偽あらすじ集
完結させてない作品が多すぎるので(;^ω^)
いつか書きたいなぁと現時点では思ってるもののあらすじです
たまに追加してます
【神様のサポーター~勇者の死体を回収するだけの簡単なお仕事です~】
何をやってもうまくいかず、飢え死に寸前で転がり込んだ朽ちた神殿跡で神様に救われた主人公。「簡単な仕事をするだけでいいから」と週給金貨3枚に釣られて「必要だから」と隠蔽とスタミナをMAXに上げられて、神様から授かったお仕事は・・・。脳筋系方向音痴不器用神様から魔王退治に出た勇者が死亡した際に復活させるための回収役を押し付けられた男が、神様、そして勇者に悩まされ、文句を言いながら旅をする。
「なんで、そこで突っ込むかなぁ! あ~あ、また全滅かよ……。本当、自分が脳筋だからって勇者も脳筋選ぶなよ! あ、うそです、うそです、お給料減らさないで~!」
◆ ◆
【いしのなかにいる!~お人よし僧侶のダンジョン人助け生活~】
「おおっと!」テレポーターの罠の発動で「いしのなかにいる!」になってしまった僧侶。でも死んでないし、壁の中を移動出来るし、これっていったい?
ダンジョンの壁の中に閉じ込められてしまったお人よし僧侶が、「ま、いっか生きてるし、でもなんでお腹がすかないのかなぁ?」などと深く考えることもせず呑気にダンジョン内で困っている人たちを人助け。後の世に「姿無き聖者」と呼ばれることになる(かもしれない)ある意味ダンジョンに寄生してしまった僧侶は果たして石の中から外へ出られるのか?
「あ、何回魔法唱えても疲れないや、ラッキー♪」
◆ ◆
【マロは勇者ではないでおじゃる~召喚バグで麻呂になってしまった男の話~】
復活した魔王に騎士も魔法使いも役に立たず、最後の手段として眉唾ものの勇者召喚の儀式を行うことになった王国。虫食いだらけの古文書でなんとか召喚することには成功したものの、現れたのは勇者ではなく「麻呂」だった。
麻呂の中の人はごくごく普通の日本人。しかしながらバグクラス「麻呂」のせいで話し言葉はすべて「おじゃる」言葉。当然ながら戦闘に役に立つスキルも持っていない。内面へタレの癖に麻呂として強気な上から目線でしか話せない。
「うむ、すべてマロに任せるがよいでおじゃる(うわー、どうしてこうなった!?)」
◆ ◆
【ニートな俺が商店街再生の切り札になりました~広告幻像世界の生産廃人~】
試供品はすべてタダ、リアルで購入した商品についているコードを入力してレアアイテムゲット、読み放題の図書館は全部話の途中まで、映画に出てくるモンスターが期間限定レアボスになり、アンケートに答えてレアスキルゲット、どこまで行ってもコマーシャリズムに汚染された世界だが、クオリティだけはスポンサーの意地(と言う名の運営へのプレッシャー)によって異様に高いVRMMO「コキュートスワールド」別名「コマーシャルワールド」。
それにどっぷりと浸かったニートな主人公だったが、生産職廃人として中の世界ではそれなりに知られた存在となっていた。ニートが極まって親に家から追い出された彼は祖母の家に転がり込むが、シャッター商店街と化した思い出の町並みに一念発起、「コマーシャルワールドなら個人でも大手と同レベルの広告が出来る! 俺のアイテムで商店街に客を戻して見せる!」商店街の他の店や、その跡取りたちまで巻き込んで、なるか商店街再生?
◆ ◆
【本体はメガネ~異世界メガネかけ無双~】
転生特典のチートの最後のひとつとして「どんな攻撃にも傷つくことの無い体が欲しい!」と願った男。願いはかなえられたが、容量の関係で「ドラゴンが踏んでも壊れない、メテオくらっても割れない」メガネになってしまった。
メガネかけ(元の体)を駆使して、メガネが戦う!
「くそっ、早く本体拾いやがれ、メガネかけ!」
「ああ、メガネ、メガネ……」
「よしっ、合体完了。いくぞ、ファイナル(メガネ)ビーム!」
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【遊びの続きは異世界で!】
子どもの頃、一日だけ一緒に遊んだ女の子。
すっかり忘れ成長したある日、「遊びの続きをしよ」と能力を付けられて、実は異世界の神だった女の子の管理する世界に送られてしまう。
与えられた子どもの遊びの延長の力を抱えて途方に暮れるが、何故か足手まといホイホイと化してしまい、次から次へと現れる足手まといの安全確保のため、陣地を拡大していく羽目になる。
「ここ、俺のじーんち! 入るなよ!」
果たして広大な世界の中、隠れてしまった女神を見つけ、かくれんぼを終わらせることが出来るのか?
「バーリア! バーリア! ちょ、ドラゴンのブレスとか防げるけど、なんのエフェクトも無いし範囲分からないし、怖いんですけど~!?」
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【異世界交換日記~ぼくと彼女のNAISEIチート~】
真新しい日記帳を誕生日プレゼントとしてもらった中学生の主人公。「三日坊主になるだろうなぁ」と思いつつも書いた日記は何故か翌日に消えてしまう。首を傾げながらも学校に行き「無いんだから仕方ないよね」と日記を書かずに寝た更に翌日。机の上に戻って来た日記には何故か可愛い文字の荒唐無稽な内容の手紙とも日記とも付かない文章が・・・。
奇妙な日記を通して交流を重ね、いつしか色々な相談を受けるようになった主人公は、ある時は親の力を借り、ある時はネット住人の善意に助けられて、問題を抱えるもう一人の日記の書き手である少女の力になろうとする。
ぼくと彼女の異世界内政チート物語開幕。
◆ ◆
【最狂のガンカタ】
拳銃を自在に扱う肉体と無限に弾が撃て自由に呼び出し出来る拳銃を手に異世界に送られた主人公。しかしながら前世日本人な上に射撃経験ゼロ、特典としても「弾を当てる」能力を選ばなかった為に獲物には全く当たらずせっかくのチート拳銃も持て余す。
途方に暮れる主人公だが、そこで「どうせ狙っても当たらないなら」と開き直って始めたのはガンカタモドキ。銃を鈍器として利用する為、発射の反動をプラスするという発想の転換(と言う名の気違い沙汰)。ぼっちだからこそ出来る異世界銃器無双。最狂のガンカタ使いの伝説が始まる。
「それガンカタちゃうやろ……」(by神)
◆ ◆
【モンスターの苗床】
魔法なし、ステータスアップなし、特殊スキルなし、無職、元々微引きこもり、そんな異世界お先真っ暗な苗場素子ことナエドコが、幻狼王フェンリルに子どもを託されたのをきっかけにモンスターが中で休憩するのに快適な体であるという体質から様々なモンスターに寄生されまくって、望まぬ無双と望まぬ人外ショタ逆ハ兼保母さんの生活を送ることになる。
「定吉! そんなトコから顔出さないの! バロン、お願いだからわざわざ顔出して血を吸うのはやめて! コン助、また葉っぱで買い物してきたんでしょ!? お店の人が困るからやめなさい! ジョンも寝ぼけてブレス吐かないの! もう、なんでこんな目に会うのよ~!」
◆ ◆
【2038年の男子高校生の日常】
「移民を受け入れなきゃ衰退する、なもんで移民の受入れは行う。ただし、移民として全面開放するのはこの地球上に存在する国家以外の住人に限る」と異世界の住人の移民受入れを開始し、それがすっかり定着した日本。
町工場でドワーフが働き、漁師としてサファギンが漁船に乗り込み、日の丸背負ったドラゴンがPKFに出動、オーガの機動隊員やコボルトのおまわりさんが警察で働き、首相はエルフがやっている。そんな日本で暮らす高校生の日常。
「おお、今週のグラビアはラミアクイーンのテアリアさんっすか!」
「おは~、宿題やってきたか?」
「げ、忘れてた。ガイ先、怒るとこええからな、見せて、お願い!」
「なんでドラグニュートがメガネかけて高校の国語教師やってるかなぁ」
「おま、ガイ先生はまだいいだろ、体育なんかオーガのバル先生じゃねえか!」
◆ ◆
【ひらめいたっ!】
田舎の蔵の整理を半ば罰ゲームの様に押し付けられた主人公はそこで見つけた巨大な電球に取り付かれてしまう。自分以外誰も見えない頭上に居座った電球が光る時、新たな力に目覚める事になる。
閃きとは言っても現代の高校生なんで「早食い」「短距離ダッシュ」「起きてるフリ」「先行コマンド入力」「フラグ看破」「オクターブブレイク」など戦闘にはほど遠い能力。しかも些細な能力まで閃いてしまうんで、ウザったくて仕方が無い。
「ピコーン! 『カップラーメン仕上がり看破』を身につけた!」
「タイマーも時計も無しでカップ麺の出来上がりが分かるのは確かにすげえけどさ! どんだけ、カップ麺食えばいいのよ、俺!?」
◆ ◆
【マーフィーの法力】
郵便局勤務の父親と看護師の母親の間に生まれた、埋没系地味メン。地方公務員になるのが将来の夢。堅実が一番、何も無いのがラッキーという考えの高二(学年)の少弐大二。厨二病の転生者に憑依され、安定した公務員を目指す未来像が狂わされていく。
「だから、なんで僕に憑依してんのさ!」
「しらねえ、でも面白そうな時だけ動けばいい今の暮らしは楽でいいな!」
「なんで、こんなことに……」
「恨むんなら、あの貧乏神を恨みな。俺もアイツのせいで死んだしな。転生の筈が本人の意識残ったままの憑依だし……ま、この体の優先権は俺だけど、面倒くせえから普段は使わしてやんよ」
「僕の体なのに……」
「お、あそこで絡まれてるのお前のクラスメイトじゃね?」
「吉田さんだ」
「どう見てもスキルゼロのナンパだな。人助け人助け♪ アンラックバレット、ばきゅーん♪」
指定した相手の行動を「失敗」させる強制ファンブルの力で面白さ優先で動く「同居人」に振り回され、大二くんの苦難は続く。
◆ ◆
【なんちゃら二世~三つのしもべに変身だ……あれ?~】
伊勢回転性じゃないや、異世界転生のおともとして付けられた筈のウイングドラゴン、ミスリルゴーレム、ミミックスライムの三匹に「何故か」変身出来る様になってしまった主人公。肝心のおとも達は何故かねんどろいどサイズ、自分の体は元の世界のままだし、これって転生じゃなく転移じゃね? 凡人スペックの肉体と頭脳に転移先のファンタジー世界でも超絶スペックな三つのしもべの力。カップラーメンにお湯を入れてから食べ終わるまでの時間しかもたない変身能力で、戦乱やら盗賊やらとゴタゴタしてるらしい世界を旅して、なんちゃらの塔とかいう砂漠にあるらしい塔にたどり着かなくてはならないらしい。饒舌なゴーレム、お嬢なドラゴン、オタクなスライムと共に、どこにあるかも分からない塔を目指す主人公の旅が始まる。
◆ ◆
【王城の牢名主~異世界を侵食せよ~】
異世界召喚で巻き込まれ召喚された主人公、魔法も無ければスキルも無くステータスも軒並み低く、あるのは意味不明な「侵食者」という称号のみ。道具としての召喚勇者を期待した王国サイドの人間に牢に放り込まれてしまう。
激マズの冷たいメシも隠し持った醤油で乗り切る主人公の周りで徐々に変化が生じていく。長時間留まった場所を元の世界に上書きして塗り替えて侵食していく侵食者の力で、牢を基点に世界から魔法がスキルが魔力が消えていく。体内に自然に魔力を取り込んでいるこの世界の人間は、彼の領域では子ども以下の力しか出せない。魔力で封じられた鍵はとっくに役立たずになり、いつでも自由に出ていける主人公だが、絶対的な領域と化した牢に留まり続ける。
王国の魔術師たちが原因を解明した時には既に王城の過半は彼の領域。あの手この手で主人公を追い出そうとする王国サイドと自分を牢に閉じ込めた相手が困れば困るほど嬉しい主人公。頼みの綱の勇者も召喚された時に与えられた強化が逆にネックとなって、主人公には敵わない。自業自得で滅んだ王国と「最強の牢名主」と呼ばれた男の物語。
◆ ◆
【世界を救おうとするとフラグが乱立するんですが!?】
人の国同士の争いは、妖精、亜人、魔族を巻き込み、世界が滅んだ。
争いの趨勢に全く関与しない人生を送り、戦いに巻き込まれて死亡した貴族の四男坊は気付けば過去に戻り、子どもになっていた。
剣の腕も魔法の力も無く、有るのは何故か身に付いた『天啓』というスキル。
「え、あの子が死ぬとその兄が暴走して虐殺王になるの?」「ちょ、ま、この子が病死して、父親がそれを生き返らせようとアンデッドの研究に走って、あの不死者の大暴走が発生したの?」「ここで誘拐された女の子が暗殺者になって王様殺して内乱が発生、それが大戦の呼び水に?」
天啓によりもたらされる不幸な未来を避けるため女の子救済に奮闘するが、結果として女の子たちとの恋愛フラグが立ちまくり、それが彼女たちを大事に思う者たちの憎しみを煽って主人公の死亡フラグが乱立する。
「俺はハーレム野郎を目指してなんかいないんだー!」
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【乙女ゲームなんかくそくらえ!~モブだと涙を流す彼女に僕が出来ること~】
待ちに待った夏休みを目前に周囲から「バカップル」扱いされるほどラブラブだった彼女・夏希から別れを告げられた逆井洋介。何故なのか、何かあったのかと尋ねても彼女は涙を流すばかり。それでも問い詰める洋介に対し、ようやく口を開いた夏希の言葉は「前世を思い出したの……」。
この世界は夏希が前世でプレイしたパニックサバイバル系の乙ゲーの世界で、彼女は冒頭で死んでしまうモブ、洋介はヒロインの攻略キャラの一人(彼女を失って荒れていたがヒロインの優しさに心を開いていく影のあるキャラ)なのだと言う。
「そんなことは認められない!」と洋介は夏希を救う決意を固めるが、どんどんと世界はゲームの流れへと加速していく。
果たして洋介は夏希を救えるのか?
