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魔王都に帰ろう

俺はその後ありとあらゆる海鮮を買った。


街を出て道を進んでいくと看板を発見した。

魔王都は右だと思いながら左を見ると娼婦街オネキレと書いてあった。


25歳童貞彼女歴無しな俺にピッタリでは無いか!

俺は左の道の娼婦街に行くことにした。

リリには片道分の日数しか言ってないし、どうせなら寄り道しようかなって言う心境だ。


道中は魔物が攻めてくるが普通にシールドを貼って防ぎ、氷の槍を出して倒すの繰り返しだった。


色んなモンスターを倒した、ゴブリンから始まってイノシシ、そしてクマなんだか進む度に敵が強くなっていくが、全部シールドと氷の槍で倒していった。


そして俺はついにオネキレまでたどり着いたが、勢いで来てしまったがここに来てひよってしまった。


そうしていると、不審人物と思われたのか詰所まで連れていかれた。


「ここに水晶がある、これは嘘をつくと光る物だ」

そう言われ見たのはただの水晶にしか見えなかった。


「例えばこんな風に、俺は騎士団ではない」

水晶は赤く反応した。


「このように嘘をつくと赤く光るんだ」

ほほうどんな製法で作られてるか興味があるが作り方を聞かせてもらっても分からないだろう。


「まず最初の質問だ、名前は?」


「セイヤといいます」

水晶は反応しなかった。


「よし、じゃぁセイヤと呼ばせてもらうが、セイヤはなんの目的でここに来たんだ?」


「マルセロイから帰る時に娼婦街って書いてあるのを見てつい来ちゃいました」

水晶は反応しなかった。


「なるほど、これが一番重要な質問だが、人を殺したり窃盗など罪を犯したことはあるか?」


「人を殺したり、窃盗などの罪を犯したことはないです」

水晶はシーンとなっている。


「なぜ、あの場で不審な行動をしていたんだ?」


「えっと…それは」


「言えないのか?そのままだと牢にぶち込まれちまうぞ」


「娼婦自体初めての経験だったので!どうすればいいのか分からなかったんです!」

水晶はシーンとしたまま、部屋も静かになった。


「はははっ!面白い!その年なら初めてでもまだまだいけるだろ」


「俺25歳なんですよ」


「嘘、マジ?」

そう言って水晶を見たが水晶は光らずシーンとしている。


ま、元気だせ。そう最後に言われて俺は詰所から街に出た。


日本の夜の街もこんな感じだったみたいな記憶があり、行くことは無かったが、この街はそんな感じでThe夜の街と言った感じだった。


俺は周りからの勧誘を受けながらも遠慮して街を歩いていた、そしたら上から女性が降ってきた。


「あなた勇者よね、こっちに来て」

そう言われて着いて行ったら一緒に転移させられた。


着いたのはオネキレにある城みたいな建物だった。

「私の家よいらっしゃい」


「はい、お邪魔します」

そう言われて俺はこの人について行く。


着いた先は応接室だった。

「まずは自己紹介をさせてもらうわ、吸血魔の私はリリア・アルカディア、そう、あなたのお世話になってる妹の姉よよろしくね」

俺は正直驚いている、リリに姉妹が居たことと、目の前の人がサキュバスで布地の面積が少ないことに対しても。


「こちらこそお世話になってますセイヤって言いますよろしくお願いしますリリアさん、でもなんで俺ってわかったんですか?」


「リリからも連絡は来るし、それに見えてるのよねあなたから流れる膨大な魔力を」


なるほど、魔力量で見たのとリリから聞いたことを合わせて勇者という道にたどり着いたのだろう。


「それにしてもあなた美味しそうよね」


「え?」


「私たちサキュバスってのは相手と行為をすることによって魔力を得るの、食べ物でも取れるんだけど行為をしちゃった方が楽だし早いのよね」


なるほど、俺の魔力が美味しそうに見えたのか、まぁ地球産の魔力だから珍味だろう。


「行為に及びさえしなければ魔力くらい渡しますよ」


「本当に?やった!」


そういって俺の指を咥え始めた。

ちゅぱちゅぱと嬲る次に指の周りを舌が這い寄る。

指だけなのにこんなにも…


「おいひい…おいひい…」

リリアさんはもう虜になったように貪り始める。

そして俺の服に手が届きボタンを外されそうになったが。


「ダメ」

影王さんが出てきてチョップしたら元に戻ってしまった。


「ちぇーもっとしたかったのにな」

それには同意するが貞操は守られた…ぐすん


「そう言えばリリアさん、今度カニパーティーするんですけど来ますか?」


「カニ?それは、いったい、なに?」

そう言われて俺はカニを取りだした。


「へぇ〜これって、食べられるんだじゃぁ今すぐ行こうレッツゴー!」

そういいリリアさんは転移魔法を使い魔王都までやってきた。


「やっぱり」

やっぱり?なぜそこでやっぱりという言葉が出てくるんだろう。


「なぜやっぱりなんですか?」

日常に転がってる風景なのに彼女は何故か感動したような笑みを浮かべていた。


「吸血魔ってのはなんでも魔力として食べてしまうの、例えば普通に話してる人からでも取れちゃうの、私の場合その力が強い方だったからセイヤの方で精一杯で他のところに手が回らないんだと思うの」

なるほど、それならリリアさんが嬉しくなるのも頷ける。


「まぁ、でも普通に喋るだけなら1時間近くは持つんだけどね」

え?だったら今の感動的なやつはなんだったんだ、そう思ってしまった。


そしてそのまま魔王城に入り、カニパーティをすることになった。

確かにこの世界のカニは硬いそれこそダイヤモンドか?、というレベルでの硬さだ。それならダイヤモンドカッターをイメージして魔法を使う。

すると簡単に半分に割れた。


それを何度も繰り返し、下ごしらえは終わった。

リリたちも手伝ってくれていたが、ほとんどの魔法自体が無効化され通るのは水魔法だけみたいだ。


そしてみんな一斉に食べ始めた。


「これ美味しい!」


「ぷりっぷりの身がついてて美味しいわね〜」


「まさかこんなの、食べれることすら知らなかったよ」

そうリリがいいまたもや政治モードに入るかと思ったが、そんなことはなく、普通にカニを楽しんでたべた。


その後はリリアさんがリリを連れてどこかへ行ってしまったくらいだろう。

俺はカニに対してご馳走様と思いながら寝ることにした。




一方その頃リリとリリアは話し合いをしていた。

「あの子がセイヤって言うのね〜」


「そうだよ」


「あの子は凄いわね、この知らない世界で懸命に生きていて、そう思わない?リリ」


「…」

リリは何も言えずにいた。

リリは自信これが正しいとは思ってなくて、最初は魔力を移動させるためだけの器にしか思っていなかった。

それがどうだ、今は自分の意思でやることをやっているでは無いか。


「あの子に必要なのは女よ!」


「え?」

リリは狼狽えた恋愛系のないリリにとっては男と言うものが分からなかった。


「なら私が先に手出しちゃおうかな〜」


「それはダメ!…え?」


「あははっ、自分で言ってて何狼狽えてるのよ好きなんでしょ?彼のこと」


「分からない、これが恋とか言われても」


「私は愛人でもいいけどね!」

そう言って転移で帰っていった姉に対して。


「バカー!」

と言ったが届かなかっただろう。

これが恋なのかなと思いながらも彼女はベッドの上でセイヤのことを考えてゴロゴロニヤニヤしていた。

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