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ダンジョン調査

ちょっと長くなっちゃいました。

魔王都に帰ってきてから俺は少し苦悩していた。


学園に通うという目標があったが、今は長期休暇ですることがない俺は暇を持て余していた。


「うーん暇だ」

そう呟くが何も変化はない。

何もすることが無いとはこんなにも暇なのかと思った。


俺は暇つぶしのついでに冒険者ギルドに行くことにした。


朝は混雑していたので、昼に行くことにした。

俺はその間小腹が空いたので串焼きの所に行くことにした。


「おう、あんちゃん久しぶりだな」


「久しぶりおっちゃん」


そう挨拶を交わして俺は串焼きを2本買うことにした。

その場で串焼きを食べて、そう言えば今まで食べてたお肉はなんだったんだろうという疑問に思ったので聞いてみることにした。


「おっちゃん、この肉ってなんの肉なの?」


「ん?この肉はオークの肉だ」

オークと言えば豚の魔物で、体調は2〜3mほどあるデカい魔物だったはすだ。確かDランクの依頼にもいたはず。

今更だが魔物を食べていたなんて驚きである。


串焼きも食べ終わり、俺は久しぶりに孤児院に顔を出すことにした。


孤児院まで徒歩で行き、俺は久々にみんなとあった。


「あっ!お兄さん!」

最初に俺を見つけてくれたのはアイリスちゃんだった。

俺は門から中に入り、孤児院の裏にある木のところまで来た。


「おはようございます、シスターさん」


「おはようございます、セイヤさん」

そう挨拶をして、俺はみんながメープルシロップを作っている所を観察していた。


「セイヤさんのおかげで孤児院も潤ってきて、みんな幸せだそうです、ありがとうございます」

そうシスターに言われて俺は、いえいえと返事した。


みんなの事をよく見るとやせ細った子はもう居なくて、みんな肉がちゃんとつき始めていた。


メープルシロップの方を見ると大きな特注で作ってもらった鍋に、樹液を入れて薪に火を入れて煮詰めている。


なんと薪に火をつけたのはこの前魔法を教えたマルシェラちゃんだった。

自分のイメージで火を付けることが出来たようで、俺は師として嬉しさを感じた。

そんなことを考えているとマルシェラちゃんから話しかけられた。


「お兄さん、魔法を見てくれませんか?」


「いいよ」

そう言い庭に行ってマルシェラちゃんの魔法を見ることにした。


最初は火の魔法を見せてもらい、まだ小さな火だが薪に火を付けるには十分な大きさの火だった。


次に見せてもらったのは水の魔法だった。

水はみんなが飲むもので、マルシェラちゃんがみんなのために水魔法をイメージして作ってくれたことに感動した。


俺はマルシェラちゃんの頭を撫で、頑張ったねと言いながら撫でた。

そしたら恥ずかしそうにはしていたが満更でも無い様子だった。マルシェラちゃんくらいの子になると甘えても居られない年齢だからこそなのだろう。


「お兄さんの魔法も見せて!」


そう言われたが俺は困った。

俺の使う魔法は基本的に魔物を相手にして使う魔法だ。

それを見せて真似され、子供たちに怪我でもさせてしまったらと考え、俺はあることを閃いた。


即席だができるだろうと思い、俺は水を出して形を変える。

魚や動物、それに戦ってきた魔物を再現して見せた。

これで大丈夫かな?と思いながらマルシェラちゃんを見ると目をキラキラ輝かせながら見ていた。


メープルシロップを煮詰め終わった子達が帰ってきて、俺の魔法を見て凄い!や綺麗…とみんな見ていた。


俺は魔法を解除すると、みんなあっ…と残念そうな声を出したのはそれだけ綺麗と思ってくれてた感想だろうと解釈することにした。


俺はその後少しだけみんなと遊びながら昼には冒険者ギルドに行くことにした。


冒険者ギルドに着いて、俺は依頼を受けることにする。


「こんにちは」


「はい、こんにちは」

受付嬢と挨拶をしながら俺はギルドカードを出してCランクの依頼が無いか聞く。


「こちらの依頼がオススメです」

そう紹介されたのはダンジョンの調査だった。

ダンジョンとはなんぞやと思っている人もいるだろう。

ダンジョンとは迷路みたいな道に各エリアがあり、階層が何階層かある場所のことである。


「この依頼実は最近新しく出来たダンジョンを調査してもらうというやつなんですけど、合同でやってもらうんですけど大丈夫でしようか?」

合同かと思いながらも俺は暇なので大丈夫ですよ、と返した。


「ありがとうございます!では明日の朝からなので、その間に準備などをお願いします」


俺はそう言われ準備をすることにした。


ダンジョン探索に必要なものはなんだろうと考えながら、ゲームでした知識を使う。

明かりは必要だと思ったが、魔法で明るい魔法を出せば解決するだろうと考え明かりは必要なくなった。


次に必要な物はなんだろうと考え、食料だと思った。

俺はお持ち帰り可能な店に行き、大量の食料を買ってマジックボックスに詰め込んだ。食料だけでも30万程は使っただろうと考えながら、次はなにが必要なものだろうかと考えた。