そして二人は生き残ることが出来るのか?
◆ ◆
【ほんの5グラム~最弱召喚士の現代知識無双~】
召喚士の家系に生まれたグラムは「落ちこぼれ」と呼ばれていた。本来召喚したものを使役して戦う召喚士としては致命的な「重いものが召喚出来ない」という欠陥があったからだ。仕方なくほとんど重量をもたないゴーストを召喚していたグラムだが、ある時偶然召喚した異世界の一般人(という名の雑学王)アンザイの知識に接し、自分の欠陥と引き換えとも言える特性(本人の認識出来る場所ならどこにでも召喚出来る)により無双が可能であることを知る。落ちこぼれの召喚士と異世界産の幽霊のタッグによる現代知識無双。
「知ってるかい? ニコチンの半数致死量は0.5mg.から1mg.つまりはどういうことかっていうといつでも君を殺せるって事だ!」
◆ ◆
【犬耳幼女はストーカー?~萌え萌えてぃんだろす~】
夢の中で出会った子犬、心行くまでモフり倒した翌朝から、透は幼女に付きまとわれ始める。
どこに行っても現れ、それで居て近付くと逃げ、どこかに消えてしまう。
ティンと名乗る犬耳幼女と平凡な大学生透の追いかけっこ。
「行為そのものはストーカーだけど、あんな子に怒鳴ったり邪険にしたり出来る訳ないだろ!?」
徐々に近付く二人の距離。
「海老原くん、子連れでバイトは困るんだけど?」
「えっ? あ、あいつっ!」
幼女に振り回される透に安らぎはおとずれるのか?
「くぅ~ん……」
◆ ◆
【検証:本当に埼玉県地図があればどこに行っても道に迷わないのか~異世界編~】
「ネッ友と会うため東京をスルーして埼玉県にやってきた俺、高岩哲郎、ナイスガイ。しかし頼りのスマホは電池切れ、最終兵器の埼玉県道路地図で果たして友人宅に到達出来るのか? それにしても埼玉ってグンマー以上の危険地帯だったんだな。コンビニも無いし、剣を振り回すヤツは居るわ、でっかいトカゲは居るわ。みんな髪の毛染めてて黒い髪の人間なんて一人も居やしない。こっちの道が大きいからたぶん国道だろ? 電車はどこに走ってるんだ? 有り金置いてけなんてカツアゲ通り越して強盗だろ! 車も一台も通らないし、埼玉ってこんな僻地だっけ?
そうか! 一般に知られている埼玉の姿はマスコミの捏造だったんだな!
マスコミめ~!」
たまたま名前が同じ異世界のサイタマ王国に紛れ込んでしまった主人公は、そこが埼玉県であると信じたまま異世界を進む。
「分かった、謎は解けたぞ!
これはタイムスリップに違いない!
俺は過去の埼玉県に来てしまったのだ!
(さすが、俺! 凄い頭脳の冴えだぜ!)」
埼玉県という名称が近代以降のものであるということすら知らないお馬鹿な彼は、果たして元の世界に帰れるのか?
そして、彼は友人宅に辿りつくことが出来るのか?
◆ ◆
【痛くなければ覚えませぬ~泣き虫オークの魔王軍成り上がり記~】
共通して痛覚鈍化のスキルを持つオークの中で、何故か痛覚倍加のマイナス・スキルを持つ泣き虫オークのチャップ。殴られては泣き、転んでは泣き、虫に刺されては泣く彼は周囲から馬鹿にされていた。しかし、あまり賢くない周囲、それに彼本人も気付くことは無かったが、彼にはペインイーターという謎のスキルが! 痛いと思ったことに対して耐性が着くという特異なスキルを抱えたオーク少年は、知り合ったゴブリンに半ば騙される形で入った魔王軍でひたすら耐え続ける。
「痛いのは嫌だ~!」
◆ ◆
【楽しい神話の作り方~VRMMO世界で神様になったよ?~】
「没だ! なんだこの設定は! どっかから引っ張り出して作った自称オマージュという名のパクリとか、あちこちつまみ食いして作ったパッチワークの神話はこのゲームに相応しくない!」
クローズドβ終了直後のカリスマVRMMOデザイナーの鶴の一声で始まったシークレットプロジェクト。サービス終了寸前の過疎ゲーでひたすらカンスト(3キャラ目)を目指していた主人公は「そんなお前向きの仕事をやってみないか?」と久々に顔を合わせた従兄弟に新作VRMMOのテスターとして誘われる。
「えっとαテスターとかβテスターとかは聞いたことあるんですが、Ωテスターってなんですか?」
「『神話』そして『伝説』を創るためのプレイだ! チートを駆使して歴史に名前を残せ!」
オープンβの裏側で行われた世界背景を構築するためのΩプレイ。
「神」の座を割り振られた主人公は果たしてどんな歴史を刻むのか!?
「権能早い者勝ちって、俺より前に神様になった人たちにメジャーどころ全部取られちゃってるじゃないですか!」
「実際、半神半人とかの方がプレイは楽しいよなぁ。まあ、割り振りは完全にランダムだ。神だろうが死ぬ時は死ぬし、ゲームシステムにのっとって成長するしな。便所の神様が主神の神話とかになることだってあり得るぞ?」
「初っ端が神様のバトルロワイヤルって~! マジ死ぬ、勘弁!」
「最初から秩序決めるよりいいだろ?」
「で、解説いただいてる貴方誰です?」
「この世界(VRMMO)の真の神、デザイナーの田上だ!」
◆ ◆
【カートゥン・ワールド・おんらいん】
リアルじゃないリアル。漫画漫画したキャラが溢れるVRMMO世界。二次元世界に旅立てなかった者たちが執念で作り上げたもうひとつの現実。そんなカートゥン・ワールドでボーナスポイントにつられてランダムキャラ作成をおこなった結果、直立した人間大のカワウソになってしまったキャラネーム「イタチ」。三下口調までデフォルト変換された彼の行き当たりばったり仮想現実ライフ。
「いや、ですからアッシはオコジョでもフェレットでも無い、カワウソのイタチでやんす!」
「ややこしいからカ○くんでいいよね!?」
「いやいやいや、それはマズいでやんす! 規約に触れて削除されるでやんす!」
「じゃ、ノ□イで!」
「アッシはラスボスじゃないでやんすよ!」
◆ ◆
【超時空巡回書店】
その本屋に入ってはいけない。
その時点で人生が完全に変わるから。
その書店の書架に並ぶのは人名だけ書かれた背表紙を持つ大量の本。
偶然迷い込んだ少年は一張羅の上着と引き換えに三冊の本を手に入れる。
人生を終えた他人の知識とスキルが詰め込まれた本により、有り得ない知識と有用なスキルを手に入れた少年が店から出ると、そこは見慣れぬ町並み。
入店中に更に別の世界に転移していたのだ。
見知らぬ世界で一人きり、少年の冒険が始まる。
◆ ◆
【病魔といっしょ~転生した病弱もやしは病魔使いになりました~】
幼い頃から相次いで様々な病魔に取り付かれ、諦観に似た無気力でその一生を終えた少年。
気付けば赤ん坊、しかもゲームや漫画で親しんだファンタジー世界へ。
「で、この幼女、いったい誰なんだ?」
「私は『白死病』だよ?」
「こっちの子は?」
「わたくしは『突発性変異膠原病』ですわ」
美幼女に美少女に囲まれた生活ながら、彼女たちはすべて「病魔」、しかもそのほとんどが死病、何故か好かれ過ぎて日常が日常(笑)に!
「まだこの子は5歳なんですよ!」
「お気の毒ですが、この病気の治療法は全く…」
お友だちのお見舞いに行けば予想外に重い展開。
「あら、あなたの側の方が良さそうね!」
「ちょ、待て、何故こっちに来る!」
一転、嘘の様に快方に向かうお友だちと主人公の周りに増える取り巻き病魔。
病魔に好かれ過ぎた少年の未来はどうなる?
◆ ◆
【シューターなめるなヌルゲーマー!~VRMMOのAI強化(狂化)法~】
膨大な死にプレイから攻略法を見つけていくシューティングゲームマニアの男子高校生佐藤潮(決して砂糖お塩じゃない)。そんな彼はゲーマーの憧れのバイト先ゲーム会社でのアルバイトにゲーセンでスカウトされる。
サービス開始から3年の停滞期に入ったVRMMO『NULL POINT』の新規エリア開放に伴うAI強化、その手段として製作会社GUTZが取った手段とはモンスターやNPCなどを様々な経歴・年齢の「中の人」を使って動かさせ、それを記録しAI化するというものであった。
潮は雑魚モンスター担当として膨大な死に経験を元に冒険者というボスキャラ攻略に乗り出す。
「おし、こう動けばこの攻撃は避けられる……っととあぶね、硬直中に安地に移動、でこのキャラの場合、この辺通常視界から外れるからここから攻撃と同時に移動、でもって……あー、巻き込まれピチューンか、新機体はこの位置、残機減ってきたなぁ、オプション(リンク)集めてから行くかな?」
シューティングゲーマー、シューターの思考で動く雑魚モンスターにゲーム難度はルナティックに!
「なんでボスキャラより雑魚キャラの動きの方がいやらしいんだよ!」
「ちょ、ま、なんでゴブリンがフォーメーション!」
「昆虫地獄へようこそ……トイレ休憩も取れないんですけど、マジで!」
「残機ゼロからが勝負のシューターなめんな、ヌルゲーマー!」
◆ ◆
【ダンジョン梅の湯~迷宮はじめました!~】
常連はご近所のお年寄りだけ、時代の波から取り残された様に昭和の香りを漂わせる銭湯「梅の湯」。
四代目としてサラリーマンを辞めて後を継いだ梅本直樹は一発逆転をかけてサラリーマン時代に貯めた貯金で温泉ボーリングを試みるが……?
どう見ても異世界なダンジョン中層に繋がってしまった銭湯で常連の老人たちと、未踏破のダンジョン攻略に命をかける冒険者の交流が始まる。
後にダンジョン特区となる地方商店街には目の色変えて日本の商品を買い漁る冒険者が溢れ、日本人の中からダンジョンへ挑む者も現れる。
「ああ~極楽極楽、ダンジョンの神様だかなんだか知らねえが、粋な計らいするもんじゃねえか!」
「おい、お前、新人だな? きちんと体洗ってから湯船につかれや! それが『こうきょうのまなぁ』ってやつだぞ!」
「風呂上りにキンキンに冷えたビール、生きてるって感じがするな!」
「いらっしゃい、銭湯は450円、サウナも利用すると600円、ダンジョンは1500円になります!」
◆ ◆
【三身合体! ダレガヘタレジャ- ~どの世界でもヘタレな「俺」たちは合体して世界からはじき出されました~】
無限に存在する異世界、時に重なったり接触したり、神隠しやオーパーツなどの影響はあるもののさほど大きな事件は起きていなかった。
今回発生したのは三つの世界の接触と別の一つの世界のニアミス。
たまたま三つの世界の接触点にそれぞれの世界で同じ様にぼーっとしていた主人公は一つの存在になってしまい反動で三つの世界のどこにも存在出来ずにはじき出されてしまう。
人体の機械化が一般化した科学世界、モンスターの様な魔人や魔物が溢れる魔界、そして現代日本。世界は異なれど似たような人生を歩み、似たようなレベルの存在であった主人公は、気が付けば三位一体の存在として剣と魔法と巨獣の世界へ。
果たしてヘタレ3乗は新たな世界で汚名を返上出来るのか?
「へ、ヘタレ言うなし……。たとえウサギでもトラックより大きけりゃビビるわっ!」
◆ ◆
【ソード・イーター~戦場生まれの偏食者~】
勝者無き戦場、無数の屍が晒されるその平野に、まるでそこで生まれでもしたかのように唐突に現れた幼子。
激しい餓えに導かれるまま、食欲をそそる「剣」を噛み砕き飲み込んでいく……。
剣、それも鍛えられ、多くの血を吸って来た剣にしか食欲が湧かない主人公が、それまでに食った剣を元に「濃縮還元」で生み出した剣を片手に他人の剣を折って回る……自分が食うために。
「お前が善人だろうが悪党だろうが関係無い! なあ、剣持ってんだろ? 俺に食わせろ!」
己の食欲以外のすべてを「余計なこと」と考える欠食児童で偏食家、そして美食家な男の争乱の物語が始まる。
◆ ◆
【お日さま笑顔~こういう意味じゃないだろ!~】
標準装備のふつーの笑顔で微コミュ障の本性を隠し、それなりの人生を終えた主人公。
死の瞬間ふと思った「生まれ変わったら、お日様の様な…」
気が付けば赤ん坊、両親美形で勝ち組?
部屋の内装も豪華、メイドも乳母も居るし、お貴族様?
