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あなたの打ち込んできたものはなんですか?  作者: 共作 群青の海 シエリ
第9章 関取への大一番②
45/52

第45話

和人と朱雀王が同時に突進する。両者の体が激しくぶつかり合い、その衝撃は会場全体に響く。


柚は祈るようにして息を詰めた。

「………」

彼女の心臓は激しく高鳴り、胸の奥で「和人くん…!」と叫び続けていた。


「今日もものすごい当たりの立ち合いです!」

アナウンサーの声が響き渡る。


朱雀王は得意の右四つに持ち込み、和人の胴体をがっちりと掴んだ。彼の技と力が相まって、和人はあっという間に劣勢に追い込まれる。


「朱雀王得意の右四つになりました!」

アナウンサーが興奮した調子で叫んだ。


菜月も声援を送る。

「がんばれー!佐藤!佐藤!」


菜月もプロヴァンスのテレビを見ながら、店中に響くほどの大声で応援している。そんな思いとは裏腹に、和人は徐々に劣勢に追い込まれていく。


「佐藤はまたも劣勢からの立ち上がりです」

アナウンサーが伝える。朱雀王の力と技の前に、和人は力を振り絞りながら耐えていた。


おかみさんは冷静にその様子を見つめながら、感心するように呟く。

「朱雀王…さすがね…経験が違うのよ」

和人は左上手を切ろうと何度も試みるが、朱雀王の技術は優れていた。


「こいつ‥あなどれんな‥」

朱雀王は和人の底力に内心驚きながらも、全力で対峙していた。他の力士であれば、これで態勢を崩していただろう。


柚の心はますます高まる。

「和人くん…!」

彼女は拳を強く握り、心の中で叫び続けた。


しかし、朱雀王の左上手は切れない。朱雀王は体勢を崩さず、和人をしっかりと捉え続けていた。

和人は朱雀王優勢から身動きの取れない状況に、内心焦っていた。


「くっ…」


しかし和人は必死に耐え、がっぷり四つの状態まで持ち込んだ。両者の動きが止まり、駆け引きが続く。

そんな拮抗した取組に、会場はますます盛り上がり歓声が響き渡る。


「駆け引きが長引いてるわね…」

おかみさんが呟いた。両者の実力が拮抗し、相手の動きを見極める時間が続いた。

取組は1分が経過し、観客の緊張はますます高まっていた。ここまでくればどちらが勝ってもおかしくない。

その時、突然朱雀王が右手で下手出し投げを打った。


「朱雀王、右下手出し投げか!」

アナウンサーが叫んだ。


柚は思わず息を呑む。

「はっ!」


和人は必死にこらえ、倒れそうになる体を何とか踏みとどめた。両者の力がぶつかり合い、時間が長くなると体力も尽きてくる。どちらも倒れる寸前だ。


「佐藤、なんとかこらえました!」

朱雀王の技を耐え抜いた和人。彼の心はさらに強い闘志で燃え上がっていた。


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