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自分が好きになれない

作者: ネッシー


俺は天才だ…。



授業中はずっと寝ていても、クラスで一番の成績を取っているし、体育の授業もいつも活躍している。

努力なんかしなくても、何でもソツなくこなせる。


これをみんなは羨ましいと思うのだろう。


努力しないで何でも出来ると言うのはそんな良いことだろうか。


…僕はあんまり好きじゃない。


気にくわないって言ってイジメにあった事も無いから、これはクラスのみんなが優しかったのだと思う。


ただし、俺にはうまく出来ない事が一つだけある


…仲の良い友達を作れないのだ。

みんな一人位は親友の奴は居るだろう?

俺にはそれが居ない…。



別にクラスで孤立している訳では無いし、人と話すのが嫌いな訳でもない。

しかし、ただそれだけだ、


クラスが変わると、その時出来た友達もみんな離れていく

ある程度経つと、廊下ですれ違ってもまるで気にしなくなる。

テスト前など都合の良い時は、みんな俺に群がる。

教え方が上手いと言われる、これはちょっとウレシイ


人の役に立っているんだと実感出来るから


先生は俺が机の上でガーガーいびきをかきながら寝ていても何も言わない。


頭が良いからだ、いや、もしかしたら、呆れているだけかもしれない。


これをみんなは羨ましいという。


確かに楽だが、俺はこの教室には居ないのでは無いか、と錯覚するような事もある

あの先生の持っている教科書で

「パンッ!」って頭を叩かれるのも密かに憧れている




俺は積極的では無いから、クラスの全員に話かけるような、リーダー的な奴がよく声をかけてくる。


これが、

「友情」では無く

「同情」なのだと言うことは知っているけど、ハッキリ言ってありがたい、誰であっても人と話すのは良いもんだ






俺には話す能力が無いのだと思う、話していて、相手を笑わせるのが出来る気がしない


俺が面白い奴だったらみんなは俺の事を見てくれるんじゃないか、と考えた。


お笑い芸人やトーク番組を見て、マネをしてみようと思うけれど、なかなか出来ない。


見ていて分かったのは雰囲気作りが上手という事だと思う。


どんだけ面白い話でも、話す人によって、大爆笑だったり誰も笑わなかったりする


これは大きな発見だ!


雰囲気作りを勉強するにあたって、『人は見た目が9割』と言う本を見つけた。


……いきなり挫けそうだ。

ハッキリ言って、俺は美形でも無くブサイクでもなく平凡なのだ。


その後も色んな本を見ていてもあまり参考になりそうなものは無かった…



クラスの面白い友達に勇気をだして聞いてみた、

「あ、あのさ、その面白い話とかってどうやってんの?」

「はぁ? どうやってんのっつわれてもなぁ、俺そんなに面白い? サンキュー!」



…失敗だ



別の奴にも聞いてみる…

「俺は常にアンテナを張ってるんだよ。日常にも面白い事はたくさんあるから探してみ?」


アンテナかぁ、良いこと聞いた。


早速実践!

注意してると結構有るもんだった、こういう事は覚えられないのでネタ帳を作る

ネタがある程度集まって、練習を重ねみんなに披露した、大爆笑とまではいかなかったけれど、笑ってくれた。


ヤバい、これは、かなり嬉しい…




今まで努力なんてしたことがなかった、

今やっていたのが、自分のしたいことをする努力だと気付いた時、とてつもなく良い気分になった。


今までやりたい事なんて無かったのに…。


何でも出来たのに…。


出来ない事がとても嬉しい…






…少しだけ自分が好きになれそうだ

ネタ帳を作っているのは私です…(汗)


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― 新着の感想 ―
[一言] 天才というより秀才なんだよ、この人は。 中々良い話し作り。 良かったですよ。 でも、一行目から「天才」と書いてあるなら、その天才の逸話をもっと書いた方が良かったのでは? 勝手な先入観だが…
[一言] 自分が好きになれない…………まさに私の事です。 私は自分が大嫌いです。で、読んでみました。 物語の起伏としては、普通の状態から、一度底まで落ち、最終的に上昇する、といった形の、定番といえば…
[一言] ネッシーさん、こんにちは! これは、ご自分のことを書いたものなんですね? 最初は、自慢話風で、「なんだこいつ」みたいな感じでしたが、だんだん“俺”の人間らしいところが出てきて、だけど、今度は…
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