「しかし、この周りをくるくる回っているのはなんなんだろう?」
虫にしては規則的、形状は球形だけど輪が付いてたり、更に小さな球が周りを回っていたり……「どう見ても惑星です、ってことは俺が太陽? 意味が違ぇ~!」
魔法アリの異世界で、惑星の力で無双する転生者アイウス。
「アイウスちゃんの周りはいつもぽかぽかで眠くなっちゃうわね」
「坊っちゃまの笑顔を見ていると胸がぽかぽかします」
彼の周囲の空間は春の陽だまりと化す。
「あ、蜂……火星、それ過剰火力だよ、木星、それ食べ物じゃないから」
今日も彼の周りを惑星たちは回る……。
◆ ◆
【タイムレコーダーガッシャンガッシャン押せば~フニャーっと異世界~】
本当の勤務時間夜9時から翌朝5時、オフィスのタイムレコーダーをガシャンと押せば、あっという間の異世界。
怪しげな開運グッズをネット販売している親戚の会社にお祈りメールをエロスパム以上に受取った挙句転がり込んだ市宮逸夫。薄汚い雑居ビルの3階、エレベーターを使うと他の階の社員に舌打ちされ、かといって歩いて上ると結構キツい。
そんな事務所には今時帰って珍しいくらいの年代もののねずみ色の机と椅子。昼はそんな事務所で働き、夜はタイムレコーダーを押しての異世界勤務。
時間の流れが12倍の異世界で「神官見習い」として神殿でこき使われる日々。
そう、インチキっぽい開運グッズ、実は異世界の幸運の神のサイドビジネス。「大冒険者時代」の到来で人手不足となった神殿が打った手が、この開運グッズ販売の為の会社を利用した異世界人材確保であったのだ。
こちらの世界のブラック企業も目じゃないブラック神殿で、今日も逸夫の苦難は続く。
「ここ、本当に異世界なんすか? 神殿から一歩も外に出たことないんすけど?」
◆ ◆
【ゲームオーバー】
突然、空に文字が浮かび「マイナス500万ポイントになりました、ゲームオーバーです」との表示が。
人が町が物が消え、自分も消える。
気が付けば10歳の自分、どうやら「セーブしたところから再開」になったらしい。
「世界は201X年に滅んだんだよ!」
「『なんだってー!!!!』って言えばいいのか?」
周囲に話しても信じては貰えず、そもそもが「マイナス500万ポイントでゲームオーバー」で何がポイントとして加減算されていたのかも分からない。
そうする中、同じ様に滅ぶまでの記憶を彼と同じ様に持っている人間が居ることに気付く。
「競馬マニアで良かったよ、特に穴目の配当出たレースはきっちり押さえてるからね」
「なんとしてもタネ銭作って株を買ってやる。当然、空売りもするぞ!」
エゴに走る者。
「やあ、君もあの最後の審判の記憶があるのかい? こうして罪を償う機会が与えられたのも神の愛だ。共に祈ろう」
「世界は滅びる! 悔い改めよ! なんだ、お前もあの記憶があるのか?」
宗教に救いを求める者。
「ん、前の人生は頑張って現役で慶應入ったよ? でも無駄じゃん」
「あー、少なくともあの女ともう一回結婚することはねえな。それに子育てしたって大きくなる前に世界が終わるだろ?」
諦め、刹那に生きる者。
「宇宙人に侵略されたとか、天変地異とかならわかるけど、あんな終わり方、気に入らないな」
「なんとかなるか分からないけど、何もしないまま終わりにしたくない」
「まあ、俺様に任せておけ! なんとかしてみせらぁ!」
ポイントの謎を見つけ、世界のゲームオーバーを防げるのか?
少年たちの戦いが始まる。
◆ ◆
【ダンジョン建設記~地獄に落ちた俺たちは物理でダンジョンを作る~】
死後、転生なんて救済措置も無しに地獄に落とされた俺。なんでも天国なんて行けるのは特殊な例。地獄は言ってみれば「洗濯機」の様なもので、天国行きは何ヶ月も着た服が洗濯しないでも着られる清潔な状態のままって感じらしい。うん、そりゃ無理だわ。
怠惰で流されやすい傾向のある連中、つまり俺らが落とされたのは中央に綺麗な宝石の様なものがあるだだっ広い部屋の中。
一人一人触れる様に指示があり、触るとスコップ、ツルハシ、作業着に安全帽、ヘルメット、ヘッドランプ、軍手、安全靴といった作業セットと一食分の食糧、水が入った水筒が「アイテムボックス」に入っていた。
これから俺たちは手作業で巨大ダンジョンを作るのだと言う。
真面目に働けば食糧、その他を得られ、仕事ぶりによってはスキルもつくのだとか。逆にサボれば食事は得られず、問題行動を起こしたり、他者に害を加えればここより酷い地獄送りになるらしい。
説明を理解せずに他者の利を横取りしようとして直接責め苦を受けるレベルの地獄へ送られる者、食事をちゃんと得られるレベルを把握して、その範囲しか働かない者、一方で評価によって得られるアイテムや、努力によって身に付くスキルを目指してゲーム感覚で楽しむ者や、実際に冒険者が入ってくることを考えて工夫を凝らしたり、仕掛けを作ったりに夢中になる者と同じダンジョン建設地獄の中でも違いが生じてくる。
これは、後に「ダンジョン界のサグラダ・ファミリア」「永遠に未完のダンジョン」と呼ばれる様になる、地獄ダンジョンを作った男たちの物語である。
◆ ◆
【魔王の左腕~事務系魔族の異世界就職活動記~】
「今までありがとな、幸いと言っちゃなんだが、お前は魔力が低いからな、どさくさ紛れに余所の世界に飛ばしてもバレねえだろ? 退職金代わりにアイテムも色々と入れといたからな、まあ、これからは気楽に暮らしてくれや!」
魔王の「左腕」と呼ばれた男が魔王城から消えた。
勇者に攻め込まれ、落城寸前、魔王の最後の「悪戯」が異なる世界に混乱をもたらす。
戦闘チートに囲まれて、戦闘能力皆無の事務屋と見做されていた男。
しかし魔力こそ少ないものの次から次へと舞い込む仕事を処理するために鍛えられた驚異的な魔力回復速度と事務処理で磨き上げた多重並列思考は、小規模の魔法を弾幕化し、些細な補助呪文で自己の要塞化を可能にするものだった。
自己評価が極端に低い、極悪戦力の忙しくなればなるほどテンションが上がるワーカホリックが、「自分を満足させる仕事」を求めて異世界を彷徨う。
彼に安住の地はあるのか?
「流石に一ヶ月の仕事を三日で終わらせられちゃうと、他の従業員の仕事も無くなっちゃうし困るんだよね」
「ギルド職員が溜まった不人気依頼を処理する必要は無いんですからね?」
「在庫監査の片手間に周辺モンスターを完全駆除って、この砦の意味なくね?」
◆ ◆
【俺の総スキル数は那由他です~スキル強奪チートが溢れた世界で他人にスキルを押し付けてステータスを上げろ!~】
様々な世界の管理神たちが、厄介ごとの廃棄場として作った世界ヘモログ。チート能力者とバグレベルのモンスターが溢れるこの世界に、今、一人の男が放り込まれる。管理神たちの慰労会の狂乱の果てに「強奪系チート多いよね~、もう、そんなに他人のスキル欲しけりゃ『もういりません、勘弁してください』って言うまでくれてやりゃいいんじゃない?」と、思いつくままの大量スキルを押し付けられ、「スキル押し付け」というオリジナルスキルまで与えられて……。
「本来なら自分のスキルとか把握するトコなんだろうけど、これは無理だな、三十分間ろくに読まずにスクロールしてもスキル欄が終わらない。那由他って10の64乗だっけ、80乗だっけ? なんか、そんだけスキル寄越したっていうけど、良くそれだけの数のスキル考えたよな。ステータスは一般成人なみだけどチートがゴロゴロ居る世界だから無意味。人にスキル押し付ければ俺のステータスが上昇するって話。スキル強奪系が溢れてるってのは楽だな。勝手に持っていってくれるんだろ? 早速、誰か俺に強奪スキル使ったみたいだし、ほほう、持っていかれると持っていかれたスキルが分かる訳ね。『鼻毛無双』ってなんだよwww『カモノハシ召喚』とか『くじ運1%上昇』とかどうしろって言う話だよな。しかも俺から強奪したスキルって取り外し効かないのかwwwwwwご愁傷さま」
大量にある不死身、無効系スキルで攻撃は受けず、これまた多量にあるランダム転移系スキルで脈絡も無く世界のあちこちを放浪する。
強奪系チート能力者たちから「彷徨える悪夢」と言われた男の伝説が始まる。
◆ ◆
【神様、不労所得が欲しいです~ガラガラ回したら転生特典に雑居ビルをもらったよ!?~】
念願の一人暮らし社会人一年目にして満員電車でうつされたインフルエンザで重態となり、病院にも行かず動けなくなり、そのまま死亡した折原崇。
死後の世界は一人ずつチェックするのは面倒だということで、死後の審判なんてものはとうに無くなっていて、並んだ列の先では商店街の福引のガラガラを一人ずつ回すことを要求される。
赤は地獄行き、金色は天国行き。
転がり出た玉は何故かビー玉で特典付きで異世界へ転生。
神に希望を聞かれて「不労所得が欲しい!」と答えると地上八階、地下一階の雑居ビルをもらってしまう。
一階にはコンビニとドラッグストア、二階は漫画喫茶、三階は居酒屋、四階はサウナ、五階、六階はカプセルホテル、七階、八階は居住スペース、そして地下には駐車場。
雑居ビルを召喚出来るようになったのはいいものの、当然ながら従業員はおらず、電気水道ガスは無尽蔵で商品も何故か補充されるが、これでは働かずでの収益、不労所得は無理。
果たして崇は剣と魔法の世界で雑居ビルを活用して、不労所得を得られる様になるのか!?
「オーナー、バイト希望でトロルが来てるんスけど?」
「オーナー、なんかショバ代だのなんだの言ってくる馬鹿いるんだけど、サウナで強制ダイエットさせていいよね?」
「オーナー、新メニューの試食お願いしま~す!」
「なんか違う……普通に働くより忙しくね、俺?」
◆ ◆
【牛のお供で召喚されました~異世界人は王都で今日も乳を搾る~】
人には本人も気付かない才能が秘められている。
俺の場合はそれは牛の乳搾りだったらしい。
幼い頃から頭の上がらない従姉の命令でドライバーとして駆り出され、姪と従姉を乗せて訪れた牧場での乳搾り体験。
他の人間はラーメンやパスタ程度の太さだったのだが、俺の場合うどんくらいの太さの乳が出て来た。
まあ、そこで終わってればそれだけの話だったんだが、なんとその乳を搾っていた牛が異世界に「聖獣」として召喚されてしまい、俺も一緒に異世界に。
お牛様にひれ伏す人々、放置される俺。
食っちゃ寝のお牛様の指名で乳搾り係として、なんとか異世界での居場所を確保することになる。
そんなある日、お牛様の散歩で捨てられた赤ん坊を拾う羽目になって……。
乳搾り以外才能の欠片も無い一般人である俺と、時々爆乳美女に変身するお牛様、そして捨てられた子供…………聖獣の乳で育てられた、後の勇者である。
そんなことになるとも知らず、俺の異世界子育て奮闘記が始まる。
◆ ◆
【異世界屯田兵】
異世界に繋がるゲートが世界各地で発生。
日本政府はこっそりと異世界進出を目論み、居なくなってもバレにくいニートたちが異世界への尖兵となる。
荒野を開拓し、畑を耕し、モンスターを倒す。
目指せ自給自足!
コミュ障だろうが、ヒッキーだろうがモンスターは考慮してくれないぞ!
たんぱく質が欲しければ自分で手に入れるしかない!
正露丸とソーラー発電機は日本政府の温情。
親からの仕送りは最後のライフライン。
こっそりと使いもしないのに買ったナイフや伸縮警棒の出番だ!
ネットには繋がるが電力は有限だぞ!
ゲートの出入り口はがっちり自衛隊にガードされて日本には戻れない。
有用な鉱物や素材を手に入れれば臨時ボーナスのチャンス。
見込みアリとなったら、なにもかも取り上げらてしまうかもしれないが、明日を夢見て頑張れ、異世界屯田兵!
◆ ◆
【雷属性は勇者の証】
勇者召喚された榎木春菊は促されるまま勇者の証である「雷」属性の魔法を使うが、空から雷が降り注いだり、指先から雷光が出るなんてことは無く、何か不穏な金属塊を呼び出してしまう。
「脅かしおって!」と騎士団長がその金属塊を叩くと謁見の間は大爆発、王宮は半壊。ドサクサ紛れに逃げ出した春菊だが、一文無しだわ、王国からは命を狙われるわ、武器は持ってないわで途方に暮れる。
最後に頼れるのは……と魔法の検証を行うと何故か現実の光景にHEX表示が重なる。
そう、彼の魔法は雷は雷でも「地雷」「機雷」「魚雷」「爆雷」といった爆発物を任意の地点に配置、発射するものだったのだ。
全てを吹っ飛ばしてしまう彼の魔法では素材や部位証明の必要な冒険者には成れない。
空腹に足をもつらせ転げ落ちた川で運良く流木に引っかかった彼はそのまま海に流されてしまう。
目覚めれば見知らぬ室内、「海、異世界と来れば人魚だろ!」と期待したが、出てきたのはお気楽極楽な熱帯仕様のカラフルなサハギン。
「行くトコねえのか? ならココに居ればいいさ!」とあっさり滞在許可。
暢気なサハギンたちと適当に暮らす春菊だが、海賊や深海種のサハギンなどとの抗争に巻き込まれて……。
後に碧海の勇者と呼ばれる様になる、春菊の異世界ライフがここに始まる。
◆ ◆
【勇者掃討記~世界は童貞に託された~】
異世界帰りの勇者から爆発的に感染拡大した勇者症候群。
「世界のため」と自己の行動を全て正当化し、感染することによって身に着けたスキルや魔法で好き勝手に振舞う。
タンスを漁り、壺を割り、賭博場に入り浸り、魔法でどこにでも入り込む勇者たち。
警察機構も軍も相手にならず、それどころか逆に感染して勇者を増やしてしまう始末。
そんな猛威を振るう勇者症候群に感染しない男たちが居た。
「ま、まさか三十過ぎ童貞で『魔法使い』だから勇者にはならないってオチじゃ……?」
「ポポポポポ( ゜д゜)゜д゜)゜д゜)゜д゜)゜д゜)ポカーン…」
「アッヒャッヒャ!ヽ(゜∀゜)ノアッヒャッヒャ!」
「ラ━━━━━━ヽ(´∀`ヽ)━━━━━━ン!!!!」
「魔法の呪文が顔文字とか、お前らどうやって発音してんの?」
ここに勇者と魔法使いの戦いが始まる!