水は魔法でなんとかなるし、食料も持った、後は傷を癒す物だろうと思い俺は薬草屋のルシアさんの所に行くことにした。


数分歩いて到着し、俺は店内に入る。


「いらっしゃいませ、あっ久しぶり!」


「お久しぶりですルシアさん」

そう挨拶をして俺はふと思った品種改良した米について聞くことにした。


「そういえば米ってどうなったんですか?」


「そうね〜新しい主食として今は大繁盛らしいわよ、セイヤも時間があったら商業ギルドに顔見せてあげたら?」


「俺あの人苦手なんですよね、グイグイ来るタイプって感じで」


「まぁ確かにグイグイ来るタイプではあるけど、商売人としては成功するタイプよ」

まぁあの性格なら商売も上手だろうと思いながら俺はダンジョンに必要な物をルシアさんに見繕ってもらうことにした。


「あら、あなたもダンジョンの調査に行くのね」


「はい、そうなりました」

俺は金額は気にせずにルシアさんに見繕ってもらった物を全て買うことにした。


「やっぱりあなた羽振りが良すぎるわ」


「まぁケチってもしょうがないですし」

そう言い合計で大金貨3枚つまり3000万分は購入した。


他に必要な物は無いかなと考えて、必要なものはないなとなり、俺は魔王城に帰ることにした。


魔王城に戻り、俺は夕食までの間に暗いであろうダンジョンに光を灯すために光の魔法を練習することにした。


カーテンを閉めて部屋を暗くして俺は明るくなるイメージをした。

ピカッと光り俺は目をやられた。


「うわああああああ目があぁぁぁぁ」

そう言いながらゴロゴロしているとドアがガチャりと開き、誰かがやってきた。

俺は目をやられてて何も見えなかったが、反応で分かった。


「セイヤ大丈夫?」

リリがそう心配してくれたが俺は目が見えてない状態なのでそう伝えた。


すると頭を膝?の上に置かれて目に手を当てられた。

そして暖かい感覚が目を覆った。


そして見えるようになった目から見えたのはリリの大きな胸だった。


「セイヤ大丈夫?治したけどどこかへん?」


「いや、ありがとう、助かったよ」

そう言い胸を見ていたことはバレてないだろうと思いながら俺は起き上がった。


「あれ?なんか物がいつもよりハッキリ見える気がする」

今かけられたのは治癒の魔法だろうかと思いながら俺は視力が少し回復していた。


「真っ暗なところでやらないこと、いい?」

リリにそう説教されて俺は、はい、と答えて真っ暗なところではやらないと誓った。


カーテンを開けて俺は明るくなった部屋で光の魔法の練習と、先程かけてもらった治癒の魔法の練習をする。


光の魔法は後は光量を調整するだけなので、俺は先程かけてもらった治癒魔法を優先することにした。


治癒ってことは傷をつけなきゃいけないと思い、俺は指をスパッと切りそれが治るイメージをした。

治るのは細胞がどうのこうのとかって考えが災いして、傷跡が残ってしまった。


俺はその傷跡を見ながら治すというよりも元通りにするイメージで魔法を使った。

すると傷跡が完全に無くなり、痛みも違和感もない。

よし、成功だ!と思ったが、これなら薬草屋に行ってポーションを買う意味なかったのでは?と考えてしまったが、まぁその辺はいっかと気楽に考える。


そして日付は変わりダンジョン調査の日になった。


朝早くから俺は冒険者ギルドに行き、ダンジョン調査組に並ぶことにした。


ざっと見たところダンジョンの調査をする人数は30人ほどだろう。


時間になったのかギルドマスターがやってくる。


「よぉしお前ら全員集まったな、今日調査するダンジョンは近くに出来たばかりのダンジョンだ、出来たばかりのダンジョンだが気を抜くなよ!特にBランクの紅蓮!」


Bランクの人まで駆り出されるなんて大規模な調査なんだなと思いつつ、俺達30名はそのダンジョンに向かうのだった。


ホントに近くにあったみたいで、森の中を30分ほど歩いただけでそこだけ森が切り抜かれたような所に洞窟が出来ていた。


「今回ダンジョン初のやつもいるだろうから説明するが、ダンジョンは急にできるものだ、こうやって一部分だけ切り抜かれたような所にダンジョンってのはできる、もしクエスト中に切り抜かれたようなところがあったらダンジョンに入らずにギルドに報告してくれ」

