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源平合戦で命を落とす安徳天皇に転生した俺、死にたくないので、未来の知識と過剰な努力で、破滅の運命を覆します  作者: さとちゃんペッ!
2章

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101話 俺たちの青景には接触交代鉱床がある!

ブラック企業で過労死寸前だった俺(赤星勇馬)。

通勤途中で猫を助けようとして命を落とした――その結果、神様から授かったのは「スマホが使える」というチート能力。


転生先は、なんと壇ノ浦で入水する直前の安徳天皇!?

優雅な平安貴族の暮らしを味わいつつ、同時に目にするのは、当時の庶民が背負う悲惨な現実。


「二度目の死だけは、絶対に避けたい!」

ブラック企業よりはマシなこの世界で、俺は未来知識と努力を武器に全力で生き抜いてやる――!

黒い毛並みを揺らして、クロエが岩の上にひょいと飛び乗った。

金色の瞳が、夕日の光を反射してギラリと輝く。


「安介――耳の穴をかっぽじってよく聞くニャ!」

しっぽを高く掲げ、得意げにしゃらんと振る。


「ここ、青景の山は、ただの山じゃない。接触交代(せっしょくこうたい)鉱床(こうしょう)ニャ!」


「……接触(せっしょく)交代(こうたい)……鉱床(こうしょう)?!」

安介は思わず聞き返した。舌をかみそうな難しい言葉だ。


クロエは胸を張り、まるで教授のように語りだす。

「マグマが地底からぐつぐつ上がってきて、石灰岩の層にぶつかる……。

そのとき、お互いが反応して、新しい鉱物が生まれるんだニャ!

あかがねしろがねくろがね――人の暮らしを変える金属たちが、この“ぶつかり合い”から生まれる!」


「石と石がぶつかるだけで……鉄ができるのか?」

安介の声はかすれていた。


「ぶつかるだけじゃないニャ!」

クロエは岩のかけらを前足でコツンと突く。


「マグマの熱と石灰岩の成分が混じって、まるで料理みたいに“化ける”んだニャ。

赤い鉄鉱石、緑の銅鉱石、きらめく銀鉱石……全部この山の奥に眠っている!」


――眠ってる……?!


クロエはさらに言葉を重ねた。

「奈良の昔には、ここから少し行った長登銅山ながのぼりどうざんで銅が掘られて、大仏の修理に使われたんだニャ。

その後も銭の鋳造が続き――江戸の世になると、この青景では柴尾銀山(しばおぎんざん)大谷鉱山(おおたにこうざん)が栄えた。

千軒もの家が立ち並び、人でごった返すほどの(にぎ)わいニャ!」


――すげえ! ここに、銀山ができるのか……!


クロエはふっと口元を吊り上げた。

「ほら、足元を見てみろ。赤茶けた石、ずっしり重い石……ただの石じゃない、鉄鉱石ニャ。

探せばいくらでも転がっている。

掘り出すのはお前たち自身の手だ。

この地で生き抜くために――鉄を見つけるんだニャ!」


しっぽが高々と空を切り、金色の瞳がぎらりと光った。

まるで未来を見通す神様のように――クロエは、そう告げた。



まだまだ修行中の さとちゃんペッ! です。

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