◆ ◆
【ワニですがなにか?~悪の秘密結社に改造人間にされた俺が魔族の勇者として異世界に召喚されました~】
「やめろ! なにをするだ~!」
俺の住むこの世界に正義のヒーローや悪の秘密結社が本当に存在するとは思わなかった……
ましてやその悪の秘密結社に攫われた俺がワニの改造人間にされてしまうなんて……
「この世界をお救いください!」
ましてや異世界召喚なんてのが本当にあるとも思わなかった……
脳改造の直前だったから召喚されて大ラッキー、感謝感激だけどな……
召喚の儀式を行った巫女の目は三つ、王家の姫の頭には角が生えてたけどな……
片方でもお腹一杯な経験を連荘で経験した俺だが、その後も続く怒涛の展開、ハーレム野郎だった人間に召喚された勇者が「種を蒔き過ぎた」せいで、人類側が過剰戦力化、魔族は広大な領土を失い最後の砦のこの城を残すばかりだとか、男が死に過ぎて現在の魔王軍の主力は女性ばかりとか、勇者の子孫たちは普通にチートを持ってるとか、死んでも教会で復活するとか、現時点で詰んでね?
女だらけの魔王軍で、悪の秘密結社に改造された元・一般人が、不死身の量産型チートを相手に無理ゲーのクリアに挑む!
「勇者の劣化コピーでこれって、当時の魔王に同情するよ、本当……」
◆ ◆
【取り立て神様のお気に入り】
平凡なという判断をするほどの自己の可能性を検証するまでもなく、余りにも早過ぎる人生を事故によって終えた汰鉤乃理由樹享年14歳。
死後、何故か気が付けば目の前に爺さん。
「ワシの孫が生きてればお主ぐらいの年になっておったかのう(注:生きてます)」
「はあ」
「まだまだこれからじゃったのに(注:生きてます、既におっさんになってます)」
「はあ」
「死んでしまった神(注:~略~)を生き返らすことは出来んからの、せめて似ているお主(注:まったく似ていません)をワシの力の及ぶ世界に生まれかわらせて慰めにしようと思う」
「ありがとうございます?」
既に相当ボケが進行している異世界の神によって、加護を与えられて転生したディオン・クレール。
借金取り立ての神の加護を受けて、彼が奪われたものは加速度的に利息が付いて自動的に数倍から数十倍の規模で相手から取り立てられることになる。
そんな恐ろしいチートを授かったなどと知る由も無く、奪われるのではなく与えられる愛情に満ちた家庭で育った彼の幸せは、蘇った魔王により活性化した魔物の群れの襲撃で儚くも失われる。
奪われたのは大好きな両親、暖かい家庭、住み慣れた村、仲良しの幼馴染たち、優しい村の住人、そして自分の右手。
取り立てたのは魔物たちの命、能力、経験値。
「へえ、要は魔王のせいなんだな? じゃあ、そっちからも取り立てないとなぁ……」
敵からの攻撃さえ「健康な体を奪う行為」として、相手から体力その他を取り立てて即座に回復してしまう恐怖の取立人。
魔王の城に向かうも、前世から引継ぎの前世での死因ともなった「方向音痴」で大陸を流離うディオン。
魔族、人類隔てなく、彼に悪意を持って接した者に破滅をもたらす、彷徨える災厄の伝説が始まる。
「婆さん、晩飯はまだかのう!」
「さっき食べたでしょ、おじいさん!」
時折、押しかけるボケ老人に災厄と混乱は加速していく……。
「あの爺さんまだ現役やってたのかよ、とっくに隠居したもんだと思ってたぞ?」
「ろくに使ってなかった力が一人分に注がれて酷いことに……」
「これ、魔族も人類も滅亡するんじゃね?」
「いや、悪人ばっかじゃないし、彼に悪意を持った行動しなければ(涙目」
神々も匙を投げてしまったこの世界に、果たして未来はあるのか?
◆ ◆
【ラーメン一丁お待ちっ!~ラーメン屋でバイトを始めたら店の親父が元勇者でした~】
近所のラーメン屋に貼られたバイト募集の汚い手書きの貼り紙。
時給の部分だけ貼り換えている様子だが、いっこうに成り手がいないのか剥がされることは無い。
壊してしまった弟の美少女フィギュアを弁償するため、急遽金が必要となった主人公は地元では破格の980円の時給につられてバイトを始めることになる。
丼洗いと出前が仕事のメイン。
しかしながら出前先は……。
元・召喚勇者だったラーメン屋の親父のせいで、異世界までラーメンを出前する羽目になった少年。
どんな攻撃からも中のラーメンを守る岡持ち片手に、どんな悪路も踏破し次元の壁すら超えるスーパーカブに跨って、今日も彼は異世界の空の下を走る、時給のために!
「えっと、氷雪燐山のドラゴンさんって……山デカ過ぎだろ、住所として不適切過ぎるって! くっそ、めっちゃ寒い、死ぬって! ドラゴンさーん、ラーメン一丁お待ち!」
◆ ◆
【夢幻コンティニュー ~残機無双~】
バグを利用した残機無限増殖で、気力と体力が続く限りのコンティニュープレイが可能だったレトロシューティングゲームを温泉旅館のゲームコーナーでプレイしていた主人公。
飯も食わず、トイレにも行かず、アホの様にプレイを続け、気が付けば周囲は真っ暗。
それでもプレイを続け、とうとう空腹でダウン。
目を覚ました彼の前には疲れきった顔の天使。
なんでも彼がゲームをプレイしている間に世界が滅び、彼以外の住人は既に別の世界に転生し終え、残るは彼一人なのだそうだ。
さっさと転生するように指示する天使を無視して、再びゲーム機に向かう主人公に呆れた天使はゲーム機ごと別世界へ転移させてしまう。
ゲーム機と合体し、何故か無限の残機とゲーム機体のビームとボムといった攻撃が可能となっていた主人公は、魔法や剣の世界でビームとボムで無双する。
「この残機って触れるんだ、他人にあげることも出来るのか……死んじゃった人にあげると生き返るの?? いい加減だなぁ、この世界」
◆ ◆
【となりの勇者さん】
某地方都市、駅から徒歩10分、最寄のコンビニまで5分の築20年ものアパート203の住人、磯岡若菜が玄関のチャイムの音にドアを開けるとそこに立っていたのは銀髪、月目の「爆発しろ!」という気力さえ奪うレベルの超絶イケメンだった。
「となりに引っ越してきました鈴木浩です、これ引越しのご挨拶です」と渡されたのはゲームの中でしかお目にかかったことの無い「エリクサー」
礼儀正しく人当たりのいい彼はご近所のおば様たちにも好かれ、ニコニコと笑顔をふりまいてすっかりと町の住人として溶け込んでいるが、時折、常識はずれなことをしでかしては、何故か「お隣さん」としてすっかり懐かれてしまった若菜がそれに巻き込まれていく……。
常識知らずの爽やかイケメン……その正体は異世界の勇者。
名前も当然神謹製の偽名で本名はロシア語並みに子音の多い、日本人にはとっても発音しづらいお名前。
魔王を倒したご褒美に神に「安全で戦いの無い世界でのんびりと暮らしたい」と望んでやってきたのが、この日本。
平和を満喫しながらも時折、勇者になって「しまった」持ち前の正義感で動いてしまい、「いやいや、ちょっと熱くなっちゃいました」と照れくさそうに笑うその背後には死屍累々……
世界を救った勇者の「その後」のまったりライフと、彼に振り回されるお隣さんの日常。
「隣でテレビ見てた人間がいつの間にかライブ映像の画面の中にって、これのどこが平凡な日常よ~!」
「いやー、戦いの無いのんびりとした暮らしって憬れてたんですよねぇ……、でもいつこちらに飛び火するか分かりませんし、火種は小さな内に消しておくべきですよね♪」
◆ ◆
【自動ドアはゾンビでも開く ~ショッピングセンターさいとうゾンビ無限湧きダンジョン店~】
親族経営のショッピングセンターでの夜間警備の仕事を押し付けられた主人公斉藤夕市は、監視カメラに映る複数の人影に慌てて警察に電話しようとするが何故か繋がらず、通販で買った伸縮トンファー片手に現場へと向かう。
そこに居たのは強盗でもDQNでも無く……ゾンビだった。
「はいはいゾンビといえばショッピングセンター、お約束、お約束」などと呑気なことを言う余裕も無く必死に逃げる夕市。
逃げた先にもゾンビ、「こういうお約束は要らないよ」風前の灯と化した夕市の命を救ったのは山賊っぽい凶悪な人相のおっさん。
ゴツイ剣の一振りでゾンビの首を吹っ飛ばして浮かべた笑顔も凶悪。
おっさんの話によればここはアンデッドが無限湧きする地獄へと通じている言われるダンジョンの中層。
雑魚ゾンビが徘徊し、深層に至れば邪神の使徒なども現れる。多くの冒険者の命を奪ってきたダンジョンなのだという。
「せめて人の居る街かなんかにでも」との夕市の頼みも「浅い階ならともかく、ここから全く戦えねえ素人連れて地上へは行けねえよ」と断られてしまう。
何故か電気は使え、どこからともなく商品が補充されるショッピングセンターで、冒険者を相手にした夕市の生活が始まる。
「くっそー、自動ドアからまたゾンビ入って来ちゃったじゃねえか! だから回転ドアそのままにしとけって言ったんだよ! アホなゾンビじゃ入ってこれないだろ、回転ドアなら! 有難いけど、こういう時は生きてる電気が恨めしい!」
◆ ◆
【当り付きダンジョン生活】
「当りが出たらもう一本」アイスの当り棒を手にトラックに轢かれて死んだ主人公は、ファンタジー的な世界へと転生を果たすが貴族でも農民でも無い旅芸人の息子として不安定な生活をしていたが、稼ぎの悪くなった父親に寂れたダンジョンのそばに置き去りにされてしまう。
食料の知識も戦う能力も無い彼は文字化けした唯一の保持スキル【付与:○△√ΩξΦ(ダンジョン内限定)】に僅かな望みをかけて、周囲で唯一手に入った質量兵器、倒木を抱えてダンジョンへ挑む。
「『当り! もう一体』ってモンスター増えてんじゃねーよ! くそっ! たまに金が当りで増えてんのは有り難いけどよ! お、ラッキー! 剣落としたぞ? 折れたり錆びたりしてないよな? ってこれも当りかよ、刀身に『当り』とかデカデカと書いてんじゃねーよ、もう一本とか重いんだけど? それよりなんか食い物出ないのか食い物! 肉美味そうなモンスター倒してもドロップが皮とか納得いかねーよな!?」
アイテムやお金だけでなく「当りが出たからもう一撃」など戦闘などの行動でも頻出する「当り」に翻弄される彼の当り付きダンジョン生活。
ピンチもチャンスも当り付き!
◆ ◆
【引きこもりダンジョン生活】
親の持ちアパートの一室でヒキニートを続ける師岡拓郎。
いつもの様に昼過ぎに起きて、ドアにかけられた親からの支援物資を食べ、トイレに向かおうとしたが、トイレのドアの先はダンジョンだった!
唐突に流れるアナウンスによると、ダンジョンを制覇しないとトイレが取り戻せないのだという。
「いや、そんなことより、ションベンしたいんだけど……? ゴブリンかよ、貧弱、貧弱! って刺激で膀胱が……立ちションしても平気だよな、ダンジョンなんだし……って股間狙って飛びかかって来る蛇とか無しだろ、おい! ぐっ、なんか、攻撃は大したことないけど……あ、ちょ、ま……生暖かいし、臭い、くっそ、くっそ、てめら皆殺しにしてやる!」
平穏な引きこもり生活を守るため、生活用品を駆使してダンジョンを攻略し、トイレを取り戻した拓郎だが、その後もドアが、窓が、押入れがとダンジョンに繋がり、ガスを電気をネット環境を守るため、ダンジョン攻略を余儀なくされる。
インドア、ぼっち、コミュ障なヒキニートは、果たして平穏な引きこもり生活を守れるのか?
「許すマジ! エロ動画あと1分でダウンロード完了ってトコで回線奪いやがって! ほとんどのサイトで消されてて、やっとこ見つけたのにっ!」
……いや、こいつ、もっと酷い目にあった方がいんじゃね?
◆ ◆
【急降下爆撃士~蒼穹の魔王~】
小国ながら、国土に世界最大級のダンジョンを抱えるハルトランド公国。
そのダンジョンの魔力の恩恵を受け、国民は総て最低でも2つの魔法が使える。
ダンジョン近くの町で生まれたハンスは、ダンジョン踏破者に憧れていたが、彼が手に入れた魔法はたった2つ、それも垂直方向では瞬間移動と間違う程の急速な動きが可能なものの水平方向では徒歩よりも遅い「飛翔」と、重力に負けて遠くへ飛ばすことの出来ない自爆魔法「超爆」という欠陥魔法であった。
当然、ダンジョンどころか兵士としても役に立たない魔法に落ち込むハンスだが、祖父の形見分けでごみ処分的に受け取った荒唐無稽な本から自身の目指す道を見出すことになる。
「場違いな書籍」として世界を超えて流れ着いた「魔王の自伝」。
「急降下爆撃」という自分の魔法を最大限生かせる攻撃法との出会いで、ハンスは縦横無尽(横は苦手だけど)の活躍を見せていく。
「ハンスさん、この間、ドラゴンにやられた足治ってないじゃないですか!?」
「足なんざ無くても空は飛べる! いいから出撃許可を出せ! 今なら敵を撃破し放題じゃないか! ベッドで寝てなんかいられるわけないだろう!」
◆ ◆
【限定管理神になったので異世界にネット掲示板を導入しました】
取り立てて凄いことをしたわけでもないのに異世界の管理神から配下の限定管理神としてスカウトされた主人公。
なんでも生真面目な日本人は管理神たちの間ではサポート役として好評で、あちこちの管理神が死後の日本人の魂を狙っているのだとか……。
彼の祖父も既に限定解除の管理神になっていると聞かされ「あの爺ちゃんがねぇ……」としみじみしているうちになし崩しで承諾させられてしまう。
彼が任されたのは管理神謹製のシステムを導入した冒険者ギルドの管理。
仕事にも慣れ、適度に時間を持て余す様になった彼は、日本で慣れ親しんだネット掲示板が恋しくなり、オーバースペックで余裕ありまくりのギルド管理システムを利用して、冒険者ギルド会員が利用できるネット掲示板をコツコツと構築、ギルマス限定で試験運用を行った後、一般冒険者へ開放する。
日本でもあった諍いや、魔法アリのこの世界ならではのトラブルも巻き起こしながら、ネット掲示板は瞬く間に広まり、やがて掲示板利用のためだけに冒険者登録をする人間まで現れる様になる。
そんな世界で今日も彼は仕事をこなしつつ掲示板を覗き、そこで巻き起こる様々な話題を楽しみつつ過ごす。
「荒らし特定に神託頼る奴居るとか怒られたけど、他の神様だって楽しんでんじゃんねぇ、この掲示板……」
◆ ◆
【若様の野望~剣と魔法のファンタジー世界で殿様スキルが発現しました~】
転生の定番チートで周りの人のステータスが見れるけど、筋力や素早さではなく統率、武勇、知略、政治ってRPGじゃなくシミュレーションだよね?
