プロローグ 「俺が死んだ日、猫は笑っていた――」
源平合戦は平安時代。貴族の世の中に武士が台頭してきた。その理由は‥‥・地方の生活にあった。
ブラック企業の朝は早い。いや、夜も朝も実はあまり関係ない。
会社に寝袋を置き、缶コーヒーで胃を焼き、終電に間に合えば勝ち組。
そんな俺――赤星勇馬は、今日も始発に乗るため家を出た。
30日連続勤務。
眠気と疲れがピークだったその時、
交差点の真ん中に一匹の黒猫がいた。
道路の真ん中にちょこんと座ってこっちを見て、
……笑っている!
「おい、危ないって……!」
気づけば俺は走り出していた。
角から現れた大型トラックのクラクション――
世界が白く染まり、ふわりと身体が浮かんだ。
気がつけば、そこは暗い空間。
目の前に立っていたのは、白い着物を着た謎の女性だった。
「やれやれ、また猫助けか……人間って、ほんとバカね」
「え?」
「あなたは死にました。黒猫を助けて。黒猫のクロエは無事です」
「……そっか。よかった……って、俺は?」
「あなたには第二の人生を与えます。場所は――西暦1185年、日本。源平合戦の真っただ中。あなたは安徳天皇として生き直すのです」
「はああああ!?」
「もちろん、黒猫クロエがあなたを助け……チートは……」
チートは何? 気になったところで、声は聞こえなくなった。
俺は、眠ったらしい。
冗談のような現実。
だが目を覚ました俺の目に映ったのは――
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