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色々と学ぼう

「1つ聞いてもいいかな?」

部屋に入るとリリからそんなことを言われた。


「うん、どうした?」


「セイヤはこの世界の事どこまで知ってる?」

そう言われ、この世界の名前と魔族とは友好関係にあることくらいしか知らないので、その2つを言った。


「全くあの王は!セイヤを飼い殺しにする気だったのか!」

リリは怒ってくれたが、俺は違う違うと否定して、そもそもそんなにこの世界について調べようとしなかった事を伝えた。


「それでもだよ!普通ほかの世界から来たんだからなにも分からないんだから教えるのが普通だよ!」

それでもリリの怒りは収まらないようだ。


「じゃあさ、リリが教えてくれよ」


「うん!元よりそのつもりだよ!」

機嫌が直ったのか元気に返事をしてくる。

感情がジェットコースターだなぁと思っていると。


「あ!また変なこと考えてるでしょ」

つい顔に出てしまったらしい。


「ごめんごめん、それでリリ先生!なにについて教えてくれるんですか!」


「うむ!それでは貨幣について教えよう!」

生徒先生ごっこをしたら随分ノリノリでノってくれた。


「うちはお小遣い制でね、まずははい」

そう言って渡されたのは金貨1枚だった。


「これはいくらくらい?」


「まずは順を追って説明しようか」

そう言いリリは机の上に銅貨、銅貨より大きい銅貨、銀貨、銀貨より大きい銀貨、金貨、金貨より大きい金貨、そして白い硬貨を出した。


「多分セイヤの世界と物価は変わらないと思うからリンゴが1個銅貨1枚、銅貨10枚で大銅貨、大銅貨10枚で銀貨、銀貨10枚で大銀貨、大銀貨10枚で金貨、金貨10枚で大金貨だよ!」

つまりは銅貨1枚100円だとして、大銅貨で1000円、銀貨で1万円、大銀貨で10万円、金貨で100万円、大金貨で1000万円って事か。


「ってこれ100万円!?」

リリから貰った金貨1枚で100万円もするのか!

驚きで言葉を失った。


「これが毎月のお小遣いだからね!」


毎月100万円お小遣いでもらえるなんて夢のようだ…いや実際は夢なのかもしれないと思い頬を抓るが痛い、夢ではないようだ。


「どしたの?セイヤ頬なんて抓って」


「いや俺の世界では夢かと思った時に頬を抓るというのがあるんだ、痛みがあれば現実だし、無ければ夢って感じで」


「そうなんだぁ、セイヤの世界は面白いね!色々そういう話も聞かせてよ」

わかったよと返事をしながら次に進む。


「貨幣はいいとして、あとは魔法かな?」


「魔法といえば7つの属性があってとかそういうやつ?」

異世界ものではよく火、水、風、土、無、光、闇みたいに色んな属性があったりするがこっちもそうなんだろうか?


「セイヤの世界にも魔法があったの?」


「いや、ないよ、全部創作物の中での話かな」


「そっかーなら説明すると魔法は2種類しかないよ」

なんだって!?魔法が2種類しかないなんて何と何しかないんだと考えてるとリリが話し出した。


「魔法は2種類しかなくて、まずは自分または人に作用させる魔法、もうひとつはこの世界に作用させる魔法かな」


「ってことは属性などの魔法は世界に作用させる魔法で、肉体を強くするとかいう魔法は自分に作用させる魔法ってことか?」


「そう!そういうこと!」

なるほど、2種類しかないならわかりやすい、属性全てがまとめられてると考えたらいいのだろう。


「魔法には詠唱ってのはないのか?火を灯せ!なんとかみたいなやつ」


「詠唱ってのはないね〜頭で考えて魔力を練ると発動するよ!」

よかった、この歳になって詠唱するのは恥ずかしい、まぁ詠唱するのが普通だったらここでは普通になるんだろうけど。


「まずは魔力の練り方を教える前に、魔力を感じてみようか」


そういうとリリは俺に触れて何かを流してきた、温かいなにかが体中を巡る。

それはやがてへその下丹田に集まり始めた。


「どう?なにか感じ取れた?」


「あぁ、ここになにかが溜まってくのがわかった」


「おお!凄いね!魔力を感じ取るだけでも1ヶ月かかる人もいるのにもうどこに魔力があるのか分かるなんてさすがは勇者!」

これも勇者の力の1つなのだろうか、まぁ常に魔力を放出してるみたいな事を聞いたし、魔力に関しては勇者の力なのだろう。


「じゃあ早速魔法を使ってみようか!そうだねまずは」

そう言いリリは指を振ったすると何も無かったところにロウソクが現れた。あれが世界に作用する魔法というものなのだろう。


「じゃああのロウソクに火を灯す感じで考えて魔力を練ってみよう!」


「わかった」

そう言い俺は丹田にある温かい感覚を使いながら考える。

ロウソクに火がつくイメージを…

するとボッ!と音がして目の前のロウソクに火がついた。


「やった!成功だ!」

俺は喜んだがリリはそうでもなかった。


「これが勇者の力なのか、凄いね!普通は魔法を使えるまでに3ヶ月はかかるものなのに」


「リリはどのくらいだった?」


「私は魔力を感じるのに1時間くらいで、魔法を使えるようになったのは3時間だよ」

そういうとリリは少し落ち込んでしまった。

俺の方が早かったからなのか、ならばフォローするしかない。


「いや、俺の場合は勇者っていうずるい力があるからさ!リリのは努力だろ?だから凄いよ!リリは凄い!」


「ほんと?」


「うん!リリは凄いよ!」

そういうとリリは機嫌を良くしたのかいつもの調子に戻った。


「よーし!セイヤに負けないぞ!」

なぜか対抗心を持たれてしまったがまぁいいだろう。


「あっごめんね、セイヤ、これから用事があるんだちょっと席を外すね」


「うん、わかった」

そういいリリは転移でどこかに向かっていった。


「よし、魔法の練習するぞ!」

色んな書籍を読んだ中で俺は使えそうなものをピックアップしていき魔法の練習を再開し始めた。






一方その頃神界では私刑が行われていた。

死刑執行人はこの世界の創造神アルテナ、身長は170cmほどあり、銀髪ロングの腰くらいまである髪の毛だ。

容姿は創造神というだけありまるで女神のような容姿をしている。


しかし、今のアルテナは激怒していた。

この世界の魔力が足りないから勇者召喚をしたのに、その召喚された勇者を目の前の2人が拉致し暴行に及んだのだ。


この怒りはアルテナの信託を無視された怒りかはたまたま勇者を粗末に扱った怒りかは今のアルテナには分からなかった。


「やぁアルテナ、この2人はどうするんだい?」


「リリですか、この2人はもちろん処刑します、ただしそう易々とは殺しませんけど」


目の前で処刑宣告されたドズとキャトルは顔を青ざめて冷や汗をかいている。これから殺される者の運命にあるのだ。


「それはセイヤに決めさせなくていいのかな?」


「どういうことでしょうか?私の信託を無視した者は私自身が捌くべきでは?」


「いや、被害にあったのはセイヤ自身だよ、そのセイヤを無視して私刑をするのはどうかと思うけどね」


「確かに一理あります、ではセイヤをここにお呼びしましょう、そしてどうするかを決めていただきましょう」






こうして俺は2人の処刑にお呼び出しされるのだがそれは今の俺には察知出来ないことであった。

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