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あれから

ランニングを繰り返すうちに沈んでいた気分が晴れてきていた。

適度な運動と日光を浴びることがやはり大事なのは言うまでもないだろう。

日光を浴びることによってセロトニンという物質が生成されるのは言うまでもなく、毎日快眠できている。


そして俺は今日もランニングをしてから、魔法の練習をしている。

ゴーレム練習中に影王さんに言われたことがある、ゴーレムよりも楽に自衛できる魔法があると、その名はシールド、盾である。


目の前に薄い黄色の盾を出すことが出来るみたいだ。


俺は盾をイメージしてシールドを出す。

正直言うとシールドの発動は1発で上手くいった、だが欠点があったそれは。


影王さんが出てきてよっ!っと攻撃しただけで砕けたのである。


硬さが足りない、これでは身を守るどころか時間稼ぎにもならないだろう。


硬いものと言われてもイメージできるのはコンクリートくらいだ。

俺はコンクリートの硬さでシールドをイメージした。


だが、影王さんにかかれば一瞬で破壊されてしまう。


コンクリートよりも硬いものなんて思いつかない!と落ち込んでいると。


「今のはだいぶ硬かった、あれなら大抵の魔物の攻撃なら防いでくれる」

そう影王さんに褒められてしまった。


俺は照れながら感謝の言葉をいった。


そこからはシールドを如何に早く出現させるかだ、早さを求めると脆くなってしまうし、硬さを求めると出現速度が遅くなってしまう。


それでも何度も練習していくうちにある程度の硬さを高速で出せるようになった。


その時ふと思った、今まで目の前にシールドを出していだが、離れた場所に出すことはできないのだろうかと。


例えば、敵が1列になってる所にシールドを出して動きを防いだり出来ないかと。


俺は離れたところにシールドを出すことにした。

そしてそれは成功した。

離れたところにシールドを出すことができた!だが、まだ安心出来ない、シールドを咄嗟に出せるかだ。


敵とは命のやり取りをする、一瞬の判断ミスが死を招くだろうと思い俺はシールドの練習を再開した。


その日はシールドの練習だけで一日が終わってしまったが、それもリリには見られていたみたいで、褒めてくれた。


そしてご飯を食べ、就寝することにした。




俺は夢を見ていた、シールドを貼る夢だ。

確かに今日はシールドばかり練習してたが夢にまで出てくるとは思わなかった。

夢の中の俺はシールドをすぐだしシールドを自在に移動させていた。

シールドって移動させれるの!?と驚いていると、シールドをたくさん出し、並べて階段を創り出した。

そんなことも出来るのかと驚いていると、なぜかその上から飛び降りた。




そして俺は目を覚ましてしまった。

落ちる夢は運気の低下や、不安を表しているって見た事がある。

俺はやはりまだ色んなことに不安を感じているのだろうか。


時間的にもちょうどいい時間だったので、俺はランニングに行くことにした。


ランニングをしながら俺は身体強化の魔法を発動させてみた、これはただの思いつきでやってみたら少し走る速度が上がった。

これは面白い!と思い、俺は全力疾走しながら身体強化強めた、凄い!俺は今風になってる!などと馬鹿なことを考えながら走っていると、足がもつれ出し転びそうになった。


ヤバい!このままじゃ転ぶと思った時に影王さんが現れ、すんなり受け止めてくれた。

その時に影王さんの胸に顔が当たった時にふにっとした感触がした。


あれはもしかして胸!?