そうギルドマスターが言って俺達はダンジョンに入ることにした。


やはりダンジョンの中は暗く、先の見えないものになっていた。


「よし、全員松明をつけろ」


「あの、すみません」


「どうした?松明を持ってこなかったのか?」

俺が口を出したら忘れたのかと言われたがそうではなく、灯りの魔法をすることを言った。


「よし、じゃぁやってみろ」

そう言われたので、俺は灯りの魔法を使った。


するとかなり先まで見えるようになったのでこれでいいやと思ったら。


「お前すげぇな」

そう褒められてしまった。


「これだけ明るければ調査もしやすいだろう」


そして俺達は調査にはいることにした。


斥候が進んだ道を俺達も進む。

一階層は特に何かあるわけでもなく、そのまま二階層に進むことになった。


斥候を前にして進んでいくと、宝箱があった。

斥候は石を宝箱にぶつけて確認する。

宝箱からは何も反応がなく、石はコロコロと転がって行った。


「普通の宝箱みたいだな、よし開けよう」

今のはミミックかの確認でやったのかと俺は今になって気づいた。


「ポーションかシケてるな」

紅蓮のメンバーの人はそう言いポーションをギルドマスターに渡した。

大規模な調査では、見つけたものや魔物はギルドマスターに渡してみんなで分けるみたいだ。

もちろん貢献度によって割合も変わってくるみたいだ。


そのまま進んでいくとゴブリンが現れた、斥候はゴブリンに投げナイフを使い絶命させる。

かっこいい…と思いながら見ているとそのまま三体のゴブリンを絶命させた。


その後は魔物にちょくちょくあっては倒しが続き、そのまま三層に向かうことになった。


三層はこれまでといった事と特に変わりなく、出てくる魔物がオークに変わっただけだった。

Bランクの紅蓮は何かあった時のために登場してもらうらしく、オークとの戦いは俺たちがするとこになった。


俺は氷の剣を出して魔力出来た糸に繋げて倒していく。

食べれる魔物だからなるべく首を刎ねるようにして倒していく。


「すげぇな…」

そう紅蓮のメンバーから言われたので、俺はそのまま剣を維持して歩いていく。勇者チートは伊達ではないのですよ。


そうして三層のマップも完成させ、四層に向かう前に昼ご飯に入ることになった。


ギルドマスターがなにか変な石を置いている。

4つ目の石を置いたらドーム状の結界が貼られた。


「この中なら魔物も入ってこない、休憩はこの中でするぞ」


そう言い俺達は結界の中に入っていった。

俺はマジックボックスから出来たてのご飯を取り出し食べていく。するとみんなが羨ましそうに見てきたので。


「食べますか?」

と聞くと、マジで?やったーと色んな声が飛び交う。

俺はマジックボックスから全ての食料を出してみんなに振舞う。

ちゃっかりギルドマスターも入っていた。




その後ご飯も食べ終わり、俺達は次の階層へ向かいだした。


四層ではなにが出てくるだろうと思いながら俺達は進んで行った。


道中の罠などは斥候が解除しているので、俺達は安心して進める。

そんな中俺達は進んでいくと、一際広い部屋についた。


そこで待っていたのはワイバーンだった。


「ここは俺達の出番だな」

そう紅蓮のメンバーは言って歩き出した。


「ギャアアアアア!!!」

ワイバーンの威圧にさえ怯まない紅蓮は攻撃を開始した。


魔法使いの人が魔法を放ちワイバーンの羽を狙う、しかしワイバーンもそんなのには当たらないように動いているが、逃げた先で爆発した。


逃げる場所に爆発の魔法を込めたのか!と感心していると、落ちてきたワイバーンにリーダーらしき人が剣を持って首を狙う。


「うぉぉぉぉぉぉ!」

そう掛け声をしてワイバーンの首を刎ねる。

凄い!俺は素直にそう思った。魔法の技量もそうだが、リーダーの一瞬で首を刎ねる攻撃も素晴らしかった。


