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スライムを捕まえよう

リリから言われた強制休暇という名の三連休が終わり、俺はいつも通りの日々を過ごすことにした。


まずは朝のランニングからだ、また街中を走り回り、色んな方に挨拶をしていくということを行った。


その後魔王城に帰り朝ごはんを食べ、昼まで探査魔法の練習をしていた。


自分を中心に魔力を周りに流し色んな魔力を感じ取る。

何度かやっていると頭痛がするが、それも治まったらもう一度探査魔法をする、それの繰り返しを行っていた。


探査魔法の練習をしていたら昼になり、俺は昼ごはんがてら冒険者ギルドに行きお昼ご飯を食べた。


「すみません、オススメをひとつ」


「あいよ」


そう言われて出てきたのはデカいステーキ肉だった。

食べ切れるか?と思いながらも美味しくてペロリと食べれてしまった。

しかしあのステーキ肉美味かった、あれにご飯があれば更に美味しくなるのにと思いながら俺は今度は品種改良できる人を探してみるかと思いながら冒険者ギルドのカウンターに向かった。


今は昼時なので、ご飯を食べている人くらいしかいないので空いていてラッキーだった。


俺は冒険者カードを出して受付の人に仕事の斡旋をしてもらった。


「はい、確認しました。セイヤさんは魔法は使えますか?」


「はい使えますよ」


「密閉して、そこに水を入れる魔法なんですけどできます?」

密閉なら土魔法で何とかなるし、水を入れるのも水魔法を使えるから何とかなるだろう。


「えぇ、できますよ」


「よかった!ならこれ受けてみませんか?」

そう言われ出されたのがスライムの捕獲だった。


「スライムってあのスライムですか?」

最弱モンスターと呼ばれるあのスライムかと思っていると。


「はい、あのスライムですよ」

普通にスライムという単語が返ってきただけだった。


「スライムって魔物ですよね?倒さないんですか?」


「え!倒すなんてそんなことしませんよ!スライムは益魔物で汚いものなどを取り込んで吸収してくれる掃除屋って呼ばれてるんですよ!」

受付の人にそう力説されてしまった。

益魔物なんて初めて聞いたぞその単語、スライムはなんでも襲ってこなくて、糞尿などを食べてくれるそうだ。


しかし、1匹辺り大銅貨1枚1000円と安い。

いや、襲ってこないし、捕まえるだけなので安全なのは分かるが、安すぎないか?と思いながらも俺はその依頼を受けることにした。


俺はまず街を出て探査魔法を使った。

すると魔力の反応が小さい物が点々としていたので、俺はそこに向かうことにした。


歩くこと10分スライム?がいた。

目と口が付いてるあのファンキーなものではなく、ぶよぶよとした水の塊の中に丸いコアみたいな物が浮いている生き物だった。


俺はそのスライムを持ち上げ、土魔法で作った容器に水を入れてその中にスライムを入れた。


そしてそのままマジックボックスに入れようと思ったが入らない。

あれ?なぜだ?と思っていると。


「マジックボックスには生き物は入らないですよ」

そう影王さんが教えてくれた。


つまりこれを持ちながら次のスライムを探さねばならないということだ。


これで1000円!?はぁーなんか最近金銭感覚がおかしくなってきたのか安いと思ってしまう。


俺はスライムの入った容器を持ち次のスライムに向かっていった。





これで何匹目だろうか、多分10匹だろうと思い帰ろうとした時。


「きゃー!」


そんな声が聞こえて来たので俺はスライム達を担ぎながら声のする方に向かった。

そりゃお金になるんだものスライムを担いで行くさ。


そこにはゴブリンに襲われていた1人の女性がいた。


俺は身体強化魔法をかけ、ゴブリンに対して蹴りを放った。


ぐちゃっと嫌な音がしてゴブリンは吹っ飛んで行った。

おえーめっちゃ嫌な音がしたなと思いながら俺は女性に対して大丈夫か聞いた。


女性の格好はなんともシンプルな村人が着ていそうな服だった。村人Aとしよう。


村人Aさんは。

「助けてくれてありがとうございます」

そう言ったが、俺はいえいえと応えた。


「なぜこんな森の中にいるんですか?」


「薬草を探してて、それでゴブリンに襲われてました」

なるほど薬草探しか、俺は村人Aさんにどんな形の薬草か聞いて、一緒に探すことになった。この間ずっとスライムたちは背負いっぱなしだ。


俺は薬草に詳しくないので、村人Aさんの護衛みたいな感じでずっと後ろをついてまわるだけだったが。


「あった!」

そう村人Aさんが言ったのでその薬草を見てみたがなんかただの雑草にしか見えない。

知識がないとこうなるのかと思っていると。


「護衛してくださりありがとうございます」


「いえ、俺じゃこんなことしかできないんで」


そう言いながら俺たちは街まで一緒に帰ることにした。

俺は別にコミュ力が高いわけではないので、街に帰るまでは終始無言だったが、護衛してる感じが出て良かったのではないだろうか。


そのまま街でお互い別れ、冒険者ギルドを目指すことにした。

時間も昼ちょい過ぎくらいだったので冒険者ギルドはそんなに混んではなかった。


俺は背負っていたスライムたちを受付の人に渡す。


「はい、確認致しますので少々お待ちください」

そう言われ俺はボーッとしながら待っていた。


「確認終わりました、全部で10匹ですので報酬は銀貨1枚になります」

そう言われて銀貨1枚もらいそのまま冒険者ギルドを後にした。


俺はふと事の経緯を振り返りながら考えた。

冒険者ギルドに入った理由としては孤児院に寄付しようと思ったからであり、孤児院はもう甘味の原材料で潤うはずだから寄付の必要がないのでは無いかと。


あれ?冒険者ギルドにいる意味なくない?と思いながら俺は魔王城に帰った。


外に出たから風呂に入り、部屋に戻ると俺は小説を読むことにした。


魔力チートがあっても、知識チートがあっても、それを活かせる場面がなければ意味ないなと思いながら、俺はこれから何をしていけばいいんだろうかと考えながら。


リリからお小遣いだってもらえるし、ニート生活に戻るのも悪くないと悪魔が囁く。


せっかくやるって決めたのにここでやめるのは勿体ないと天使が囁く。


俺はいったいどうすればいいのだろうと考えながら、少し仮眠をとる事にした。


仮眠とり、夕食の時間になったので、夕食時に俺はリリに尋ねてしまった。

「俺なにすればいいんだろう」


「え!どうしたのセイヤ?辛いことでもあった?」


「いやそんなことはないんだけど、目標だった孤児院も今は潤うはずだし、目標がないんだよ」


「だったら作ろう!目標を!」

そうリリに言われたけど、日本ではダラダラと生きてきただけの人生だったし、目標作りって言われても…。


「目標作り苦手なんだよね、特にやりたいこともないし」


「ほんとにないの?やりたいこと、例えばお米とか」


確かにお米を俺好みの味にするのもあるが、アルテナさんにもらえるしなぁとか考えてる。


「んー特にって感じ」


「そっか、時間はたくさんあるからたくさん悩んで色々考えてね」


リリにそう言われ俺はこれからは特に何事もなくグータラ生活を送るのかなと考えていた。


部屋に戻り、小説の続きを読みそのまま眠ることにした。

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