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なろうラジオ大賞6参加作品たち

デートで観覧車に乗ったら彼女がおならをしてしまった! 俺「助けてAIアプリさん! 正しい対処法を教えて!」

 今日は彼女と遊園地デートに来た。

 ここの観覧車8番ゴンドラは、一緒に乗ったカップルが必ず結ばれると有名だ。

 この日のために3ヶ月前からチケットを予約していた。

 告白スポットの観覧車に彼女と乗るなんて、緊張で汗が止まらない。

 でも、愛しの彼女が隣で笑顔を見せてくれる。きれいな景色も拝める。ここが天国か。


 ゴンドラがゆっくりと上昇し、ハートがハードなビートを刻む中、突然――。


 プゥ〜


 と、間抜けな音がした。

 俺じゃないぞ。観覧車には俺達二人しかいない。


 彼女を見ると顔を赤らめ、視線を斜め下に向けて気まずそうにしている。


 フォローしなきゃ!

 でもこの状況で何を言えば正解なのか分からない。下手したらこのまま気まずくなってお別れ!?

 今から入れる保険があるなら100万払う。


 頭が真っ白になった俺は、スマホを取り出してAIアプリを起動した。


「へいAI様全知全能の神さまでもなんでもいい! 助けて! 観覧車で彼女がおならをしてしまった時の正しい対応を教えて!」


 彼女が驚いて俺を見つめる中、ゴンドラ内に冷静な機械音声が響く。


AI【おならは生理現象です。人間が健康である証拠と言えます。彼女に優しく伝え、気まずい雰囲気を和らげましょう。】


 なんてお優しい答えなんだ、AI。


「え、えーと。生理現象だから気にしなくていいよ!」

「ちょ、なんでそんなことアプリに聞いてるの! そしてなんでそれをそのまま言うの?」


「だって、俺にはどうすればいいのか分からなかったんだよ! AIのほうが俺より頭いいから教えてくれるかなって」


 シーンと静まり返る観覧車内。

 彼女は肩を震わせ、吹き出してしまった。


「あははは、まったくもう。久しぶりに笑いが止まらなくなっちゃったわ」


 気まずい空気が消え去って、和やかムードに変わる。

 今なら言える。観覧車マジックに頼るときだ!


詩織しおり! 俺はこんなふうに笑い合える家庭を築きたいんだ。俺と結婚してくれ!」

「はい。喜んで」


 彼女は指先で目元の涙をすくい、きれいに笑った。



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― 新着の感想 ―
ヘイ主人公、そいつを堂々と言ってる時点で彼女はいたたまれないぜ(;゜Д゜) いや今回は良い方にいってよかったけど!! とにかくAIさまさまですね( ´∀` )
これは確かに緊急事態ですね。 彼女さん本人も気まずいですが、それに居合わせた彼氏さんも対応に相当に苦慮しそうです。 AIに質問をした彼氏さんですが、この場の状況を笑いに変えられたのは彼自身の機転ですね…
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