表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/31

第17話「一難去ってまた一難」

夏休みが終わり、九月になった。


俺の施策しさくはうまくいったようで、伸び悩みは解消した。


最初の方はなかなか上手くいかなかったが、別効果の魔石やお宝、罠、怪物を追加し、バランスの良い形を構築できたと思う。


アヴィ考案の怪物待機部屋も作ってあるので、怪物の冗長性じょうちょうせいも取れている。


一日平均純増ポイントは1500。

現在の階層は地下10F。


ちなみにフロア追加は11階以上から必要ポイント数が増えるらしい。

ということで、一万ポイントにいかないようにするのも、そろそろ限界が来たようだ。


「仕方ない。一万ポイントを越えよう」

「うんうん。いよいよこの時が来たねぇ~」


俺の部屋がダンジョンの最下層になってから、はや五カ月。

なかなか感慨深いものがある。


「ダンマス組合はどうしますか?」

「うーん。利用するかどうかは別として、とりあえず参加しておくか」

「じゃあ登録しておくね」


マモンがパソコンに座り操作を始めた。

っていうかパソコンで登録するのかよ。


ダンマス組合とやらは正直あまり気が向かない。

理由は簡単で、他の悪魔と関わりたくないからだ。怖いし。


「とりあえずこのままの調子でダンジョンを大きくしていこう」

「ジュンイチはすごいなぁ。きっとあっという間に5万ポイント達成だね」

「そのとおりです。あっという間ですよ」

「あぁ、そうだな!」


三人で笑い合った。輝かしい未来を夢見て。




が、それから二週間後のこと。


さっそく次の問題が発生した。


――カコン、カコン、カコン。


またしても伸び悩みである。


――カコン、カコン、カコン。


今度の理由は単純で、献上ポイントの発生と、フロア追加の必要ポイント増加のせいだ。


――カコン、カコン、カコン。


お宝を追加すれば人は増える。が、人が増えるとフロアを追加しなくてはならない。

1フロアあたりの人数が多いと、ダンジョン側に不利なことが多いからだ。


――カコン、カコン、カコン。


かといって何もしなければ献上ポイントのせいで、ポイントが増えにくい。

そんな理由から、ちょうど2万3千ポイントくらいから、横ばいになってしまった。


――カコン、カコン、カコン。


「うるせー!」


マモンとアヴィは卓球をやっていた。

最近ハマっているらしく、うるさくてたまらない。


「ジュンイチもおいでよ。考えてばっかりだからイライラするんだよ」

「それもそうだな。悪かったよ」


ということでアヴィと交代する。


「行くぞ、マモン」


構える。


「とう!」


下回転サーブ。


「あぅ」


マモンのラケットに当たり、球は変な方向に飛んでった。


「くるくるするのやめてよ」

「このダンジョンで一等賞になりたいの、卓球で、俺は。そんだけ」


その後マモンが泣くまでポイントを重ねた。


「ぐすん」

「お姉ちゃんがかわいそうです」

「アヴィ、ジュンイチを倒して」

「わかりました。ヒーロー見参です」


ということでアヴィに交代する。


「かかってこい。アヴィ。俺は中坊のころ、卓球が趣味だったのだ」

「そうだったんですか。くすくす」


――五分後。


俺は完膚なきまで叩きのめされていた。

こうなるって分かってたけど。


涙が出そうだ。


「ジュンイチ、弱いです」

「ちっ。悪魔め」


しまった。

遊んでる場合じゃない。


どうにかしなければ。

やはりダンマス組合とやらに頼るしかないのか。


「マモン、この状況を打破したい。他のダンジョンマスターとの連携を考えよう」

「おっけ~」


マモンはパソコンの前に座り、協力者を求めているダンジョンマスターを探しはじめたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