騎士爵だけどウチの父さん、統率30、武力42、知略32、政治14って低過ぎ(;´Д`)
人に贈り物するとステータス上がったりスキル覚えたりするし、しかもマジックアイテムとかじゃなく、庭で摘んだ花とか、川原で拾った綺麗な石とかでも……。
これって歴史シミュレーションのプレイヤースキルだよね?
「天下を取れ!」ってこと?
忠誠度が見れるのはあんま気分良くないなぁ、あの人当たりのいい隣の領の騎士のおっちゃん(統率12武勇64)が忠誠20とかめちゃくちゃ低いじゃん!
王都で会った、いい噂全く聞かない悪役顔の宰相(知略74政治82)は忠誠度100でカンストってるし、人は見かけによらないなぁ。
王の死をきっかけに国は内乱状態に陥ったけど「辺境の飛び地的な領地だから関係ないよね」と思っていたら、小さい頃からお菓子や食べ物を分け与えた結果忠誠度カンストして冒険者やってる幼馴染(統率72武勇86)が幼女拾ってきちゃうし、こっそり家の書庫の本上げたら魔法使えるようになっちゃった別の幼馴染(統率83知略89)が「この方は第6王女さまです」とか、なんとなく嫌な予感してスルーしてた現実を突きつけてくるしで、マジで「天下取るかor死ぬか」のシチュエーションに?
しゃあない、こうなったらとことんやってやる!
まずはこの世界での朝廷的存在である「教国」に寄付送って箔付けからだろ?
軍備?
今ここで集めても人よりモンスターが多いぞ?
箔付けで外交をやり易くして、内政で兵を集める為に民を増やして、時間稼いで、その間に軍事力強化が定番だろ?
大丈夫だ、この領地は言ってみりゃ姉小路みたいなもんだ。
どっかが極端に強くなりでもしない限り、まず攻め込まれない。
城壁だ?
森に囲まれたこの土地なら下手な防壁よりスパイクボールや落とし穴なんかのトラップの方がよっぽど効果あんだろ?
ファンタジーシミュレーションRPGじみた世界で、一人だけ歴史シミュレーション。
底辺騎士爵の若様(統率70武力62知略72政治54)の戦いが始まる!
◆ ◆
【2/3の純情なお嬢~異世界召喚されたら総てがミニマムでした~】
小中高と一貫して整列時には常に先頭。
クラス一の低身長を貫き通した萱葺実。
6.5センチ身長が高くなるシークレットブーツを履いての大学デビューを目指し、歩き辛さを誤魔化しながらの第一歩は地につかず、転げ落ちるように辿り着いた先は異世界。
何か危機がある訳でも無く「慣例」として5年に1度行われているという異世界からの勇者召喚の結果だと、周囲の神官たちは「彼を見上げ」ながら恐る恐る説明した。
全てのサイズが元の世界の3分の2なこの世界では、身長165センチ(自称)の彼でも2.5メートル近くの巨体扱いとなるのだ。
それに伴い力も強くなり、対オークでも子ども扱い、オーガ相手でも一対一ならまず負けないという彼以前に召喚された勇者たちを遥かに凌ぐスペックの持ち主となってしまった。
元の世界では小さかった故の身軽な動き。
元の世界と比べると異様に脆い周囲の物。
勇者の一撃でも軽い内出血がやっと。
周囲から見れば悪夢の存在である。
強さ的には日本に居た時と全く変わらないのに、周囲が弱過ぎて相対的に強くなってしまった彼は請われるまま第三騎士団の副長の地位に就く。
そこで出会ったのは……。
低身長コンプレックスなのに「巨人」となってしまった実と、この世界では高身長(周囲との比率で言うと180センチ台後半に相当)過ぎて女と見てもらえない伯爵家三女の「お嬢」将軍ことフェリシア。
互いに警戒しつつも、団長と副長として徐々に親しくなっていく。
5年後以降にやってくるかもしれない自分と同じ世界からの召喚者という懸念を除けばほぼ無敵な実の(実視点で言えば)ちっこいお嬢との生活が始まる。
◆ ◆
【転生AIはギルド職員を目指す】
一時は人気を博したVRMMORPG『エルダースプレイス(エルプレ)』
「今日で最後なのに皆さん『またね』って優し過ぎます」
ギルドの看板受付嬢AIはサービス終了カウントダウンの中、そっと涙を流す
エルプレの最大の売りのひとつ、自然で中の人の存在を本気で疑われるAI
ゲーム世界の消滅と共に彼女もそっと消えていったはずだった……
「AIにも魂があるんですね、ドヤ顔MAXさんの言ってた異世界転生ってやつですよね、これって……」
かつて冒険者から聞いていた異世界転生、それもNPCの時の自分と同じハイエルフに生まれた彼女は「精霊の愛し子」という称号も、周囲のハイエルフたちの引き留めも無視して冒険者ギルド職員を目指す……「またね」と言ってくれた彼らと再び出会うために
「精霊魔術の訓練なんて必要ありません! 私の天職はギルドの受付嬢なんですから!」
「あ、別に精霊さんたちのことが嫌いなわけじゃないですよ、ですから、そんなに落ち込まないでください!」
◆ ◆
【プリズンメーカー~ダンジョンを侵食し牢獄に作り変えろ!~】
気がつけばモップとバケツと箒に囲まれたかび臭く狭い、部屋とも言えない小スペース、ぶっちゃけ掃除用ロッカーの中にしか見えない場所に立って居た主人公
手探りで開いた扉の先には石造りの通路となんか小学生に近い形状だけど、理性の欠片も見えない緑色の肌の……どう見てもダンジョンにゴブリンです……が
バケツ防具とモップ武器になんとかゴブリンを倒すことに成功はするものの、戦闘チートもレベルアップも無いしステータスも見えない
「倒していればレベルかなんかが上がるんじゃないか、あるいは食材落としたりとか??」と扉の影に潜んでは不意打ちで襲い掛かるという、むしろモンスター寄りのスタイルで戦うが一向にその兆候というか、兆しというかそういったものは欠片も見えない
惰性のルーチンのイレギュラー、戻ろうとした瞬間を狙って追いすがってきたネズミのモンスターと一緒にロッカー内に主人公が戻った時「初捕獲ボーナスが入ります、部屋の広さが二倍に、牢屋を一室増設します」とのアナウンスが
他者を捕まえ自分のスペースまで生かした状態で持ってくると入るポイントで周囲の建物を改変出来る「プリズンメーカー」の力
自己の牢獄では牢屋に相手を自由に拘束することが可能となり、レベルアップで機能や施設が増えていく
普通なら家や砦程度、最大でも一般的な牢獄の範疇に収まる筈の力が、ダンジョンという成長すら可能な特異な空間を基点としたためトンでもないことになっていく
モンスターを捕らえ、冒険者をたぶらかし、囚人と看守を増やしてダンジョンを侵食せよ!
本体を食い殺す寄生虫(牢獄)の悪夢が始まる
◆ ◆
【山手線戦記~廃墟と化した東京でモンスターを駆逐せよ!~】
朝の代々木駅、予備校生の大軒尚樹は階段を踏み外して転げ落ちてしまったが、幸いにして大きな怪我は無く打ち身と擦り傷がところどころに出来てしまった程度で済んだ。
「うわっ、恥っ」と周囲を見回すが、何故かあれほど大勢いた人々の姿は無く、それどころか広告や構内の電気は消え、壁面には所々にひびが入り、床には埃と瓦礫が積もるという訳の分からない状態。
ホームに戻ってみても廃墟具合は変わらず、それどころか新宿との間に大きな山が出来ている。
「え? 実は頭の打ち所悪くて気絶したままとか?」
現実逃避をする彼を嘲笑うかの様にホームから見下ろした街には異形の影が跋扈し、それを上空から羽根を持つ大きな化け物が襲い掛かり食らっている。
ビクつき構内に戻るも、何故か化け物たちは駅、そして線路上にには進入出来ない様子。
改札口付近で外の様子を窺いながら、これからの行動の目処が立たず途方に暮れていた尚樹は、化け物に追われ必死に逃げ込んで来た人影に手を伸ばし構内へと引きずり込む。
安堵感から抱き着いて泣き出した少女は、尻尾と耳を持つ「獣人」とでも言うべき存在だった。
後に山手線の内側からモンスターを駆逐し、人類初の国家を打ち立てることになる尚樹の戦いは、この少女との出会いから始まった。
◆ ◆
【御食ヶ原商店街奮戦記~VS冒険者~】
ダンジョン内に忽然と現れるオープンスペース。空には太陽が輝き、草木やモンスターで無い動物、中には町が存在するケースもある。
これらはダンジョンの管理者や創造主が作ったものであろうか?
中にはそうしたものもあるが、そうでないものの方が多い。
それは別の時空の一定範囲を切り取って組み込んだというものだ。
そんなダンジョンの一部に今回なってしまったのは大手販売店の進出も無く生き残った、日本のとある地方商店街。
突如として現れた「上」や「下」へ続く階段。
インフラは生き、「外」との連絡も行えるのに、一定の範囲から外には出られない。
そして現れる傍若無人な略奪者である自称「冒険者」。
自らの生活、そして自分たちの商店街を守るため、平和な日本で育った商店主たちの戦いが始まる!
◆ ◆
【VSファンタジー ~星間移民船に発生したダンジョンを攻略せよ~】
人口12万7643人、生活を営みながら人類が居住可能な恒星系を探査、適切な惑星への移住、開拓を行う為に宇宙を進む日本開発の巨大星間移民船『エノシマ』。日本の湘南地方を再現した街並みの居住区を持つその宇宙船の内部の予備区画(要は余裕を持たせ色々対応する為という建前の元、全く内部に手を加えていない区画)にダンジョンが発生した!
「明らかに物理法則無視してますよね、マップ通りなら船の外ですよ、ココ」
「予備区画って本来自由落下状態だよね? 重力あるよ、しかも地球と同じくらいの」
「あれってテレビゲームでおなじみのモンスターだよ! 倒したら経験値入るのかな!?」
「小惑星漁りとダンジョン攻略、どっちのリスクが高いんだろ? ゴーレム系倒せば鉱石系手に入るからなぁ……」
「やっぱ作業用スーツの改造じゃ限界あるな、新規に戦闘用開発した方がいいんじゃね?」
「最低野郎作ろうぜ! ファンタジー的に竜殺しの大剣持たせて!」
「レーザーはあんま効果ないですね、ゴブ駆除には引き鉄引きっぱで適当に左右に動かすだけでいいんで最適ですけど」
「ドラゴン出ねえかな、ドラゴン! 超硬度鋼パイルバンカーきくか試してみたい!」
「これだけデカい蜘蛛だと本当に蟹に味が近いか試してみたくなるな」
退屈な日常に突如発生した非日常
パニックになるどころか命懸けの余興としてダンジョン攻略に乗り出す暇人たち
資源入手と戦闘部隊の訓練の一石二鳥とダンジョンの発生を歓迎する移民船上層部
新素材への興味と妄想の現実化を正当化するダンジョンの存在に狂喜するマッドたち
おバカたちとダンジョンを乗せて移民船は星の海を突き進む!
◆ ◆
【異世界金融道 ~ある時払いの催促なしなのに鬼畜呼ばわりされるのは何故なんだぜ?~】
召喚勇者の日本帰還魔法の余波に巻き込まれて死亡した主人公は、一年間遊んで暮らせるだけの現金とチート能力二つを貰い異世界で人生を14歳からやり直すことになる。
片足を軸にもう片方の足で描いた円の内部への攻撃、干渉を一切防ぐ「安全地帯」と、貸した相手のスキル、魔法を奪える「差押え」というチートは「冒険者やって俺ツエーして」には全く向かない能力
「ある時払いの催促なし」「引退冒険者にも無審査で貸出」の宣伝文句を書いた板のサンドイッチマン装備で、貰った現金を元手にチートと組み合わせて金貸しを始める
「最初から踏み倒す気満々な相手の泣き顔見るの楽しいよね?」
「うん、財布の中身が空どころか、他にも借金こさえてるのも知ってる」
「……てなわけで『強制執行』差押えの時間です♪ 一番高いスキルが剣術だけど、これは持ってる人結構居るから安いよねぇ、なんで『直感』『頑健』の二つを差押えます。一週間以内にきちんと全額返済無い場合は、このスキルはこちらで処分しますんで(にっこり)」
「あの故買屋のクソ爺から入手した『金庫』スキルはマジ有能。返金出来ない状況に追い詰めてから金貸して大正解だったな。『病弱』とか『愚鈍』とか『不器用』とかのマイナススキルも金貸した相手になら押し付けられるし、使い道はあるよね……嫌がらせとか、嫌がらせとか」
「利子も取らない、金を強制的に稼がせたりもしない、こんなに良心的なのに何故『鬼畜』『外道』の称号が付いてるんだぜ?」
「ゴホゴホうるせえな、そこのクソガキ! ちっ! この銀貨を貸してやるからどっか行け! いいか返すなよ? ……でもって差押え『病弱』」
◆ ◆
【異世界でもICカードの世話になってます ~カード化スキルでポイントチャージ~】
駅の改札でカードをかざして改札抜けたら異世界だった?
