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1話 あなたは『輪廻転生』を信じますか?

※閲覧注意:食事中の閲覧には不向きな描写があります。

 あなたは『生まれ変わり』を信じますか?


 こう聞かれたら、前の私は悩んだに違いない。

 自分自身には前世の記憶なんてないから、「信じる」とは答えられない。

 ところが、広い世界を見渡せば、公式に『輪廻転生』を認定された人物もいる。だから、「信じない」と否定できるような学問的知識の持ち合せもない自分には、

「信じているわけではないけれど、信じないとも言いきれないかなあ…」

という感じの、答えになっていない返事をしたと思う。

 でも、今の私には「信じます!」と答えられる。何となれば、『それ』を体験してしまったからだ。


 とは言え、もし『輪廻転生』の過程を尋ねられたとしても、私には何一つ答えられない。

 なにせ前生の最期の記憶は、いつもどおりに就寝して目を閉じた場面で終わっている。まだ十五歳で老婆ではなかったし、持病もなく健康そのものだった。どうして死んだのか見当もつかない。

 そういう状況だったから、胎児の頃も、乳児の頃も、てっきり夢を見てるのだとばかり思っていた。実際のところ、赤ちゃんというのは眠ってばかりいるものだし、起きているときも夢見心地で過ごしていた。

(これは現実だ!)って目が覚めたのは、よちよち歩きを始めて派手に転んだ瞬間だった。かなり痛くって、それで(あれ?)って目から鱗が落ちた感じで、ようやく意識がはっきりしたのだ。

 自分でも(何て鈍い)って呆れるけれど、おかげで幸運ラッキーだった点もある。

 つまり、おむつや授乳を卒業する頃合いに自我を覚醒できたからだ。それらの行為を精神年齢十五歳でしたり、されたりなんて羞恥刑ものである。

 なので、必死で抵抗しておむつを止めてもらい、粗相しないかハラハラしている母親に対しては『一人で出来るもん!』とアピールもした。

 私、頑張りました!

 それでも、まだ『おまる』なんだけれどね…。

注)小故事:中国語で『小話』のこと。

2013.6.1

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