第27話「八カ月の成果」
この話の投稿が漏れていたのに、あとになって気がつきました。(2017/01/28)
地下5階。
俺はついに休憩フロアに到着したのだった。
運のいいことに、アヴィと別れてからすぐに防具を、地下二階では武器をゲットした。
その他にも魔石とお金を手に入れることができた。
まずまずの出だしである。
途中で何度か怪物に襲われたが、武器と防具のおかげもあって、なんとかここまで来ることができた。おそらく通常より怪物が少ないのかもしれない。
星空と月が照らす小路を進んでいく。
地下にも関わらず、このフロアには空があるのだ。
夜の風がゆっくりと流れている。
不思議な気分だった。
少し進むと古風な和風建築の建物がいくつか見えてきた。
俺はまず、アイテム店へ向かったのだった。
暖簾をくぐり店に入る。
「イラッシャイ」
カウンターに立つからくり人形の店主が出迎えてくれた。
ここでは売り買いができる。
販売するアイテムはその時によって違うので、ここも運の要素が絡んでくる。
俺はまず、ここまでにゲットした未識別の魔石を一つ一つ店主に見せた。
未識別でも売値は正しいものを教えてくれるのだ。
売値を見れば、ある程度の簡易識別ができる。
ダンジョンを知り尽くしている俺だからこそできる技だ。
魔石の簡易識別を進める。
残念ながら拾った中に【警戒の魔石:怪物警戒力向上】はないようだ。
このアイテムこそダンジョンクリアの鍵である。
クリア者の残存アイテムを見ると、このアイテムを持っている比率が高いのだ。
当然、アイテム数は減らしている。
ちなみに店に品として並ぶことはないようしてあるので、買うことはできない。
手に入れることができればよいが。
簡易識別を終え、今度はアイテムを見る。
役に立ちそうな魔石をいくつか購入し、実際に使用する。
【成長の魔石:セットした武器または防具の強さが上がる】を識別できたので、それを使い防具を強化した。
強化をするなら、迷わず防具である。
極端な話、武器の性能アップはせずともダンジョンは攻略できるのだ。
これに気付けない挑戦者は、深い階層で死んでしまう。
「マタキテネ」
店を出てから、他の建物を見渡した。
宿屋、賭博場をはじめとした色々な建物がある。
が、俺には時間がない。
早くしないと、マモンが魔界に行ってしまうかもしれないから。
先に進まなくては。
俺は村をあとにし、次のフロアへ続く下り階段へ進むのだった。
地下6階。
左右に藪が広がる細い道が続いている。
自然風ダンジョンとでも言えばいいのだろうか。
よく見ると灯篭のそばに地蔵が立っていた。
あれはお宝ではなく装飾品のようだ。
最初に適当に地蔵にしてしまったせいで、妙に妖しげなダンジョンになってしまったようだ。まあこれもダンジョンの「色」として、ある意味よかったのかもしれない。
この辺りから100ポイント怪物は消え、代わりに200ポイント以上の怪物が登場する。属性攻撃を使ってくる怪物も出てくるはずだ。
が、武器や防具、魔石は潤っている。
問題ない。
今までのデータから考えても、これだけアイテムを揃えていれば、この階層で死ぬことはない。
地下10階に再び休憩フロアがある。
そこまではなるべく探索をした方がいい、と結論を出した。
本格的にリタイア率が高くなるのは、11階以上からだ。
それまでは、アイテムを集めることに力を注いだ方がいいだろう。
俺は八カ月の経営のノウハウを生かして、ダンジョンの攻略を進めるのだった――。




