸」と書かれた看板にたどり着いた、今日帰れるか心配になったが、もうここまで来たら引き返す訳にもいかないので覚悟を決め、店に入った、中はかなり賑わっており、料理も見る限りとても美味しそうだった。

「おばちゃん、4人ねぇ」

「あら小島ちゃん いらっしゃい、こちらにどうぞ」

まさに常連だからこそ交わせる会話、そんな場所僕にはないので、ちょっと羨ましく思った。

そうして案内され、4人が囲めるテーブルに着いて僕は驚いた、隣のテーブルに今日来てくれた彼女 枕崎姫香さんがそこに座っていたのだから、だがそれよりも驚いたのが、彼女と共に楽しげに話す男性の姿が、そこにあったのだから・・・


続く




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