勇者(ニート)の一日
俺は今日魔道具のある場所に来ていた。
「カカカッセイヤ殿これが今月の売り上げですぞ」
そうロビンさんに言われ俺は金貨50枚を受け取っていた。
「ありがとうございます、売れ行きはどうですか?」
「ある程度の貴族には売れましたな」
そう言って、ここからはラジコンの魔石代のみになると言われ俺はまた新しいものを考えなければいけなくなったような気がした。
まぁ、咄嗟に出てくるものでもないし、お金も使うことがないのでそれはそれでいいのだが。
「一般用に今後は売っていく方針ですか?」
「そうですな、今後は一般でも買えるような物にしていきますな」
これで、一般向けに販売されることが決まったので、子供たちに娯楽が提供されて良かったと思った。
「そう言えばセイヤ殿、商業ギルドにはいきましたかな?」
「あっ、まだ行ってないですね」
そう言われて俺は魔王都に帰ってきてから商業ギルドに顔を出していないことに気付いた。
「ありがとうございます、行ってみることにします」
「カカカッ気をつけての」
そうロビンさんとのやり取りも終わり、俺は商業ギルドを目指していた。
数分歩いてたどり着いた商業ギルドは、屋敷のようにでかく、色々な物を取り扱っている場所でもある。
俺は深呼吸をして商業ギルドに入っていく。
「こんにちは」
俺はそう言うと、ギルド長の所に案内された。
「あら、セイヤさん、こんにちは」
「こんにちはギルド長さん」
そう挨拶のやり取りをして、俺はなにか用事があったのかを聞いた。
「セイヤさんの発案した商品が売れ行きもよく、市場に出回っているくらいなんですよ」
「そんなにですか」
俺はへーと思いながら、ギルド長が出した麻袋を受け取った。
「金貨50枚程になりますね」
「特許だけでこんなにもするんですね」
「えぇ、セイヤさんの案の物は売り上げの5割を頂いています」
「そんなに取って大丈夫なんですか?」
「えぇ、それでも店は黒字ですから大丈夫ですよ」
そう言われても俺は商業に携わった事がないからそれでやれているのは不思議である。
「では、俺はこれで失礼します」
そう俺が言うと。
「はい、お忙しい所ありがとうございました」
丁寧に返してくれた。
商業ギルドも行き、俺は行くべき場所が無くなったので、冒険者ギルドに顔を見せに行くことにした。
「こんにちはメルルさん」
最近知った受付嬢の名前を言い、俺は仕事を斡旋してもらうことにした。
「はい、こんにちはセイヤさん、セイヤさんさえ良ければなんですが、Aランク以外の仕事をしませんか?」
「暇なので大丈夫ですよ」
実際に暇だったので、俺は低ランクの依頼を受けることにした。
「この3つのうちどれがいいですか?」
そう言われて見せられたのが、仕込みの仕事、積み荷を運ぶ仕事、別の街まで手紙を届ける仕事の3つだ。
俺は日本で仕込みの仕事を少ししたことがあるので、仕込みの仕事を選んだ。
「仕込みの仕事でお願いします」
「はい、かしこまりました、それでは森の精レストランでの仕込みの仕事をお願いします、地図はこちらになります」
そう言われて俺は地図を貰い、冒険者ギルドを後にした。
ここから徒歩で15分くらいの場所にあり、俺は身体強化で走って行った。
数分で着き、俺はギルドから来たものですと良い、厨房に通された。
「ギルドからのものかい、それじゃこの芋の皮むきを頼むよ」
そう言われて出された芋の数は20kgはありそうな程多くこれを皮むきするのかとちょっと面倒になった。
だが、俺はやることにした。
普通にナイフを使って皮むきをしてもいいが、ここは魔法で何とか片付けようと思い、芋を1個手に持って皮が剥けるイメージをする。
するとペラッと皮が剥けて、剥けた芋を別の籠に移す。
それを俺は無心でずっと続けていた。
何時間経っただろうか、いや正確には数十分くらいで芋の皮むきを終えた。
「すいません、皮むき終わったんですけど」
「まじか!早いね!」
そう言われて確認されたら文句なしの合格であった。
「普通なら数時間かけて終わるんだけどねぇ、まぁこんなにも早く終わったならしてもらうこともないし、ハンコ押すからギルドに持って行って」
そう言われ俺は完了のハンコを貰いギルドに帰ることになった。
「こんにちはメルルさん」
「あらセイヤさん早かったですね」
「えぇ、魔法ですぐでした」
そう言いながら俺は完了のハンコがついた物をもらう。
「はい、確認出来ました、それでは報酬の大銅貨8枚ですね」
これで大銅貨8枚か、と自分の金銭感覚がおかしくなったのを感じ始めた。
「他の依頼も受けていきますか?」
「いえ、今日はやめときます」
そして俺は魔王城に帰っていった。
俺は魔王城の庭に来て、日向ぼっこをしていた。
角うさぎのセラを召喚して、セラを撫でながら俺は一眠りつくことにした。
やることが無いってのも暇だなぁと思いながら。