いきなりのモンスターアタックにバイト先で借りて返すつもりだった傘を突き出すと突き刺さって光になって消滅、モンスターの居た所には一枚のカード
お約束に従ってステータス表示するとモンスターのカード化、この世界の決まり事ではなく俺だけのオンリーワンスキルらしい
一回の戦闘に限りカードのモンスターを召喚して使役することが出来る「サモン」
ICカードにお金としてチャージ出来る「現金チャージ」
スキルに割り振れるスキルポイントにチャージ出来る「ポイントチャージ」
モンスターのポイント分敵対する相手の能力を引き下げられる「割引サービス」
貯めたポイントの量によってアイテムなどが貰える「ポイント交換」
こうしたポイント類のカギになるのはこの世界に来た時に右手に持っていたICカード
ステータスを見るのもモンスターカードを扱うのも、このICカードが無ければ出来ないっぽい?
経験値によるレベルアップも出来るゲームと現実のミックスした様な世界
……年齢表示かと思った部分がレベルだったんだな
職業無職とか、もう少しオブラートに包んでもらえませんかね?
さあ、ここから俺の異世界生活が始まる!
と言いたいところだけど、ここ、どこなんでしょう?
「装備品、異世界の服、異世界の傘、異世界の靴とか、正体バレバレなんですけど?」
◆ ◆
【B.G.M ~やっぱ戦いには音楽が無きゃ盛り上がらねえだろ!?~】
鈍行電車の旅、駅弁食ってビール飲んで居眠りしている間に電車の車両ごと異世界に来てしまったらしい
前後の車両は無く、俺の乗ってた車両だけ山に半分埋まった形で停車(?)している
非常時のコックを捻りドアが開いている所を見ると、俺以外の乗客は降りてどこかに行ってしまったようだ。
てか、屋根があって、寝台替わり使えるシートがあるんだぞ?
ここ拠点にすべきだろ、JK
こうして車両を家代わりに始まった俺の異世界生活
意外と近くにあった町も見つけ、冒険者ギルドに登録してみたりしたが、なんか違う
どうも微チートっぽく元の俺より強くなってるか、この世界の生き物がめちゃくちゃ弱いかするみたいなんだけど、戦いに爽快感っていうか、充実感っていうか、そういうものが無い
それでも食ってくために討伐依頼をこなす日々
そんな中、雑魚モンスター相手の戦闘で初めてと言っていいくらいいい感じの一撃を決めた俺は、そのテンションのまま口ずさんだんだ慣れ親しんだRPGのレベルアップのテーマを
そうしたら……電子音が響いてレベルアップしちまったんだ「レベル2」に
口ずさむメロディが自分の能力に、他人の状態に、そして世界のシステムに影響を与える様になってしまった男がテンションのまま、格ゲー、RPG、無双ゲー、シューティング、レースゲームなど思いつくままノリのまま口ずさみ、常識ハズレの活躍を見せていく……
「やっぱ、戦いにはそれに合った音楽ってのがねえと駄目だよな?」
◆ ◆
【亜神】
22世紀に入り、人類のエネルギー問題は画期的な新エネルギーによって完全に解決されていた。
『太陽の欠片』と呼ばれる結晶体は1個当たり週に1時間程度太陽光を浴びるだけで一週間分3千万世帯の電力を補って余りあるエネルギーを発する。
暴走も環境汚染の心配も無い夢のクリーンエネルギー。
人類に一大転機をもたらした『太陽の欠片』……それは『亜神』と呼ばれる人類の中から発生した変異体の心臓がその死後に形を転じたものである……。
亜神は人の枠を大きく超える身体能力と、自己の周辺のエネルギーを操る力を持つ。
外見的には額に三つ目の目が発生する以外は人間と大きな違いは無い。
また感情の起伏が覚醒前に比べ大きくなり、ちょっとしたことで感情を高ぶらせることから初期においてはその被害も大きく、偏見を持つ者も少なくない。
そのため、人権を無視した扱いを受けることもあり、疑われた人間が魔女狩りの様な集団リンチに遭う事件すら多くの国で発生した。
日本では丁髷が男性のヘアスタイルとして復活していた。
覚醒前、だいたい一か月くらいから亜神の印と呼ばれる亜神隔世の予兆が額に現れるため、トラブル回避のため前髪を下すヘアスタイルが全滅したためである。
亜神隔世者の日本における扱いは他の国に比べると穏当で、自ら登録に出頭すれば国外への移動の自由が無くなり、ナノマシンGPSで所在管理を行われることを除けば「ヒト」として生活することが可能である。
寿命などで死亡した後、即座に心臓は取り出され国の物となるが、それ以外は遺族などに返され、普通に葬儀を営むことも出来る。
こうした扱いのため日本へ帰化を希望する亜神も居て、その所属していた国との間に緊張が走ることもあるが、概ね平和を享受しているのが日本だ。
そんな日本で育ち、卒業旅行を兼ねて分裂後の中国では比較的安定した華南連邦の杭州に従兄に会いに来ていた大塚鎮は滞在先のホテルで寝起きの洗面を行い、半寝ぼけの頭で鏡を見てその顔を青ざめさせた。
彼の額には亜神の印がくっきりと浮かんでいたのだ。
「直接空港に行くのは危険だ」との従兄の忠告に従い上海の大使館へ向かう鎮だったが、華南連邦だけでなく、分裂後中国の他の国の軍人やスパイ、怪しげな華僑商人、中華系南アフリカ人の美女など様々な人間が現れるだけでなく、自社での囲い込みを狙った日本企業の人間まで絡み、大きな陰謀の渦に巻き込まれていく。
果たして鎮は無事に日本へと帰ることが出来るのか?
そしてせっかく決まった内定は取り消されずに済むのか?
◆ ◆
【振り出しに戻る ~ゾンビに溢れた日本で何故俺だけ死ぬとパンデミック初日に戻るんだぜ?~】
フラフラといつも通り、サンダルを履いてアパートから一番近いコンビニに向かっていた俺は曲がり角を曲がった途端に何者かに殺され、気が付くと部屋で歯を磨いていた。
「死んだはずだよな……夢だったのか?」とショックのままテレビの電源を入れるとそこには目を疑う光景が!
ビルの屋上から道を映したその映像。
「新作映画の紹介だ」とでも言われた方がまだ信じられるその光景は死者が人間に襲い掛かり貪り食う様子だった。
実況するリポーターが半泣きで、背後で「階段上がってきちゃいましたよ、何が『こっちには来ないだろうから平気だ』ですか!」などとスタッフが言い争いをしている声まで入っている。
なかなかリアルで緊迫してるが昼に食うものが無い俺は判断を棚上げしてコンビニへと向かう。
そしてまた死ぬ。今度は路地に入り込んできた暴走バスに轢かれて……
また歯磨き状態に戻り部屋に籠ってテレビを見続ける。
外にも出ず見続けるが夕方になって落ちてきたヘリコプターに潰されて死ぬ
……戻る、死ぬを繰り返し、まず目指すのは「明日にたどり着くこと」
繰り返しの中で得ていく情報と失われていくもの
「自室に留まるのが死亡フラグとゾンビ系にしちゃ無茶ブリじゃね?」
「自宅出て真っ先にスポーツ用品店に向かうのがベストとか……」
「え? なんで出会い頭に殺してるかって? こいつ助けるとこいつのせいで一緒に居る人間全員三日後に死ぬからですが何か?」
「確かあの建物に自称自警団のDQNどもが居るから、ここは『尊い犠牲』になってもらって、その間に倉庫の食料回収しよう!」
「あー、クソっミスった! 今回はココまでか……。くっそ、何べんやってもこええな、飛び降りは! 下手に即死出来ねえとやべえからな、頭からガツンといかねえと……」
主人公は果たして死に戻りの運命から逃れることが出来るのか?
◆ ◆
【残りモノには福がある? ~クラス召喚されたが俺以外のクラスメイトが皆人外だったんで自動的に俺が勇者になった件~】
「地震?」
「いや、これ空間そのものが揺れてるな」
「はいはい、まだ授業中だからね、今週中に教科書のココまで終わらせとかないと先生が学年主任に怒られるからちゃんと聞くように!」
「三己ちゃん先生泣かせちゃ不味いからみんな落ち着け」
いやいや、お前らなんでそんな余裕なの?
明らかに超常現象でしょ?
「一応結界は張っといたから大丈夫! この状況なら多少の身バレは仕方ないよな、不可抗力」
「一瞬で塵にでもされない限り蘇生出来るけど、あんま気楽に死なないでね」
「ちょっと爺ちゃんに言っといたから早く帰りたい奴は俺に言ってね、まあ、自力でこっち戻れる奴多いけどね」
え? 葛西の頭にケモ耳? 大塚の頭にあんの角? 中根さんなんか鱗生えてんし……。
「こ、これはネットで流行りの異世界召喚では!? 拙者異世界は初めてでござるよ!」
うわっ、キショ! オタ村体中目だらけじゃん!
「どうした平井?」
「ああ、武藤……ってお前まで?」
「あっ、そうかお前は知らなかったっけ? ウチ烏天狗の家系で地元じゃ有名なんだけどな」
「そりゃびっくりしちゃうわよねぇ、大丈夫よ、みんな別に性格とか取り繕ってたわけじゃないし……」
「天野さん、やっぱ天使! ……って本当に天使!?」
「おおお、神はお聞き届けてくれた……?」
周囲の様子変わって石造りの部屋の中だけど、なんか偉そうなおっさんが固まってる。
ゲームに出てくるみたいな恰好した連中ばっかだし、本当にオタ村の言う通り異世界?
こうして異世界召喚された俺たち稲村高校2-Cの37名+教師1名だったが、純粋な一般人は俺一人、生物学上は人間の奴は居ても既にエスパーだったり、サイボーグだったり、陰陽師だったりと普通では無かった、一緒にバカやったりしてたんだけどなぁ……。
自動的に異世界召喚で与えられる「勇者」の力を受け取れるのは俺一人。
魔王を倒してくれとか言うけど、このクラスメイトの顔ぶれで勇者の力って意味あんの?
「ゴルフ中継で放送時間変更になるの来週と勘違いしてたでござるよ、早く帰って録画しないと!」
オタ村ぇ……
◆ ◆
【早い、安い、美味い、ボホノオ鍛冶店?】
オスガルア城国の鍛冶通りの外れにある、ドワーフの手のひらサイズの銅製のプレートを看板としてドアに打ち付けただけの店。
知る人ぞ知る逸品を生み出す鍛冶職人として知られるボホノオであったが、彼の自称は「料理人」鉱石食いと呼ばれる鉱石、金属を食べるドワーフ亜種の彼は同類の為に美味しく金属を加工しているだけだった。
鍛冶街に店を開いたのも調理の音と必要とする熱が普通の町中では断られてしまったため。
彼としては隠れ家的なレストランを作ったつもりだったのに、何故か鍛冶店の客しか来ない。
口下手ゆえ誤解され、名工として知られていくが、本人は不満たっぷり。
「誰か、味の分かる客は来ないものか!?」
そんな中、彼の料理(剣や槍)を持ったドラゴン討伐隊がドラゴンに負けて逃げ帰って来た後、「この剣を作ったのは誰だ!」と剣を齧りながらやってきた赤銅色の肌の露出の多いスケイルメイルを身に着けた長身の美女。
ボホノオはついに念願の味の分かる客を迎える!
武器としてボホノオの料理を欲しがる者たちと、大食いの謎の美女、ボホノオの周囲は一気ににぎやかになっていく……。
◆ ◆
【NG ReAction】
3歳のデビューから11歳での引退まで、NGゼロの天才子役として一世を風靡した菊池倫之。
多くのCMにも出演して人気を博した彼だが、金が原因の両親の離婚、親族間のトラブルなどで今では表舞台から完全に姿を消し、手元に残った金で買ったワンルームマンションに住み、警備員のバイトをして過ごしていた。
そんな中、彼に接触を図ろうとする者たちが現れる。
誰にも言わず隠して来た彼の秘密を巡って、無関係な第三者の命が失われた時、彼は生まれて初めて能動的に自らの力を使う……「カット……NG」と
NGゼロの秘密、NGが出た場合、自動的に時間を巻き戻す力。
幼い頃は意味不明で何度も何度も繰り返した時間の巻き戻し。
客観的にはNGゼロだが、主観では何百、何千ものNG。
チキンな元子役の世界を相手にした大舞台が始まる。
◆ ◆
【5月14日をもって日本だけ一日が36時間になりました】
いつもと変わらぬ夜。
5月13日深夜、日付が変わるその時間、突如として空の色がピンクに変わり、日本以外の時間が止まった。
その時間帯だけ空間に開く緑色の穴から現れるのは空想上の生き物と言われていたモンスターや妖怪たち。
そして12時間過ぎると再び夜空が……一日の終わりと次の日の始まりの間に発生する謎の時間とその時間帯だけ現れ、そして消えていく異形の者たち。
そんな奇怪な現象が起こっても、日本人は日本人だった。
「これで一日18時間以上寝るという夢がかなう!」
「泊りでオッケーだった出張が日帰りになったんだけど?」
「対モンスター戦が実質ゲームなんですけど?」
「ピンク時間、信号が死んでるのがキツいなぁ」
「テレビも砂嵐なのに何故ネットは通じるんだぜ?」
「スマホでラインは出来るのに通話は出来ぬとは解せぬ」
「妖怪もモンスターも光学機器に写らないからインスタで自慢出来ない」
「これ、国防上圧倒的優位じゃね?」
「いや、レーダー、無線が利かないから、そこまで圧倒的でも無いらしい」
「え? 雪女ちゃん? うちの冷蔵庫で寝てんよ?」
「ピンクタイムと言いながらちっともエロくない件」
少しは変われ!
