ルンルン、お友達ができる
里山に暮らす夫婦の物語。
人里離れた山の麓にひっそりと佇む藁ぶき屋根の古い家。
そこには仲のいい夫婦が暮らしていた。アヒルのルンルンとカッパのパッパだ。
二人(2匹?)とも自分を人間だと思っている。
つつましやかでありふれた日常は、奇想天外な出来事に彩られていた。
「ルンルーンっ! おいでー。とっても広くて気持ちいいよー」
パッパが湖の方から叫ぶ。
ルンルンはうれしくなって翼を大きく広げ、おもいっきり羽ばたかせながら足ヒレで川面を蹴った。
パタパタと水しぶきをあげながら前進し、ふわっと空中に浮くルンルン。
翼の先端から川の岸辺の花々が流れ去る。
ルンルンは水面上空を羽ばたきながら、そのまま川口から湖へと飛び出した。
急に視界が広がる。
それからルンルンはパッパのいるところまで駆け飛んでいった。
湖には、カモ、オオバン、キンクロハジロ、ハクチョウ、たくさんの種類の水鳥たちがいた。
ルンルンは、こんなにたくさんの鳥たちを見るのは初めてだ。
水鳥たちが岸辺近くに集まって、水の中に潜ったり水面を嘴でバシャバシャと打ち付けたりしている。ルンルンは気になって、水鳥たちのいるところまで行ってみた。
どうやら餌を食べているみたいだ。ルンルンが水鳥たちに声をかける。
「こんにちはーっ。」
「?」
「お食事中ですか?」
「……」
「私も一緒にいいですか?」
「……」
言葉が話せないのかな? ルンルンは少し不安になった。だけど、水鳥たちは特にルンルンを追いやるわけでもなく、いつもと変わらぬ様子で食事を続けた。
水鳥さんたちは自分のことを嫌がっているわけじゃないようだ。
ルンルンはみんなと一緒に水に潜って小魚を獲った。
水鳥たちは、突然の訪問者に最初はびっくりしたが、どうやら仲間だと思って安心したようだ。
隣で魚を獲っていたカモたちが話しかけてきた。3羽ほどいる。
一所懸命話そうとするが、パッパと話す時と違って思うように話が通じない。
首や翼の素振りから、どこから来たのか? と聞いているような様子だ。
ルンルンは、湖に流れ込んでいる川の方を翼で示した。カモたちは納得したように翼を広げて背を伸ばした。川を下ってきたのだと理解してくれたみたいだ。
ルンルンはカモたちとしばらく一緒に魚を獲ったりして水浴びをして遊んだ。
なんとなくだが、ルンルンとカモ達はだんだん言葉が通じてきたようだ。
今度遊びに来てね。とカモ達に言うと、ルンルンの言葉がしっかりわかったようで、また翼をおおきく広げた。
湖に来てお友達ができたルンルンは上機嫌になった。
パッパは湖の中ほどで魚を獲っていたようだ。パッパも大量で楽しそうだ。
帰りは、元来た川を遡っていかなければならない。遊び疲れたルンルンは少し眠くなっているようだ。川を泳ぐのに疲れてしまった。
うつらうつらとしながら川にぷかっと浮いているルンルン。
パッパは泳ぎながらルンルンをそのまま家まで押して行ってあげた。
のんびりとした気持ちで読んで頂ければ幸いです。
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