護衛依頼をしよう①
今回は3話構成です、よろしくお願いします
あれから数日が経ち、俺は氷魔法を習得していた。
その間にもギルドの依頼を受け、俺はEランクに上がっていた。
Eランクには回数をこなせば上がるらしく、俺はその数をこなしていたみたいだった。
俺は今日も冒険者ギルドに来ていた。
今日はなんの依頼を受けようかと考えていると。
「セイヤさん、マジックボックス持ってますよね?」
そう受付嬢に言われた。
「えぇ持ってますけど」
俺は普通に答えたが、マジックボックスは高値であり、冒険者でも持っている人はランクB以上のごく一部である。
「マジックボックスを持ってるセイヤさんにおすすめの依頼があるんですけど聞きます?ランクも上がりますよ」
「まぁランクが上がるなら…」
俺はそう答えたがのちに後悔することになる。
「護衛の依頼なんですけど、この魔王都から、港町のマルセロイって所までの護衛なんですけど、日数は5日程かかるんですけどどうですか?」
まぁマジックボックスを持ってるから食料には困らないし、俺には影王さんがいるから野宿も安心だ。
「大丈夫ですよ」
「よかったーダンさん!マジックボックス持ちの方である程度自衛ができる方いましたよ!」
そう受付嬢が言うと鎧を纏った身長180cmくらいの人がやってきた。
「おう、まさか居たとはな俺はダン、このチームのリーダーをやらせてもらってる一応Cランクだよろしくな!」
そう言われ握手をしながらダンさんという人の後ろには2人の人が居た。
「メンバーを紹介するぜ、こいつはトールってんだ援護魔法が得意だな」
そう言われ紹介されたのはトールさんの言う人で身長は俺と同じくらいの160cm程で、目に黒髪がかかってるくらい長くおかっぱ頭をしていた。
紺のローブを纏っていて、フードはしていない。
「よ、よろしく…」
「よろしくお願いしますトールさん」
「そしてこいつはジーナってんだ攻撃魔法が得意だな」
「ジーナよ!せいぜい足を引っ張らない事ね」
そう言われ紹介されたのはジーナさんという人で赤髪ロングで、赤のローブを纏っている。気が強そうな人だ。
「セイヤって言います、よろしくお願いします」
「あんた冒険者なのに敬語なのね、舐められるわよ」
ジーナさんはまさかの心配をしてくれた。
「心配してくれたんですね、ありがとうございます」
「別に心配なんてしてないわよ!」
テンプレのようなツンデレっぷりだ。
「俺はダンな、剣士をしてる、まぁ見たら分かるか!」
そう言ってダンさんは笑って言った。
「皆さんよろしくお願いします」
俺はそう言いながら内心かなり焦っていた。Cランクの相手と合同で護衛をするのと、誰かと一緒に何かをするというのが苦手な俺は取り繕うので精一杯だった。
「それじゃあ必要な物を買いに行くか!」
ダンさんはそう言ってあっと言った、何かあっただろうかと思い待っていると。
「セイヤのマジックボックスって容量どんなもんだ?」
「一軒分ですね」
そう言うと3人とも驚いていた。
「おいおいマジかよ」
「一軒分って…」
「あんたなんでそんなの持ってるのよ!」
マジックボックスは使われた魔石の質で入る容量が変わる。
家一軒と言うと金貨で100枚は超える値段だ。
こんなEランク冒険者が持ってていいものではない。
「そう言われてももらったものですし」
マジックボックスには所有者登録があるため盗難されたとしても直ぐに呼び戻すことが出来る。そのため盗難はされないので安心だ。殺して盗んでも使用は不可能なのでその辺は安心だ。
「お前ん家すげぇんだな」
そう言われまぁ確かに今の家は魔王城だからすごいと言われたらすごい。
魔王城に住んでるのは知らないのでそういった意味では無いだろうと思いながらも。
「まぁいいか!そんだけあるんなら色々買ってこうぜ!」
ダンさんはそう切りかえ、俺たちは買い出しに行った。
マジックボックスの中の時間は止まったままなので、出来たてが食べられるため、食べ物類は持ち帰り可能な店で爆買いした。そんなにも食べるのかと言うほどだ。
次に向かったのは雑貨屋だった。
雑貨屋で色々買い込み、主に薪を買った。
次に向かったのは薬草屋である。
薬草屋にはルシアさんがいるので俺はルシアさんに挨拶をした。
「どうもこんにちは」
「あら、いらっしゃい」
「二人は知り合いかなにかか?」
まぁ米の品種改良をさせた仲なので知り合いくらいではあるだろうと思う。
「色々な縁があって知り合いですね」
「なるほどな!なぁ姉ちゃんこいつの顔に免じて値下げしてくれねぇか?」
ダンさんは俺の肩を掴みながらそう言う。
「まぁ彼には新しい事業を開拓してもらったしね、いいわよ、半額で」
マジか!半額でいいとなると俺はこの金貨50枚する気になってた商品を買うことにした。
「おいおいお前これ買うのかよ」
ダンさんは値段に驚いていたのかそれを買えるお金を持ってることに驚いていたのか分からないが、俺は謎の薬を買うことにした。
「これってなんなんです?」
「お前これも知らずに買うのかよ!」
ダンさんは呆れ半分驚き半分だった。
「実際知らないですし」
俺は値段だけで決めただけであるし。
「これはなエリクサーって言って、傷を治すだけじゃなくて欠損した部位すら治す超万能薬なんだよ」
そう言ってダンさんは説明してくれた。
なんとあの有名なエリクサーだったとは!これは買わねば、しかし俺はラストエリクサー症候群なのだ。
ラストエリクサー症候群とは貴重なアイテムをボス戦の最後の最後まで使わないままクリアしてしまうことを言う。
俺はこのエリクサーを使うことがあるのだろうかと思いながらも購入することにした。
「マジか!買いやがったよ!」
「あんたんちどうなってんのよ!」
みんなには呆れられてしまったが半額だから仕方ないだろうと思いながら。
そのまま買い物を済ませて明日の午前8時に正門前に集合と聞き買い物は終了した。
俺は晩御飯の時にリリに言った。
「俺明日から5日間護衛でいないから」
そう気軽に言ったらカランと音がしてそちらを向くとリリが手からスプーンを落としていた。
「え!聞いてない!聞いてないよ!」
「いや、今言ったから」
リリは焦っていたもしまたセイヤに何かあったらどうしようかと、しかしセイヤが決めたことに対して何かを言うつもりはなかった。ちゃんと決めれたことは偉いし、行動出来たことが偉い。そう褒めてあげたかった、しかし急に言われたものだから焦ってしまったのだ。
「影王!セイヤのことしっかり守ること!何かあったらタダじゃおかないから」
「は、はい!」
わぉ、これが覇気かと思いながら俺はそのままご飯を食べていた。
明日も早いので俺は早々に寝ることにした。
次の日、俺は日本人の性か、10分前に正門前に来ていた。
その10分後護衛する馬車とダンさん率いるパーティーがやってきた。
「おう、早かったな!」
「いえ、そちらもお早いですよ」
俺は社交辞令をしながらそう返した。
「まぁこれから5日間よろしくな!」
「はい、よろしくお願いします」
そういい俺たちは港町マルセロイに向けて歩き出したのだった。




