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99話  雁丸が怪我人を連れて来た

ブラック企業で過労死寸前だった俺(赤星勇馬)。

通勤途中で猫を助けようとして命を落とした――その結果、神様から授かったのは「スマホが使える」というチート能力。


転生先は、なんと壇ノ浦で入水する直前の安徳天皇!?

優雅な平安貴族の暮らしを味わいつつ、同時に目にするのは、当時の庶民が背負う悲惨な現実。


「二度目の死だけは、絶対に避けたい!」

ブラック企業よりはマシなこの世界で、俺は未来知識と努力を武器に全力で生き抜いてやる――!

夜明け前。

まだ白み始めた空の下、馬の蹄の音が地頭屋形に近づいてきた。


「……雁丸!」

見張りの九郎が声を上げた。


門が開くと、煤と血にまみれた雁丸が馬から飛び降りた。

その後ろには、小さな影――火の里から連れてきた子どもがしがみついていた。


「雁丸!」

俺とハヤテが駆け寄る。


雁丸は無言で子を降ろし、親父さんの前に進み出た。

刀の柄をぎゅっと握りしめ、低い声で報告する。


「……火の里は焼けていた。家々は荒れ、鍛冶場も壊されていた。

男の多くは殺され、女や子どもは散り散りに逃げたようだ」


親父さんの顔が険しくなる。

「やはり……落人狩りの仕業か」


「はい。証言があります」

雁丸は連れてきた子の肩に手を置いた。


子どもは震えながらも、必死に声を振り絞った。

「……小十郎と次郎……あいつらが親父を斬ったんだ! 刃物を奪って、家を焼いて……!」


広場に集まった者たちから、怒りの声が上がった。

「なんてことを……!」

「もう許せん!」


雁丸の目は鋭く光っていた。

「地頭様。あの二人を放置すれば、青景も同じ道を辿ります。

だが、地頭様が直接動けば厚東氏との戦になる。

だから……まずは俺が斬る。影の刃として」


親父さんは黙り込み、拳を膝に置いたまま考え込んだ。

重苦しい沈黙。


そこで俺は一歩前に出た。

「待って! 雁丸……あいつらを斬るのは最後の手段だ。

でも、何もしないわけにもいかない。青景を守るために……策を立てよう!」


雁丸は俺を見つめ、ふっと息を吐いた。

「……お前の考えを聞こう、安介」


クロエが袂から顔を出す。

「ミャア……戦か、知恵か。さて、安介の選択はどっちニャ?」


俺の胸は高鳴っていた。

ここからが、本当の地頭屋形の試練だ――。

まだまだ修行中の さとちゃんペッ! です。

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