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壊れる物、壊す者

作者: りん

こういう気持ちにもなるのかなって

 全部まるごとぐちゃぐちゃに、できるだけ原型を留めずに、自分の心から発散しないといても立ってもいられない日が稀にある。


 自分の思い通りにことが進まないととき、昔の嫌な思い出を思い出したとき、中々眠れないとき。

そんなとき僕はその感情をすべてボールに込めてなにもない無機質な壁に投げつける。

 

 心からお仕上がってくる黒みがかった感情をすべて指の先に集めて、ボールが指から離れる瞬間放出する。黒いものの質量が大きくなればなるほど球のキレがよくなる。


 毎度、指の先に黒いものを集めていてはかえって新たな黒いものを生み出してしまうことがあるかもしれないから、そんなときは足に分散する。


 左足をできるだけ大きく上げて、まずは右足を軸に体重をかけいつもは指先に行っていた黒い感情を今度は右足に溜め込む。指先とは違って器用に力の放出のタイミングを図ることはできないが、その筋肉量で黒いものを高密度に仕上げることができる。


 高密度になった黒いものはやがて限界を迎える。その前に黒いものを不器用ではあるものの、慎重に大きく振り上げた左足に移す。その大きく振り上げた左足を思うままに硬い地面へと振り下ろす。


 おろした先の地面は土埃をたてて、その土埃は円を描く。地面が大きく穴が空いたように感じるほどの強い衝撃が伝わり、まるで地震が起こったかの用に感じる。


 左足を振り下ろしたあと、その勢いで少しあまりを取っておいた黒いものを指先から放出する。指先で器用にコントロールした黒いものほど正確な玉運びはできないが、その分力強さがある。



 

            何度も繰り返す。そう。何度も、何度も。

 そうするといつか壁は崩れる。地面は固くなる。街が栄える。大人が多くなる。子供は消える。

                  

                   全部壊れる。

                  

                   全部壊す。


                   僕が壊す。


                  僕が壊される。 

自分がこういう気持ちになることが多いというよりキャラにそういう気持ちにさせることが多い。

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