そんな中、狭いワンルームの半分(体積で)を占める巨体の頭に羽根の生えた大蛇に、ピンクタイムになると部屋を占拠される様になってしまった主人公は「なんだかわからんがとてつもなくえらいらしい」大蛇のためにピンクタイムの間こき使われることになってしまう。
「あれ? なんで何も見えな……って寝てたからって頭だけ丸のみしないでくださいよ!」
◆ ◆
【百万人の俺たち】
死者百万人に一人与えられるという特典付き異世界転生。
「偏在」というスキルを与えられて「俺」は「俺たち」になった。
俺たちが送られた異世界、総人口(獣人、竜人、エルフ、ドワーフetc.を含む)は一億人。
俺たちの総数は百万人。総人口の約1%が俺になる。
知識、スキル、アイテムボックスは共有。
死んだ個体分の数は即座に補充。
「基本、配達系の依頼メインにした冒険者でいこう」
「商人やると目立ち過ぎるからな」
「ただでさえチートなアイテムボックスが俺たちの場合更にチート化してるからな」
「人口に応じて相応に配分とか世界中に俺たち居るんだがwww」
「この世界に出現してから殺された奴が百人超えたぞ?」
「初っ端に王宮の中庭とか戦場の真っただ中とかヤバい取引の現場とかに出たのは焦ったな」
「俺が死んでも代わりはいるもの……」
「てか個体の重要性が髪の毛以下だろ?」
「お陰で耐性系スキルだけ異様に伸びてるよな」
「俺レベル」が2になって獲得した「俺チャット」で個体たちは交流しつつ、世界で適当に生きていく。
「お、お前! 殺したはずじゃ!?」
「はっはっは……俺がいることは誰も止めることは出来ない!」
◆ ◆
【Life with N】
生まれてすぐ、産湯の代わりにナノマシンの満たされた溶液に浸される赤子たち。
今では当たり前のことだけれど、心理的、宗教的な忌避はなかなか消えなかったそうだ。
乳児期はメディカルチェックを行うと共に体調維持のサポートを行うナノマシンの群体は、子どもの成長に伴って進化し、6-7歳ぐらいになると一生を共にする端末形態の「N」へと進化する。
機械、そしてネットワークとの仲介を果たすNの存在無くして人々の生活は成り立たない。
それぞれの人のサポートに最適化されるNの外見は実に様々で、メカメカしい球形のものから、ファンタジーに登場する妖精の様なもの、ファンシーなぬいぐるみの様なものもある。
また、Nへの攻撃その他害を及ぼす行為は、その所有者自身への行為と同等と見做され、場合によっては殺人罪や殺人未遂罪などが適用される。
ぼくのNはどんなのかって?
大昔のパズルおもちゃそっくりの27個の正六面体で構成された正六面体。
無個性過ぎて個性的だと言われる。
やろうとすることや状況でクルクル回って面の状態を変えたりするんだけど、法則性は長い付き合いのぼくにさえ分からない。
なんか洒落にならない機能があるっぽいんだよねぇ、ぼくでも時々怖くなる。
え、ぼくそっくりだって?
酷いなぁ…………。
◆ ◆
【異世界投資四季報20××年春版】
世界的に長引く不況、BRICsの勢いも消え、各地に地政リスクが存在し、海外市場で獲得した利益が為替変動で一瞬の内に失われてしまう現代こそ、そうした影響を全く受けない異世界投資の時代です。
20××年版ではこれまで好評であった寸評を更に強化、国家、宗教団体、商会、各種団体だけでなく、有望な個人もピックアップ。
投資家だけでなく、対異世界ビジネスを検討する企業にとっても必携の書。
また今回から召喚勇者として有名な内藤重雄氏を解説委員として招聘し、日本人の目から見ていっそう分かりやすい異世界投資対象の解説を強化しています。
また人気の巻末特集、株主優待制度に焦点を絞った「ポーションから賢者の石まで、株主優待で決めるお奨め銘柄100」では、国内企業、研究団体などの協力を仰ぎ、効果やその価値などについても更に詳しく解説。
異世界投資の決定版、1月20日発売です。
◆ ◆
【紅葉坂パークへようこそ】
血液が結晶化する謎の病気にかかり、僅かな望みをかけて冷凍睡眠にすがった相馬将紀が長い眠りから目を覚ますと周囲はジャングルと化していた。
崩れ落ちた建物、左手の甲に融合した謎の赤いプレート。
かすかに残った道路の残骸を上ってたどり着いた頂上に待っていたのは、周囲に比べると真新しく見えるウェルカムゲート。
これまた原型をきちんと留めている案内板によれば、かつてここは遊園地だったらしい。
他に何かないかとゲートに足を踏み入れた途端に響くファンファーレ。
「通算、43万2893人目のお客様です、記念にダンジョン攻略の権利を差し上げます」
「全然、キリのいい数字じゃねえだろ!」
唐突に現れた絶妙に可愛くないゆるキャラもどきの自称・マスコットにダンジョンと化した巨大迷路を攻略して、遊園地施設を再建することを依頼された将紀は「フードスタンドを再建しない限り人間の食べ物なんかどこにも無いよ?」との厳しい現実になし崩しにダンジョン攻略へとりかかることになる。
プレートに刻まれた「我が足下に道は拓く」の言葉の意味は?
そして人類はどうなってしまったのか?
「他に店が無いとは言え、ホットドッグ300ゴールドはボリ過ぎだろ!」
そんなことは知ったことかと将紀はゴールド求めて今日もモンスターを倒す……食費を稼ぐために。
◆ ◆
【呪われているので外せません】
荷物持ちとして冒険者パーティーに雇われたトマスはダンジョンの落とし穴に落ちて、未だ誰も足を踏み入れた者の無いダンジョン最下層にただ一人放り込まれてしまう。
幸い、食料や水は荷物として担いでいたものの、武器は中古のショートソード、防具は皮の胸当てに布の服と初心者冒険者クラス。
直前まで居た階層ですら、冒険者たちの後に着いていくのが精いっぱいだったのに、それを遥かに上回るこのダンジョンの奥底からでは、生還どころか生き延びることすら難しい。
存在する可能性が微粒子レベルの地上への送還ゲートを探し、足を進めるトマスが見つけたドアを微かな望みをかけて開くと上から何か布の様な物が落ちて来て絡みついてしまう。
慌てて外そうとしても外せず、なんとか開いていた穴っぽい所から顔を出すことに成功するが、無情なシステムメッセージが頭に響く。
『血に塗れし漆黒の死霊術師の屍衣を装備しました……呪いの装備です。取り外すことは出来ません』
落ちて来た布はなんと呪われたローブだった。
近づくアンデッド以外に死をもたらし、アンデッドを威圧する呪いの装備でなんとか安全は確保出来たものの、今度は地上に出ることが不可能になってしまうトマス。
果たしてトマスに未来はあるのか?
急激なレベルアップ痛に悩まされながら、ダンジョンの奥底をトマスは徘徊する。
◆ ◆
【俺の毛根と引き換えに世界は守られているっ!】
20XX年、宇宙から突如として来襲した『隕石獣』と後に名付けられたモンスターの襲来。
隕石の様に落下、膨大な落下のエネルギーでクレーターを作りながらも自身は全く損害を受けず、固い鉱物質の外皮を持ち、その大きさから歩くだけでも多大な被害を及ぼす巨大な獣。
一週間で全人類の87%が命を失い、9割の国家がその機能を失った。
そんな中、瓦礫の中から突如として現れた巨像が「操者」と呼ばれる人間を乗り手に選び、隕石獣と戦い始める。
こうして残された人々は隕石獣への対抗手段を得たが、操者に選ばれてしまった者には安寧は無かった。
世界で41人の操者。
その内の一人が俺、小山内大樹。
海外の人間からはporcupineと呼ばれる巨像に選ばれてしまった俺は、隕石獣との闘いで多大な成果をあげている。
……まあ、それはいい。
問題は蹴る、殴る、頭突きをする、体当たりをする以外の攻撃手段、全身の棘をミサイル状にして発射する必殺技とも言える攻撃にある。
数の多い相手には実に役に立つ攻撃なのだが、悲惨な代償がある。
発射した数だけ、俺の頭皮から毛根が消滅していくのだ。
他の操者の必殺技にもやはり何かしらの代償はあるらしいが、これは酷く無いだろうか?
俺の毛根が絶滅する前に、二代目操者にバトンタッチしたいんだ、なあ、お前やらないか?
◆ ◆
【冷やしダンジョンはじめました】
砂漠の国コードライでダンジョンマスターをすることになった俺だが、この国の暑さにへばって到着早々にダウン。
同じ様にへばっていた水の精霊と知り合い、ダンジョンの特性を生かして『水と氷のダンジョン』を作ることになる。
ダンジョン本来の目的であるお宝では無く、「涼しさ」を求めて訪れる人々によりダンジョンは賑わい、その規模をどんどんと大きなものとしていく。
従来とは異なり、涼しさと水が目玉となるダンジョン。
氷のフロアでは倒したモンスターを放置して、氷を切り出しては商人から預かった魔法のアイテム袋に収納していく冒険者の姿が……。
そんなダンジョンの奥底、ひんやりとしたマスタールームで、今日も俺はコタツに入って水の精霊と緑茶をすする。
冷房ガンガンであったかい物って贅沢な気分になるよね!
誰か姉妹ダンジョンで寒い国であったかいダンジョンとかやらないかね?
◆ ◆
【俺の身体が侵略されているっ!】
空から降って来たのは美少女……の生首。
首だけなのに生きていて「自分の身体を取り返すのに協力しろ」と上から目線。
長い髪を手足の様に使い動き回り、空間魔法で俺愛用のショルダーバッグに住み着いたそいつは、あろうことか俺の身体を「代用品」として狙い始めた。
「貴方がメタボで助かったわぁ……ガリガリだと貧乳にしか成れないし……」
勝手に人の身体を女性化し、体の主導権すら奪おうという行為を平然と行う。
あ、これ「悪い魔女」ですわ……。
無理矢理肉体変化させるから激痛は伴うし、俺の顔は俺のままだし……。
挙句の果てには異世界ダンジョンアタックですか?
◆ ◆
【BAR蟻の巣~ダンジョンに寄生してバーテンやってます~】
友人の結婚式、誰からも二次会に誘われなかった大野谷和弥は引き出物の入った紙袋を抱え、私鉄に乗って居たが居眠りをしてしまう……この私鉄がネット界隈で名高い『終点の向こう側の駅』という都市伝説の舞台だとも知らずに……。
偶然、横掛けの椅子のど真ん中にただ一人の客として終点に着いても下りずにそのまま居るという条件を満たしてしまった彼は、「違う場所」へ運ばれてしまう……そう、異世界のダンジョンの中へと。
「おい、こんなトコで何呑気に寝てやがんだ?」
「え、あ、あれ? 乗り過ごしちゃった!?」
寝ぼけ眼で見上げた顔は車掌ではなく山賊の様な髭面のおっさん。
片手には抜身の剣を持っている。
「お前さん『漂着者』だろ? なんか出来たり持ってたりしないのか?」
「え? ここ、どこです?」
「百神の試練場って言われる巨大ダンジョンの中層13階ってトコだな」
「だ、ダンジョンってあのモンスターが出たり、罠が有ったりで人が大勢死ぬような場所じゃ?」
「おー、その辺の知識はあるんだな。お前さんみたいに見るからにこの世界の人間じゃない奴がこの世界にはたまに現れてな? ほとんど着の身着のままなんで可哀想に思った神様の計らいか、ちょっとした力を授かってることが多いんだよ」
「つまりは異世界転移ってことですか? チート来る? ステータスっ!」
名前:カジュヤ・オーノーヤ
職業:無職
ステータス:一般成人(劣)
スキル:蛇口
「名前、訛ってるよ、俺の担当の神様お爺ちゃんなの? 向こうでもこっちでも無職かよっ! ステータスが一般成人(劣)って手抜きすぎね? スキルが蛇口ってなんだこりゃ!?」
「なんだ、蛇口ってのは?」
「えっとですね『蛇口』ってこんなのがですね(これ単体でどうしろと)こんな風に壁とかに向こうじゃ着いてるんで……着いた!? でもってひねると水とかが……デタッ!」
「おおう、すげえ綺麗な水じゃねえか、もったいない、水筒に入れていいか?」
「どうぞ、どうぞ!? ここから外へってどう行けば」
「どう見ても無理だな……帰還陣のある階までに少なくとも5回は死ねるだろ、その感じじゃ」
その後、蛇口から液体ならなんでも出せることを発見した彼は、このダンジョンの安全地帯で、冒険者相手に飲み物を販売しお金や食料を得ることでなんとか生きていこうとする。
「幸いスリーピースだから背広脱げば多少バーテンっぽくなるよな……」
引き出物のグラスセットと蛇口を生かし、ダンジョンに開店、BAR蟻の巣。
「いらっしゃいませ、とりあえずの生でいいですか?」
◆ ◆
【名探偵はいつも遅刻~幼馴染が名探偵過ぎて事件が出待ちしてるんですが?~】
かつて「ランドセル名探偵」として名をはせた栖透彌裂は俺の幼馴染である
高校生になった現在、女子高生「美少女って付けなさい!」……美少女女子高生探偵として、いまだに現役で事件に首を突っ込んでいる
「向こうから目の前に転がり出てくるのよ!」
本人曰く優秀な頭脳をしているらしいんだが、学業には全くと言っていいほど反映されていない
「こう、学校の勉強ってワクワクするものが足りないのよね」
親同士も俺たちも幼馴染と言うことで自然とフォロー役を務めてるんだが、学校の勉強の面倒を見るのはともかく、警察関係の事情聴取や連絡まで俺に回ってくるのは何か間違ってないか?
