冒険者ギルドに行こう
今日は休日なので、みんなと約束していた冒険者ギルドに行くことになった。
行く時間帯は早朝の鐘がなる時間に決まった。
この王都では時計を持っているのは上位層の人間だけであり、大抵の人は鐘の音を頼りに動いている。
朝の8時、12時夕方の16時、夜の20時に鐘がなるみたいだ。
日付の感覚も日本と変わらず1週間は7日であり、4週間で1ヶ月という感じだ。
そんな俺は朝早くからミレニア達を待っていた。
日本人の癖なのか10分前行動をしてしまう。
ゴーンと鐘がなる、大抵はこの時間から準備を初めるか、この時間から移動を始めるかだ。
「セイヤ!おはよう!」
そうソルトから声をかけられた。
「おう、おはよう早いな」
「楽しみだったからな」
へへっと言いながら鼻をかいている。
その後俺とソルトは雑談をしながら待つとミレニアとソニアがやってきた。
「おはようセイヤとソルト」
「おはよう」
最初に挨拶したのがミレニアで、その後に挨拶したのがソニアだった。
俺たちはおはようと挨拶を返し、冒険者ギルドに向かうことにした。
冒険者ギルドに向かう途中で俺たちは雑談をしながら向かう。そうしているとあっという間にギルドに着いた。
「うわ〜すごい人の数ね」
そうミレニアが言ってみんなも同じような反応を示していた。
「今日は登録と簡単なクエストを受けるだけだから人が少なくなるまでご飯でも食べてようか」
俺がそう提案したら、みんな賛成してくれたようだ。
俺たちは朝ごはんをたべることにした。
ミレニアはパンとスープで、俺とソルトとソニアは肉をたべることにした。
「ソニアは朝からガッツリいくタイプなんだな」
「うん、肉美味しい」
そうソニアが返答してくれたが、ちょっとデリカシーがなかっただろうか。そんなことを思ったが、まぁ気にしないことにした。
そしてご飯も食べ終わり、人が捌けてきたので俺を除いた3人は並ぶことにした。
冒険者になるには紙に名前と使える魔法を書けばおっけーだ。そして冒険者カードに血を垂らしてカードを識別させることができるみたいだ。
この辺は日本でもあった技術なのでそこまで驚きはしなかったが、血を垂らすということは指を切らないといけない。
あれは地味にキツかった、ピリッとした痛みが来るからな、などと考えているとみんなの登録が済んだみたいだ。
「おつかれさん、無事登録出来たんだな」
「えぇ、それで次は何を受けようか迷ってるとこなの」
始まりはFランクからだから基本は雑用になるが、Dランクの俺がパーティーとして入ると1番高いランクの一個下までが受けられる制度がある。
今回はそれを活用しようと思う。
俺は受付に行きパーティー登録をした。
「パーティーの登録ですね、皆さんのギルドカードを提示お願いします」
そう言われみんなのカードを提示する。
「登録完了しました、Fランクの皆さんはEランクまで受けられますよ」
そう言われ俺らはEランクのゴブリン討伐を受けることにした。
ゴブリンは基本的に集団で群れているので、1匹見つけたら複数匹いるものだ。
俺たちはまず森に向かうことにした。
今日は休日なのでそんなに急がずに2時間歩いて森を目指していく。その間も俺は探査魔法を忘れずにしている。
森を目指して歩いていると探査魔法に引っかかる反応があった。俺はどこに魔物が居るかは言わずにみんなに注意だけさせるようにいう。
「ギャーギャー」
注意しながら歩いていたので、ゴブリンの奇襲は防げた。
そこから俺は見ていると、ソルトは剣を使いソニアは槍を使っている。ミレニアは珍しいレイピアを使っているようだ。
俺はそれを観察しながら仁王立ちしている。
ソルトは身体強化をかけた状態で剣を振り下ろすだけでゴブリンを、倒していた。
ソニアは槍の扱いが上手くゴブリンの攻撃をいなして喉元を突いている。
ミレニアはレイピアに魔力を纏って連続で突きを放っている。武器に魔力を纏わせるの、かっこいいなと思いながら俺たちはゴブリン討伐の証の右耳を採取した。
みんな各自自分の持ってる麻袋に入れていた。
この調子ならもっといけるなと思い探査魔法でたくさん反応があった場所に向かうことにした。
そこはゴブリンの集落になっていて、一際大きな魔力の反応があるやつが居る。
恐らくリーダー格だろう、そのリーダーが数だけで言えば50~100体程の強さを持っている。
俺はそこに向かいみんなにはゴブリンを任せてリーダー格の所に乗り込んだ。
「俺はリーダー格をやる、みんなは普通のゴブリンを相手にしててくれ」
みんな、コクリと首を下げて反応した。
集落にいるゴブリンの数だけでも100体は居る、俺はまずは風魔法でリーダー格のいる所までのゴブリンをなぎ倒した。
そして身体強化を発動しながら蹴りを放つ、リーダー格は吹っ飛んで行ったが、まだ生きていたようだ。
さすがリーダー格だと、思いながら俺は森に影響を及ばせない為に水の玉を、使いリーダー格を窒息死させることにした。
窒息死したゴブリンリーダーのお腹を切り裂いて手を突っ込んで魔石を取り出す。うぇっと思いながら俺は水魔法で手を綺麗にした。
みんなはどうかなと思い俺はみんなのとこに戻ることにした。
みんなの周りにはゴブリンの死体が積み重なっており、今はみんな剥ぎ取りの最中だった。