死んだワイバーンをギルドマスターが回収して次へ進むことになった。


あれがBランクの強さかと思いながらも、俺は元Aランクに1度勝っている、俺の本気はどこまで届くのだろうとワクワクしていた。


五層に到着し、そこで待っていたのは大きなドラゴンだった。

これはまずいとギルドマスターが判断をし、撤退をしようとしたが、扉は閉ざされて開かない。


「みんな!各自で自分を守れ!」

そうギルドマスターは言い、紅蓮とギルドマスターが攻撃を仕掛けていく。


紅蓮のメンバーの魔法使いは爆発の魔法を使い、ドラゴンの攻撃は盾持ちの人が防ぐが、その盾持ちの人ごと吹き飛ばした。

リーダーの剣でさえもドラゴンの鱗に傷を付けるだけでドラゴンはリーダーに攻撃をし吹き飛ばしていった。

ギルドマスターの全力のパンチですら鱗1枚をヒビを入れる程度でしか無かった。

その攻撃が鬱陶しかったのかドラゴンはギルドマスターを吹き飛ばす。


俺以外のみんなはドラゴンに出会ったと言うだけで腰が抜けてしまっている。


ここは俺が行くかと思い俺は全力の身体強化を施しながら魔力も解放して歩いていった。


魔力を解放したことによってドラゴンもこちらに気づいた。

だがドラゴンからしたらただの羽虫だろうと思っているのか大きな手で俺を潰しにかかった。

俺はその手を受け止め、ドラゴンを一本背負いした。


ドラゴンも困惑しただろう、みんなも困惑している。


地面に叩きつけられたドラゴンは怒り狂い俺を狙ってきた。

大きな顔を近付けて鋭い牙で俺を切り裂こうとしてきたので、俺は顎に思いっきり蹴りを放った。


「ギャアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」

そんな雄叫びを上げながらドラゴンの腹が剥き出しになる。

そこに向かって俺は大きな氷の槍を放った。


しかしさすがはドラゴンと言ったとこだろう、見事に急所を外した。


これは長期戦になるかと思ったが、俺はやりたいことを閃いてしまった。

ドラゴンと同じくらいの大きさのゴーレムを作り出し、大怪獣バトルをしようと思った。


ゴーレムを作り出しゴーレムとドラゴンはお互いに殴り合いに発展した。


見ているみんなは生きた心地がしなかっただろうと思い、申し訳ない気持ちだったが、やりたかったので仕方ないだろう。


勝敗はドラゴンだったが、俺はその間に巨大な剣を作り出していた。

その剣を無防備なドラゴンの首にぶつける、だが切れないので俺は高速振動させドラゴンの首を刎ねる。


バタリとドラゴンが倒れたので、俺は魔力を抑え身体強化も解除した。


そして怪我をしたみんなにポーションを使い治した。


ドラゴン1匹にかなり手こずったが、俺はドラゴンすら倒せるくらいの実力が身についたことに喜びを感じていた。


ドラゴンの出現で、今日は帰還して次には実力者を連れて調査する方針になったので、俺達はダンジョンから帰ることにした。


さて、ダンジョンから帰還した俺達は冒険者ギルドに行き、今回の査定をする。


ドラゴン一体を俺一人で受け取るわけだからかなりの額になるだろうと予想し、その予想は的中することになった。


「ドラゴン一体で大金貨300枚になります」

3億円だ、まるで宝くじだなと思いながら俺は300枚の大金貨を受け取った。


「それとセイヤさんはドラゴンの討伐をなされたのでAランクに上がります」

なんとドラゴンを倒しただけでAランクになってしまった。

正直Aランクを目指していた訳ではないが、ひとつの目標が潰れてしまったことに対する喪失感があった。


その日は解散となり、今後あのダンジョンは高ランクのみ出入り可能になった。


俺は解散になったので、やることも無いので魔王城に帰ることにした。

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