影王さんって女性だったんだと思い確かに声は高めだし、背も低めなのを見ても女性なのだろう。

だが、ローブを常に纏ってるから体格が分からないから勝手に男性と決めつけていた。


「影王さんすみません、あとありがとうございます」


「いい、私はあなたを守るのが仕事だから」


仕事…仕事かぁ…

杏仁豆腐の件で少しは親睦を深められたと思ったが、まだまだ足りないようだ。

昔の俺ならそのまま沈んでいただろうが、今の俺は違う。

美味しい物を作りまくって影王さんを仕事気分では無く自主的にさせよう!と考えていた。


だがそれには時間が足りない、魔法の練習で今は手一杯だし、料理を考えるにも自分の中のレパートリーが少ない。

甘味が唯一の突破口かと考えている。


まぁまずはランニングの再開だ、今まではリリの庭で走っていたが、街に繰り出しながら走ることにした。


まだ朝も早いこともあり、店はどこもやってなく準備中だった。

俺は準備中の人に挨拶をする。


「おはようございます!」


準備中の人は驚いたが、その後におはよう!と返事をしてくれた。

これが日本なら返事は無かっただろうと考えながらランニングしながら俺は挨拶をして回って行った。


そして俺はランニングを終え、魔王城に戻り、朝ごはんを食べてから魔法の練習をした。


今日夢で見たシールドを動かす事を思い出し、シールドを動かしてみた。

すると思い通りに動く動く、これは楽しい俺はラジコン感覚でシールドを動かした。

ん?ラジコン?そういやラジコンなんて見たことないと思い、これは使えるかも!と思い俺はロビンさんの店に行くことにした。


ロビンさんの店に着いて、俺はそのまま奥に通された。

そこには机の上で作業をしているロビンさんがいた。


「カカッセイヤ殿今日はどうしましたかな?」


「俺の世界にあったおもちゃなんですけど」

そう言ってラジコンの説明をした。絵に書きながら車を書いてそれを電波で操作してという物がある事を伝えた。


「カカッなるほど、これは面白い」


「商品化出来そうですか?」


「ええ、おもちゃとして売りに出せるでしょう、ただ車というものに馴染みがないので、そこは馬車という形になってしまいますが」

そう言いながらロビンさんは1台の小型馬車を作った、あとはこれに電池の代わりに魔石を入れて、操作する物を作れば完成だ。


「そうだロビンさん、ラジコン用の魔石を作って、消耗品にしませんか?そうすればラジコンを買って終わりにはならないですし」


「カカッ同じことを考えておりましたぞ、セイヤ殿は商才がおありなのでは」


「いえいえ、これも日本で習ったことなので」

日本は永久機関を作ろうと思えば作れるはずだ、だが作らないのは作ってしまったらそれ以降買う人がいなくなり利益が無くなるからだ。


「カカッそれではこのラジコンの発想料として売上の3割はいかがですかな?」


「ロビンさんがそれでいいならそれで大丈夫です」


ラジコン自体初めて見るものだし、どれだけ売れるか分からないから適当でいいやと考えていた。


「カカッまずは貴族相手ですな売りに出すなら」


「貴族ですか?」


「えぇ、貴族は目新しいものが好きなのでな、その貴族の馬車を模して作れば高値で売れそうですぞカカッ」


ロビンさんは悪い笑みを浮かべていた。


「すみませんがあとはお願いします」

そういい俺は退出した。


そして魔王城の庭に戻ってきて魔法の練習を再開した。

今日は肉体強化をしながらシールドを動かす事をしてみようと思う。


二つのことを同時にってのは難しいもので、どちらかに集中してしまうとどちらかの効果が切れてしまう。


これに動きを追加しようものなら頭がパンクしてしまうだろうと思いながらも、いつかは慣れるだろうと思い練習を続けた。


そうして練習していくうちに段々と慣れてはきたが完璧ではない状態で晩御飯の時間になってしまった。


食堂に行き、食事中に今日はロビンさんが俺の発想したラジコンについての話をしだした。


それに対してリリは俺の事を凄いと褒めてくれたが、如何せん日本にあるものを思いついただけでと謙虚でいると。


「それでも、この世界では初めてセイヤが考えたものになるんだよ」


そう言ってくれて俺は不思議とストンと何かが落ちるような感覚がした。日本の物をパクることに対して罪悪感があったのだろうか、リリにそう言われてようやくその罪悪感が薄れた。


「うん、ありがとうリリ」


「どういたしまして」


そうして食事を再開し、食後のデザートを楽しみ俺は部屋に戻った。


やはりデザートは果物をそのままが多い、あまりお菓子は発展してないのだろうかなどと考えながら俺は寝ることにした。

明日はランニング後にデザートを作ろうと考えながら。


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