「みんなまだいけるならまだやるけど、どうする?」
「いけるわ」
そうミレニアが言って、他のふたりも了承した。
剥ぎ取りが終わり、死体はそのままにしておく、そうすれば魔物が食べてくれるからだ。
そして次の場所に向かおうと思った時に、慣れた反応がした。マンドラゴラの反応だ。
俺はそこに行きみんなに耳を塞ぐように言う。
「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァ」
そんな声が森の中に響きわたる。
そしてその声に反応を示した魔物たちが続々と俺たちを囲んでくる。
今回はゴブリンの比では無いようで、狼の魔物や、イノシシの魔物、5mはありそうな蛇の魔物もいた。
「俺は補助だけするからみんな頑張ってな」
そう言い周りを見渡しながら危険なところにはシールドを貼り、ピンチの時にはシールドを貼り、一切攻撃をしなかった。
みんなが頑張ってくれたので時間はかかったがみんなの鍛錬にもなっただろうと思い俺はおつかれ!と言った。
「おつかれ!じゃないよ、攻撃に参加してくれても良かったのに」
「それじゃぁ鍛錬にならないだろ?」
俺はそういいみんなが倒した魔物をマジックボックスにしまっていく。
「セイヤはマジックボックスも持ってるのね、凄いわ」
「まぁ貰い物だけどね」
そう言いながら回収していく。
みんな疲れた様子で今日はお開きかなと思いながら冒険者ギルドに帰ることにした。
道中は奇襲される前に俺が探査魔法で魔物を倒し、回収する作業をしていた。
冒険者ギルドに到着して、みんな疲れた様子だったので、みんなには休んでてもらい、俺はカウンターに向かう。
「依頼達成しました」
「カードを確認させてください」
そう言われたので提示した。
「確認終わりました」
「あと魔物の買い取りもお願いします」
そう言って大量のゴブリンの耳とデカいイノシシとデカい蛇を出した。
「え?…あ、いえ失礼しました、それではこちらを換金させていただきます」
リーダー格の魔石はなにかに使えそうなので取っておく。
そう言われ15分ほど待ったあと名前を呼ばれそちらに向かった。
「ゴブリンの耳が100個と、ワイルドボア3頭、イビルヴァイパーが1匹で合計金貨3枚になります」
「ありがとう」
そう言って金貨3枚もらい離れようとしたら。
「セイヤさんはCランクに上げる事が出来ますがどうしますか?」
「Cランクに上がるのになにかしなきゃいけないとかあります?」
「一応対人が出来ないといけないので教官と戦ってもらってそこで決める感じになります」
「分かりました、いつ頃空いてますか?」
「今からでもいけます、どうしますか?」
「じゃあ今からやろうかな」
そう言うと周りから歓声が聞こえた、どっちに賭けるかなんてのもやっている。
みんながギルドの裏にある訓練所に行き俺とミレニア達は後から訓練所に行った。その道中で今回の報酬の金貨を1枚ずつ渡す。
「これが今回の報酬ね」
「マジか!冒険者ってこんなに貰えるのか」
ソルトが興奮しているが、あんなに魔物を狩らないといけないのでなかなか厳しいだろう。
そして俺は訓練所にやってきた。
周りからは野次が飛んでくる。
ヒュヒュー頑張れよーなどと、賭け事もやってるみたいで、俺はみんなに俺に賭けるように俺の金で頼んだ。
倍率的には俺の方が20倍を超えるというレベルだ、それだけ、今回の教官が強いのだろう。
どこかから声がした。
「まぁ元Aランク冒険者に勝てるわけないだろ」
ほぅ今回の教官は元Aランクなのかと思いながら。
俺は教官によろしくお願いしますといった。
「礼儀正しいがそれでは冒険者はやってけんぞ」
そう言われたが俺は気にしないことにした。
「ルールはどちらかが降参するか、戦闘不能と判断した場合に勝敗が決まります、それでははじめ!」
先行は俺に譲られた。
俺は見えない風魔法を、使い腕を狙ったが、見えているのか避けられた。
まぁ、そのくらい避けるよねと思いながら次は相手のターンだと思い攻撃を、待った。
すると剣に魔力を纏わせたのが分かり、そのまま素振りをしてきた。俺はシールドを貼り、魔力で出来た刃を防ぐ。
俺は少々本気を出すことにした。
とりあえずは魔力を解放する、今まで垂れ流しだった魔力を1度漏れないようにしていたが、魔力を放射すると魔力耐性が、弱い人は魔力中毒になってしまうらしい。
俺は構わずに魔力で威圧した。
「ぐっ!」
教官は魔力に当てられたのか少しふらついている。
その隙を逃さず俺は最大の身体強化を、施し全力でパンチを放つ。時速200kmからのパンチだだいぶ食らっただろう、と考えているとゆらりと立ち上がってバタリと倒れた。
「勝者セイヤ!」
そう言われみんなは悔しがってたが、俺は懐が潤った。
教官はそのまま放置で、俺はギルドの中に向かいCランクの手続きをした。
「はい、これでCランクですおめでとうございます」
「ありがとうございます」
そう言いギルドを後にして俺たちは学園前で解散になった。
その日の夜俺はセラを撫でながら今日あった事を思い出しながらニコニコしていた。
明日は休みだが何しようかと考えながら身綺麗にする魔法を発動させ寝ることにした。




