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しなかったことを今から始めよう

異世界に来て早くも1ヶ月が経った。

俺はこの1ヶ月間俺は何をしていたかと言うと、飯を食って寝て、小説を読むことするくらいしかしていない。


ニートというのは暇なものである、この世界にはこれといった娯楽がなく、かといって娯楽を作るにもPCもなければ作る技術もない。


そんな俺は食っちゃ寝を繰り返す日々をおくってっていた。


時間が経つごとに俺は人と話さなくなり、部屋に引きこもるようになっていた。

最初はやはり無理をしていたのが今になってプツンと糸が切れてしまったのだろう。


神は言っていた、俺は生きているだけでいいと、存在するだけでいいと。


それはつまり俺じゃなくても良かったわけであってなどとあまり良くないことばかり考えていた。


みんなには心配をかけてしまっているが、それもまた自分を責めることに、繋がってしまっていた。


なぜ自分はこうなんだと、どうしてもっと上手くできないのかと、日本であった嫌なことさえも思い出してしまう。


これはよろしくないと思いながらも俺はベッドの上から動けずにいた。


杏仁豆腐の件からも影王さんとは親しくなったと思うが、影王さんは俺の身を守ってくれるのであって、心のケアまでは無理なようでずっと傍にはいるのだが見えないと言っても1人にさせて欲しかった。








リリは正直焦っていた。

セイヤが引きこもってしまったのは突然だった。

急に食事も部屋の前に置いてくれと言われ始めたことから始まった。その日は体調が良くなかっただけと思い放置してしまったのが良くなかった。


そのまま毎回部屋に食事だけが置かれ、食事も半分しか食べられてない時もあり、このままではまずいと思ったがセイヤは部屋から出てこない。


これはセイヤの部屋に突撃するか迷っていると、虚ろな目をしたセイヤが目の前を通りすぎていった。


セイヤが外に出るなんて珍しいと思い、その後をついて行く、当の本人は後ろから誰かが着いてきてるなんて考えてもいなかった。








俺は魔王城のバルコニーに来ていた、始めてきたところだが色んな景色が見える、だが今の俺にはそれらは灰色にしか映らない。


この世界ともおさらばかと思いバルコニーから身を乗り出し飛び降りた。


「ダメ!」

飛び降りたがリリに受け止められた。


「リリ、どうして」


「それはこっちのセリフ!どうして飛び降りたの!」


「疲れたんだ、なにもかも…」


「どうして、なにがあったの?」


俺は日本であったことからこの世界にきてからも気を張りつめていたことや、勇者なんて俺じゃなくても良かったなど吐露し始めた。


「セイヤは大変だったんだね、つらかったよね、寂しかったよね、勇者っていう肩書きが重荷になってたんだね、でも私はセイヤが頑張ってるのは私は見てきたし知ってる」


「でも俺は…」


「なら、セイヤは1回死んだ、飛び降りてねだからここらかやり直そう、私はちゃんと見てるし、褒めるから」


「うん…」

俺は泣きながら返事をした。誰かに聞いて欲しかったのかもしれない、誰かに認めて欲しかったのかもしれない。

誰かに甘えたかったのかもしれない、誰かに褒めてもらいたかった。

リリにはいつも泣き顔ばかり見られている気がする。





翌日から俺は行動を開始した。

まずはみんなに謝ることから始めた。

みんなは気にするなと言ってくれたが、気にしてしまうのは俺の性なのだろう。


俺はその日からジョギングを始めることにした、かなり昔の身体強化を学ぶためだ。

身体強化を学んで何をするかと言うと、冒険者ギルドに登録して、魔物を倒し浮いたお金を孤児院に寄付しようと思ったのだ。


日本では絶対にしなかったことを今から始めようと思えたのはリリのおかげだろう。


リリはちゃんと見てくれてるのかランニングをしただけでも褒めてくれるし、魔法の練習をして、できただけでも褒めてくれる。


褒められなれてないから少しむず痒くなってしまうが、心地よいものだ。


朝のランニングも終わり、俺だけ遅めの朝食を済ませると次は魔法の練習をした。


覚えた魔法は火の玉を出す魔法と、水の玉を出す魔法くらいだが、これが案外役に立つ。


水を飲みたい時は水の魔法で水分を補給できるからランニング後にも使っている。


火の魔法は野外で調理する時にでも使うだろうと思い習得した。


その2つの魔法を覚えた時もリリは褒めてくれた。


冒険者になるにはやはりそれなりの実力がいるので、俺は剣も握ったことなどないので、魔法を極めて魔法でやっていくつもりだ。


今日覚える魔法は土の魔法だ。

ゴーレム召喚といえばわかりやすいだろう、ゴーレムを召喚し、盾にしてその間に高火力の魔法を放つ、俺が考えた戦法はこうだ。


そのためにもゴーレム召喚をものにしなければならない。

ゴーレムを召喚するには2つあるみたいで、土をこねくり回してゴーレムを作る方法と、召喚陣を描いて召喚する2つだ。


俺は文字が下手なので、土をこねくり回してゴーレムを作る方にした。


「むむむ、いでよゴーレム!」

そう頭の中で考えながらも口に出てきた言葉を使い、ゴーレムを召喚した。

しかし出てきたのは20cm程の土塊だった。


「くそー失敗か!」

想像してたのは2mは超える大きさを持つゴーレムで、横幅がでかく身を守りやすい物を想像してた。


しかし出てきたのはただの土塊、いったいなにが足りないのだろうかと考えながらも何度もゴーレム召喚を練習した。


その日は50cmの土塊が出来上がったが、まだまだ目標の1/4しかできていない。


しかし夕食時リリはそんなことでも褒めてくれた。

よく頑張ったね、えらいねと。


自分でもここまでやろうと思えたのはあの時のリリのおかげだ、しかし恥ずかしくてそれはリリには言えずにいた。


夕食後俺は部屋で魔力を練っていた。

身体強化をするためである。

魔力を流すだけだと体が悲鳴を上げるのは身にしみたので、練った魔力を体に流してみることにした。


しかし、やはり体は悲鳴を上げる。

俺はここで止めることにした。

何度かやっていけば体も慣れてきて、強化出来るようになるだろうと考えながら風呂に入りそのまま寝ることにした。


しばらくはランニングをして、魔法の練習をして、寝る前に魔力を体に流すことが続くだろうと思いながら…。


新しい仕事が始まるので、しばらく更新出来ないかもしれません。

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