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第22話「0」

俺たちは四人でコタツに入りヌクヌクしていた。


十二月二十三日。

土曜日。


冬である。


俺たちの部屋はクリスマス一色に染まっていた。

もう一週間も前から巨大なツリーがチカチカと光っているのだ。


「冬はコタツがいいよねぇ」


ベルフェゴールが溶けたモチみたいな顔で言った。


「ジュンイチの足が邪魔です。あっち行ってください」


ゲシゲシと蹴られる。


「マモンがどいてくれないと動けないんだよ」


と今度は俺がマモンの足を蹴る。


「…………うぐ」


が、マモンは渋い顔で耐えたまま、ディスプレイを見ていた。

いつもなら蹴り返してくるのに。


何だろう、と思いディスプレイを見る。


そこにはダンジョンの溜めた欲望ポイントが表示されている。


4万9600。


もうすぐ五万の大台だ。

階層も20階に到達している。


レアアイテムの追加は、人を一気に増加させてくれた。

ポイント的にも大幅に増加した。おそらく知名度が上がったことが理由だろう。


ここから先のフロア追加は変化ダンジョンなら8千。

固定でも6千も必要となる。


また新しい戦略を立てる必要があるかもしれない。


マモンはまだチラチラとディスプレイを見ている。

見てたって数字が上がるわけじゃないのに。


ダンジョンマスターとして5万という数字はやはり気になるということだろうか。


「もうすぐだな」

「うん。早く5万にならないかなぁ」


なんとなく真剣なマモンの顔を見ているのが恥ずかしくなって目を逸らした。


テレビを見ながらのんびり過ごす。


そして、午後二時。


その時は来たのだった。


「なったー!」


ディスプレイには5万の数字が表示されていた。


「おめでとうございます、お姉ちゃん」


パチパチとアヴィとベルフェゴールが手を叩く。

俺も手を叩いた。


「いひひ。やったぁ」


マモンが嬉しそうな顔をした。


「よかったな」

「うん。これでジュンイチにご褒美を上げられるよ」

「ご褒美?」


あ、と思い出した。


そういえばそんなことを言っていた気がする。


「何をする気なんだ?」

「内緒」


マモンがコタツから出て、悪戯っ子のような顔で俺を見ている。


「ちょっと待っててね」


マモンはそのまま扉の奥に行ってしまった。


そうか。

それであんなに画面を見ていたのか。


「アヴィ、マモンは何をする気なんだ?」

「分かりません。でもお姉ちゃんは何日も前から考えてたみたいですよ」

「ふうん」


なんだろう。

すごく嫌な予感がするんだけど。


「そーいえば、ジュンイチが喜ぶって嬉しそうにしてたよ」

「へぇ」


俺は照れ隠しで素っ気なく言ってみた。

悪魔とはいえ、誰かにそう思ってもらえるのは嬉しいものだ。


「にしても、一体何を」


マモンが入っていった扉は、いつもお宝や怪物を作る時に隠れる方だ。

俺はそっちには行ったことがない。


「あ、あれ……」


珍しくアヴィが戸惑ったような声を出した。


「どうした?」

「ジュンイチ、あれ」


すうっと指を向ける。

ディスプレイの方だ。


「なんだ?」


と目をそちらに向け、異変にすぐに気がついた。


ついさっき5万と表示されていた部分が「0」に変わっていたのだった。

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