ニートに逆戻り?
Aランク冒険者というひとつの目標を終えてしまった俺は暇を持て余していた。
「はぁーなにかないかなぁ」
そう呟くと目の前がグルグルとしだした。
そして着いた先はアルテナさんの所だ。
「暇そうだったので呼んじゃいました!」
「まぁ確かに暇でしたし全然いいですよ」
そう言って俺は目の前にある椅子に座った。
「お茶にしましょう」
アルテナさんがそう言ったので俺は出されたジュースを飲み、お菓子に手を伸ばした。
「今日のお菓子はマフィンですか、美味しそうですね」
「えぇ、最近行きつけの所に売ってたので買っちゃいました」
「ん?行きつけ?それってアルテナさんが下界に降りてるってことですか?」
「いえ、私日本に行ったり来たりしてるんです」
なんと驚愕である。
アルテナさんが日本に行っていることもそうだし、創造神は世界観で移動もできるのかといった感じでの驚きである。
「なんで日本なんです?」
「セイヤの故郷だからね!そりゃ日本にも通いたくなっちゃうよ」
そんなことを言いながら俺達はお茶を楽しむ。
俺が飲んだのは炭酸が効いたグレープ味のジュースだ。
炭酸なんて久しぶりに飲んだなと思いながら俺はジュースを飲んでいった。
マフィンはキャラメルの生地にチョコを入れた感じのマフィンで、俺は1口食べる。
美味しい!キャラメルの甘しょっぱさと、チョコの甘みが効いてて凄く美味しかった。
俺はレシピがあれば再現したいなと思ったが、レシピは秘蔵だそうだ。
そして俺はお菓子を食べ、ジュースを飲みながらアルテナさんと雑談をする。
「セイヤは強くなったねぇ」
「はい、一応自分の身は自分で守れるくらいには強くなりました」
「そうだねぇ、あとは武器を身につけて戦うのもありだと思うよ」
「武器ですか、あまり馴染みの無いものを扱える気がしないんですけど」
「剣道は授業でしてたでしょ?剣なら多少扱えるんじゃないかな?」
俺はそう言われ、確かに剣なら多少扱える気がしたので、これからは剣の練習でもすることにしようと考えた。
「セイヤはやることが決まったね!じゃぁ元の場所に戻すね!」
そうアルテナさんが言い、俺は目の前がグルグルしだし、元のいたベッドの上に横になっていた。
「よし!」
そう気合いを入れて、俺はまず武器を買いに行くことにした。
武器屋は何度か見たことはある。
冒険者ギルドの隣にあるのが武器屋で、俺は魔法を主軸として戦っていたので武器屋に入るのは初めてだ。
俺は少しワクワクしながら武器屋に向かう。
武器屋に入ると俺は武器を吟味した。
剣かぁ、どういうのがいいんだろうと悩んでいると。
「へい、らっしゃい武器をお探しで?」
そう声をかけられたので俺は、はいと答えた。
「あんちゃんくらいの背だとこの武器がおすすめかな」
そう言われて渡されたのは短めな剣だった。
普通に持ってみるとやはり武器なだけあって重さを感じる。
しかし身体強化をしながらなら振り回すのも容易なくらいに感じたので、俺はこれを購入することにした。
「じゃあこれ買います」
「あいよ、銀貨5枚ね」
5万円の出費である。
だが俺はスっと麻袋から銀貨5枚を出して店を後にした。
武器だけでヘタすると冒険者ギルドの依頼の金額を超えてしまわないか心配である。
魔法を主軸で戦っていた俺にはその辺の消耗品が少ないので、安定した収入を確保出来ていたんだなと思った。
俺は剣の腕試しをしたいと思い、冒険者ギルドに行くことにした。
冒険者ギルドは今日も賑わっているが、俺が入った瞬間シーンとしだした。
みんなが俺を見て、ドラゴンスレイヤーだ、Aランク冒険者だとみんな話している。
俺が歩くとモーゼの十戒のように受付嬢までの道が開かれた。いやいやそんなことされちゃちょっと天狗になってしまうでは無いかと考えながら俺は受付嬢の前に来た。
「おはようございます」
「おはようございますセイヤさん、本日の依頼はなににいたしましょう」
「受付嬢さんにお任せします」
俺はそう応えて、おすすめされたのがオークの集落を破壊することだった。
「最近できた集落らしく、まだ大規模になってないうちに叩いてほしいとの事です」
俺はそれに了承して、ギルドカードを出して依頼を受注した。
俺は探索魔法を使いながら森に入っていくと複数の反応があったのでそこに向かっていく。
そこにはオークが大量に居た。
探索魔法で反応を見る限り100は軽く超えているだろう。
そう思いながら俺は剣を手にして身体強化をかけ、飛び出した。
一体のオークに対して俺は剣を振るう。
狙う場所は首だ。オークはこちらに気づいた時には既に遅く、首を刎ねられた。
俺は剣を振るって首を切った時の感覚がちょっと気持ち悪いので、剣で戦うのは辞めて、魔法を主軸に戦うことにした。
だがオークは食べられるので、できるだけ血抜きをしたいので、首を刎ねるしかない、そうなるとやはり指の先に糸を出してその先に氷で出来た剣を取り付ける。
俺は10本の剣を自在に操り、オークを討伐していく。
数分経った頃だろうか、一際大きな魔力が奥から動き出した。
「このオークたちをまとめていた親玉ってとこかな?」
俺はそう独り言を呟くと親玉は俺に向かって攻撃を仕掛けてきた。
「ブモオオオオオ!!!」
オークだからだろうか、豚のような鳴き声をして俺に攻撃してきた。
俺は軽々と避けて、首を刎ねる。
あっさり終わってしまった。
俺は探索魔法を使ってもう居ないのを確認した後マジックボックスを使いオークを回収していく。
そして冒険者ギルドに帰ってきた俺はまだ昼頃なので、俺は受付嬢に声をかけた。
「終わりましたよ」
「さすが早いですね!」
そう言われ俺と受付嬢は解体場に行く。
「解体かい?」
「はい、解体お願いします」
そう言いながら総数約100体のオークを出していく。
「はぁーこりゃまた大きな数だな」
「そう言われても…」
「そうだな、悪い全部買い取りでいいのかい?」
「えぇ、買い取りで」
そして値段は金額5枚に落ち着き、俺と受付嬢は戻って行った。
「買い取り金額で金貨5枚と、依頼料で金貨1枚です」
そう言われて俺は金貨6枚受け取り麻袋に入れ、冒険者ギルドを後にした。
今日やることはおしまい!と思い、俺は魔王城に帰って小説を読むことにした。
後に俺は首狩りのドラゴンスレイヤーと呼ばれるとはこの時の俺は想像にもしていなかった。




