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リリとデートしたよ

今日はリリと付き合って一日目だ。

俺とリリが付き合ったことは城中にはもうバレてるみたいなので、今後は人の目を気にせずにいいわけだが、さすがにこの歳になると人の目を気にしてしまうものだ。


俺は浮かれた気分でリリの執務室に入る。


そこではリリが執務に勤しんでいる様子が伺えた。


「リリ様、セイヤさんが来ましたよ」

そう一緒に執務している人が俺の来訪をリリに伝えてくれた。


「セイヤ!ごめんね、今手が離せなくて、どうしたの?」


「いや、リリさえ暇なら一緒に出かけたいなと思ったけど、そんなに忙しそうなら無理か…」

俺はそう落胆しながら言ったら執務室に居た男性の方が一言言った。


「リリ様、今の仕事はそう焦るものではないでしょうし、ここはセイヤさんとデートしてきてはいかがですか?」


「デート…よし!セイヤ!デートしよう!」

男性が言うようなセリフを言われてしまった、俺はその言葉に頷き、リリとデートすることにした。


リリは自室で着替えてくるから待っててと言って自室に入った。

俺はその間リリとデートする事に浮かれていた。


しばらくして、リリが出てきて、どう?と聞かれたので俺は似合ってる可愛いと応えた。

リリの今の格好はカーディガンにロングのスカートといったシンプルさを重視した感じになっているが、リリの元々の容姿が綺麗なので、そのシンプルさが逆にリリを輝かせてる。


「えへへ、じゃぁ行こ!セイヤ!」


そう言われて俺達は手を繋ぎ城下町に繰り出す。


最初はどこに向かおうかと考えていると。


「そういえば朝ごはん食べてこずに出ちゃったね」

そうリリに言われて俺はお腹もちょうど空いていたので、朝ごはんを食べることにした。


そして目指したのは1件のレストランだった。

リリがここにしようと言って選んだので、俺は即頷き一緒に入っていった。


「いらっしゃ…魔王様!?」


「そんなにかしこまらなくていいよ、今日は私用で来ただけだから」


「はい!かしこまりました!」

そうして店員さんはいつも通りの接客に戻り、俺達はテーブル席に案内された。


朝は空いてるらしく、俺達以外にお客さんはポツポツいるくらいだ。


先程の魔王様という発言でお客さんからの視線がちょっと気になるが、リリはあっけらかんとしている。


「リリはこのお店来るの初めて?」


「ううん、何回も来たことあるよ」


「ならリリのおすすめで頼む」


「分かった!」

そうやり取りをして、俺はリリに注文は任せることにした。


しばらくリリと談笑していると料理が運ばれてきた。

パンとスープとお肉至ってシンプルな内容だった。


俺はパンを齧りながら肉を食べる。

肉の味付けは塩のみとなっていて、俺的には好みの味付けだった。

スープを飲むと魔王城で食べているスープと比べると薄味って感じがして、スープは一気に飲み干すことにした。


リリもスープは薄いと思ったのか、少し退けた所に置いてある。


俺達は特にこれといった談笑もなく黙々と食べて、店を後にすることにした。


「ありがとうございました、お会計は大銅貨2枚です」

そう言われたので、俺はお金を支払おうとすると、リリも支払おうとした。


「ここは俺が奢るよ」


「いやいや、私が連れてきたんだし、私が出すよ」

おっとここでドンパチし始めるのかと思ったが、店員さんが。

「魔王様、デートの時は男性が払うのが流儀ってものなんですよ」


「そうなの?」


「そうだよリリ、男性が払うのが流儀なんだ」


「分かった、じゃあセイヤが払っていいよ」

そうしてドンパチを起こさずに俺が支払いする形になってその場は終了した。

そして店を後にし、俺達は次どこに行こうかと話し合ってた。

「リリは行きたいところとかない?」


「劇場に行ってみたいな、セイヤが発明したんでしょ?あれ」


「俺が発明したのは放送できるアイテムなんだけどな…」

どうしてかいつの間にか劇場なんて出来上がっていて、俺はそれには全く絡んでないので、ロビンさん辺りが考えてくれたのだろうと思う。


そして歩いて劇場に着き、俺は2人分のチケットを買い1枚をリリに渡した。


「ありがと」


「どういたしまして」

ありがとっていうリリも可愛いな!と思いながら俺は冷静さを装いながら指定された席に着く。


リリと隣通しだったので、手を繋ぎながら見ていたが、内容が全く頭に入ってこずに、リリと手を繋いでる緊張でどうにかなってしまいそうだった。


そのまま劇場は終わり、俺達は席を立ちそのまま受付にチケットを返し、そのまま昼ごはんを食べることにした。


「リリはお腹空いてる?」


「あんまりかな、セイヤは?」


「俺もあんまり空いてないな」

話し合った結果お互いそんなにお腹が空いてないので、甘味のみを食べることにした。


俺的にはマジックボックスに入っているクレープを差し出してもいいのだが、それでは面白くないと思い、一緒に歩いて甘味を探す。


数十分は歩いただろうか、アイスクリーム屋があったので、そこで食べていくことにした。


「へいらっしゃい!」


「アイスクリーム2つください」


「大銅貨2枚です」

俺はお金を払い、そのままアイスが出されるのを待った。

アイスは小さいカップに入ってて、俺とリリはそれを持ちながら広場にある噴水の前にきて食べていた。


「甘くて美味しいね」

そう言いながらリリは食べている。

俺的にも甘くて程よい感じになってるので、この店は儲かるなと考えていた。


食べ終わり、カップを先程行ったアイスクリーム屋のゴミ捨て場に捨てに行った。

ごみ捨て場から探査魔法の反応があったから覗いて見たらスライムがいた。

なるほどスライムにゴミを食べさせているわけかと1人納得して、俺はその場を後にした。


そしてリリと2人で手を繋ぎながら色んな場所を見て歩いていると時間が夕方になってしまった。

好きな人と一緒にいるとこんなにも時間が早く過ぎるのかと思いながら俺達は魔王城に帰ることにした。


魔王城に帰宅し、夕食を取るために食堂に行き、俺達はそこで手を離した。

さすがに食堂には人がいるのでイチャイチャは出来ないと思いながら食堂に入る。


既にみんな揃っていたようで、俺達はいつも通り食事をして、いつも通り食後に部屋に戻った。


俺はリリと出かけたという事実を思い出し、部屋でゴロゴロする。そしてそのまま睡魔が押し寄せてきて、寝ることにした。

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