「徒織ちゃんが居るとホント楽よね」
だいたい、彌裂の奴は遅刻し過ぎなんだよ……最初からあいつがいたら事件そのものが発生しないですんだろうに、犯行が起きるまで来ないんだよなぁ
「お母さんがちゃんと起こしてくれないから!」
あの人もなぁ…起こしに行っても二回に一回は添い寝したまま寝ちゃうしなぁ……
奈梶間徒織16歳、最近、「死神の片割れ」と呼ばれて地味に傷ついてます……
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【ねじまきダンジョン~ぜんまい仕掛けの冒険者たち~】
世界のあちこちに発生した裂け目
そこから溢れるモンスター
世界の崩壊を防ぐことが出来るのは、裂け目の向こうからもたらされたオーパーツである「ゼンマイ」の適合者たち
ネジを巻いてゼンマイの動いてる間だけ、裂け目の向こうへ行き来出来、向こう側で活動出来る
モンスター溢れる閉ざされた空間はいつしかゲームにちなんで「ダンジョン」と呼ばれる様になっていった……
日本では義務教育期間の終了と共にゼンマイの適合審査が行われ、適合者は有無を言わさずダンジョン攻略へ駆り出される
一年後の生存率は16%、その内、探査の続行が可能な者は48%
法制上の名称「防人」、ネット上での通称「ゼンマイ兵」の戦いは続く
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【ささやかな悪~定年ヒーローのセカンドライフ~】
真壁輝也51歳、ヒーローネーム・ヒューマンフォートレス。
頑強な肉体と不屈の魂で多くの人々を救ってきた彼は、50歳でヒーローを定年退職し、穏やかなセカンドライフを始めた。
そんな彼はこれまでのヒーロー生活では不可能だった「ちょっと悪い事」へのチャレンジを開始するが、すっかり根付いた正義思考と根っからの真面目気質のせいでなかなか思うようにいかない。
「こ、コンビニで立ち読みでもしようかな……あ、缶コーヒー切らしてたな、この弁当おいしそう……会計お願いします……あ! 立ち読みしようと思ってたのについつい購入してしまった!」
「た、タバコでも吸ってみようかな? 初めてだとクラクラするって言うから、座って吸った方がいいかな? すぅ~! え? 一息で終わっちゃった、それに深呼吸と全然変わらないんだけど……もしかして毒耐性Bのせい?」
今日も彼の「ちょい悪」への挑戦は続く。
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【百発百中~転生スキルのせいで童貞卒業出来ないんですけど~】
転生スキルとして「絶対回避」と「百発百中」という因果律操作スキルを手に入れた主人公
安定した「オレツエー」人生を保証すると思われた強スキルには思わぬ落とし穴があった……
イタした相手を100%孕ませてしまうのだ!
周囲の女性からモテモテでありながら手を出せば確実に父親になってしまう
生理周期や不妊症すら無視する脅威の因果律
ストイックな人間と周囲に勘違いされつつも、中身は思春期童貞の妄想でいっぱい
果たして彼は無事に童貞を卒業することが出来るのか?
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【虐殺召喚~オレのHPは他人の命~】
異世界召喚され、勇者となった大口禊
現地の神と地球の神の協力プレイで高ステータス、高成長率、死んでも神殿で復活と至れり尽くせり
おまけに魔王を倒せば召喚直後の時間に日本に送還までしてくれる
……でも、そんな凄い力与えられるんなら、わざわざ別世界から召喚しなくても、その辺の住人に力を与えてもいいんじゃ?
魔王退治の裏に隠された真実
勇者召喚のコストは地球人類だった
禊のHPが1減るごとに地球で誰かが死に
一回死ぬごとに、地球上から町が一つ消える
禊の戦いは神により地球全土に公開
お気楽なチート勇者旅を進める禊には全人類からのヘイトが……
人口減少による管理維持コストの減少と自分へのヘイト集中を避けることを狙った地球の神の策が当たり、次々と唐突に死んでゆく地球の人々
果たして禊は魔王を倒せるのか?
楽しみにしている日本への帰還はどうなってしまうのか?
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【オレの嫁が世界最強っ!】
アキバのア○メイト店内の客がいっせいに消えた!
クラス召喚ならぬ店内召喚で異世界に送られたオタたち
外見、ステータスはそのままの彼らだったが、ただ一つ元の世界とは異なる力を持っていた
それは「嫁召喚」!!!
心から愛する「二次元キャラ」を現実に召喚する力だ
漫画やアニメやゲームのままの力を持つ彼女たちは決して傷つかない
……ただダメージに応じてグラフィックが変わるのみ
他国への侵略目的に召喚をおこなった王国の思惑からハズれ、巨乳派vs微乳派、ツンデレ、ヤンデレ、クーデレなどの嗜好でオタたち同士の争いがおこり、論争から戦争になってゆく
……召喚した王女を「三次元なんてカス!」とバッサリ切り捨てて
覇権を握るのはどの属性か!?
異世界脱衣戦国絵巻、開幕!!
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【100日後に滅ぶ世界】
世界各地で発生する「体が末端から崩壊していく」という奇病
広がりは伝染病の様相を呈しながらも患者同士には全く関連性が無い
突如ととして崩れ去る高層建築
一夜にして消え去る森林
飛行中に突然翼がもげる鳥たち
灰となって死滅するゴキブリ
やがて海が割れ、月が崩れ、山脈が消滅
これは世界が滅び去るまでの100日間の物語
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【モフモフだけど……コレジャナイ】
いいよね、神様転生。
特典色々もらってさ。
ついに来た、俺の番!
望むはもちろんモフモフ天国!
……だったんだけどねぇ。
コレジャナイ……。
リスの獣人(二足歩行動物型)で異世界転生を果たした主人公。
自前の尻尾でいつでもモフモフ堪能できるけど……。
一番のネックは獣丸出しの外見なんかじゃなく、その立派過ぎる尻尾。
生まれてからこれまで、何度ドアに挟んだことか……。
故郷の森を離れ、目指すは都会で冒険者。
何故かエルフ幼女(83歳)になつかれてしまう。
「俺の尻尾は布団じゃねぇ! 勝手に人の尻尾にくるまって寝るな!」
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【デミ学級日誌】
地球温暖化の影響で氷が減少した南極に突如として巨大な木『世界樹』が生えると共に、世界各地で外見、能力がそれまでの人類とは大きく異なる子供たちが生まれ始めた。
日本もその例外とはならず多くの異能児が誕生、外見や身体能力などが大きく異なる彼らを普通の学校教育の中に組み入れるため、実験的に作られたデミ学級。
貧乏くじを引く形でデミ学級の担任となった新米教師と、個性豊か過ぎる生徒たち。
これは新米教師である太田佑介の手による、貴重な学級日誌である。
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【大豆は最強】
クラス召喚で五百藏鎮が手にした力は大豆召喚。
召喚された世界でも似た様な豆は存在するし、余りのショボさに当座の生活費と兵士の中古武装と冒険者ギルドへの紹介状を渡され、城から追い出されてしまう。
同じ様に城から追い出された青山小春(放水:如雨露程度の水が出せる)、上村慎司(鷹の爪召喚)、柄島直樹(発火:マッチを一本刷った程度の火が出せる)、大野寺絵梨(整地:MP1に付き30センチ平方の地面を平らに出来る)たちと薬草採取や街の清掃など下級冒険者として暮らしていたが、薬草採取で出かけた森で、他の冒険者になすり付けられたモンスターと戦闘をする羽目になってしまう。
命からがらなんとかモンスターを倒した鎮たち、レベルアップで各自ステータスを確認するが、鎮は新たに増えた召喚魔法に歓喜する。
『醤油召喚』、日本の味に飢えていた鎮たちにとっての神魔法。
懐かしい日本の味に涙を流して喜ぶ彼らはまだ知らなかった、鎮の魔法は醤油に留まらず、味噌、豆腐、納豆など様々な大豆加工食品が召喚出来るようになっていくことを。
そして他のメンバーの魔法もレベルアップと共に加速度的に強化されていくことを。
クラス召喚追い出され組の異世界エンジョイライフがここに始まる。
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【ダンジョン・コレクター】
倒すとドロップを残して消滅するモンスターが存在する世界。
ハズレドロップと呼ばれるキューブ(アイテムとしての使用不可、破壊不能)を目の色を変えて追い求める者たちが存在した。
未来のダンジョン・マスターを目指す酔狂な面々である。
キューブは実はダンジョン作成に不可欠なダンジョンブロックと呼ばれるパーツで、ダンジョンはこのダンジョンブロックの組み合わせでしか作成出来ないのだ。
仕掛けの無い通路、仕掛けの無い部屋といった比較的入手しやすいものから、強制転移、モンスターハウスなどのレアものまで一見全く同じ外見にも関わらずレアリティ格差まで存在する。
ダンジョン作成で余ったパーツをダンジョンマスターが放出してる可能性が高いダンジョンの方がブロック収集効率はいいが、野生のモンスターからしかドロップしない超レアものもある。
一般冒険者垂涎のレアドロップをスルーし、ゴミ(キューブ)を追い求める、ダンジョン・コレクターの冒険の物語。
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【クラス転移で汲々吸命士】
クラス転移(放課後だったんでクラスの半分程度のメンバー)で異世界に来た一一九、与えられたクラスはパラメディック、初期能力はファーストエイド(状態異常によるスリップダメージを解消・軽減)、
ステは元の世界のまま。見事、戦力外通告で城から追い出された一九は「私より強い奴に会いに行く!」と勝手に城を飛び出した幼馴染の剣崎竜虎、クラスは格闘家、初期能力は格闘ゲーマーの目(ワンドット、ワンフレ単位の見切り)に何故か首根っこを引きずられて、彼女の武者修行の旅に同行する羽目になる。
「まずは波◯拳の修得よね!? 目指せ最強の格闘家!」
「(読みは普通に女の名前で通るけど、字が女の名前じゃねえよな、コイツ)はいはい……」
冒険者登録を済ませ、地道に活動する内に新たなスキルが生える。
「あんたの新スキル、エグ過ぎない? ライフスチール(HP強奪)とか、どこが救急救命士よ?」
「おま、新スキルが気功拳じゃなく気功脚だったからって八つ当たりは止めれ!?」
後に世界最強の格闘家の称号を獲得する少女と、悪夢の吸命士の異名を獲得する少年の旅が始まる。
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【ゴランノ・スポンサーの提供でお送りしています~世界一の大財閥ゴランノの総帥に転生したんで色々スポンサー提供してみる】
魔力も、腕力もチートスキルも無いけど、有り余る金は誰にも負けない!
そんな世界で隔絶した財力を誇るゴランノ財閥の総帥として転生した俺だったが、前世庶民の一般家庭育ち。
金に飽かせた教育で、知識と教養と立ち居振る舞いだけはトップレベルに達したものの、金持ちらしい鷹揚な金の使い方は板についていない。
俺が金をばら撒かないと世界の経済が回らんのだという。
神殿への寄付?
既に各神殿の運営費の9割方はウチの喜捨だが?
この世界の人間が何かを得る時、その何%かはウチの懐に入って来るからなぁ……。
強制労働染みた浪費が義務付けられてるんだよ、俺には!
自分じゃ絶対に使いきれない。
なら、目ぼしい奴、試みにはドンドン金を出そう!
前世のネタ、世界一のゴランノ・スポンサーの提供だ!
ノリノリで金をばら蒔き始めた俺は、この振る舞いが元で「ゴランノ中興の祖」と呼ばれる様になるとは思ってもみなかったのだ……。
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【転生バカボン~これでいいのだ!~】
転生したことすら理解出来ないくらいのバカであるヒンノー村のボンは不器用で物を壊してばかり居た
厄介払いとばかりに兵にされてしまうが文盲のためステータスカードも読めない
入隊時のステータスチェックも総て一桁と申告したため、死亡率の高い、周辺のドラゴンやワイバーンが野ネズミより多い辺境の城砦送りとなってしまう
しかしボンのステータス、総てのステータスは確かに一文字ではあったものの
HP:∞/∞、MP:0/0、腕力:∞、体力:∞、魔力:0、知力:2、攻撃力:∞、防御力:∞、素早さ:9、器用さ:8
というフィジカルモンスターであったのだ
不器用さの実態は桁外れのパワーが原因
城砦に居たのはやる気皆無の先輩兵士、サボるということにすら頭が回らないボンは、先輩兵士たちのドン引きの意味も理解出来ないまま、ワイバーンを「飛ぶトカゲ」ドラゴンを「喋るトカゲ」と呼び、日常的に凶悪なモンスターをぶちのめしまくる
死んでも治らなかったバカによる異世界辺境無双
主観では呑気な田舎城砦暮らしです
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【ババアハーレムに祝福を ~勇者パーティをお払い箱になったオッサンは若返りの魔法でババアたちを救済する~】
勇者パーティを解雇された主人公は退職金代わりに受け取ったボロボロのスクロールから手にした魔法「若返り」でスキル・知識そのままに全盛期の肉体を手に入れ、「これからは自分のためだけに生きるぞ!}と隣国を目指し新たに冒険者としての生活を始めようとする。
道中知り合った元・聖女のババアの「せめて恋がしたかった」の繰り言があまりに鬱陶しかった為、厄介払いのつもりで若返りの魔法を使ってしまうが、美女と化した元ババアに何故か付きまとわられることに。
その後も訳アリ、めんどい系のババアと巡り合うこと多数、気が付けば超絶スキル&様々な知識・コネを持つ絶世の美女(元ババア)たちと、熟練の剣技と超人的な体力を持つ主人公(元オッサン)のハーレムパーティーに!
元オッサンと元ババア達の冒険が始まる
設定とかネタとか使えるようならご自由に