返事が無い。ただの屍のようだ。
皆さんも異世界にいったら死体を見る事くらいあるでしょう。
そこでうわっキモッ!となるのか、あるいは成る程、この死体からこんな事が読み取れるぞ!となるのか。
後者になりたい人は続きをどうぞ。
突然ですが皆さん、生き物が死ぬとどうなるか知っていますか?
…正解は、死体現象という様々な現象が起こる、です。
そんな現象を知る事に何の意味があるかって?
これを知っていると、死体が死後どれくらい時間が経過しているのかおおよそ見当を付ける事ができるんです。
ここでは早期と晩期に分けて、死体現象についてサッと流していきます。
早期死体現象は大きく分けて四つ。
体温低下、乾燥、死斑、死後硬直です。それぞれ説明しましょう。
まずは体温低下。
実際は直腸に温度計(最近は温度データロガ)を突っ込んで測ります。
あくまで目安ですが、一時間毎に1度ずつ下がっていき、十時間を過ぎると0.5度ずつ下がると覚えたらいいと思います。
次は死斑。
死斑というのは簡単に言うと、血液が流れなくなったことで血が血管の下に落ち着き、外から見て紫色のアザのように見えるものです。
なので、死体の下の方(仰向けになった死体なら背中側、吊り下げられた死体なら下腿)に見られるし、圧迫されていた所には見られない特徴があります。
これだけで、どう言う死に方をしていたのか予想できますね。
死斑は死後2、3時間で現れ、半日経った頃には完成します。
ただし逆に言うと、完成するまでは死体の体位を変えるだけで死斑の位置が変わる可能性がありますので、下手なトリックに惑わされないよう注意して下さいね。
半日経っても、死斑の部位を強く圧迫すると紫色が引きます。この退色すら無くなって完全固定されるのが、死後一日から一日半ですね。
ちなみに、水中死体は体位が安定しないので死斑は見られません。
次に乾燥。
乾燥は当然服を着ていない所や皮が薄い、めくれている所では早く起きます。
ここでは特に角膜混濁について言いましょう。
死んだ魚のような目ってよく言いますよね。あれの事です。
死んでから半日で角膜が濁り始め、一日、長くて2日経てば瞳孔が透視出来なくなります。
ですから、この現象で死んだ時どれくらい目が開いていたのかわかります。
最後に死後硬直。
死後硬直は筋肉のATPレベル低下で筋肉が緊張し、関節が動かなくなる事です。
顎関節→大関節→小関節という流れで発現します。
虫ってよく死んだフリしてますよね。あれが死んでるのかどうか見分けるには、脚を折り畳んでいるかどうかでみるといいんですけど…あれも死後硬直を見てるわけです。
死後硬直も死斑と同じように、死後2、3時間で始まって半日で全身が硬直します。
また、一日から一日半経過すると死後硬直は解けます。
戦場の美談なんかで、「死してなお武器を捨てなかった」なんて言ったりしますけど、あれはただの死後硬直です。
急死だったり、激しい運動後であったり、精神的ストレスがあったりすると死後硬直は激しく発現しますから、戦場の死体の死後硬直は凄まじいでしょうね。
次は晩期死体現象について。
これは大きく分けて五つ。
腐敗、自家融解、動物の損壊、白骨化、特殊死体現象です。
まずは腐敗。
死後一日から二日で腐敗による変色が現れ、腹胸首肩と広がっていきます。
さらに時間が経つと腐敗網という所見も現れてきます。
また、腐敗体液が表皮と真皮の間に溜まる事で皮がめくれたり水泡を作ったりします。
腐敗ガスが発生すれば死体がパンパンに膨れ上がります。コワイ。
次は自家融解。
これは生きている間に作っていた消化酵素によって、死体の体が内側から溶かされる現象です。暑ければ二日、冬ならば四日経過したくらいで現れます。
腐敗は細菌による分解。これは酵素による非細菌性の分解です。
動物の損壊について。
どのくらいの時間がかかるかはなんとも言えませんが、死体が放置されると多くの場合、ウジやシデムシ、カラス、タヌキなんかに喰われて損壊します。
海の中だとスナホリモドキなんかが多いらしいです。
白骨化や特殊死体現象について。
死体が行き着く先は三択あります。
白骨化、ミイラ化、屍蝋化の三つです。
普通はみんな白骨化しますが、特殊な環境だとミイラ化や屍蝋化が起こります。
ミイラ化は高温低湿、通気性がいいという環境、屍蝋化は高湿で通気性が悪い環境です。
これら二つを合わせて特殊死体現象なんて言いますよ。
白骨化やミイラは皆さんお馴染みかと思いますが、屍蝋ってなんだ?って思いますよね。
これは特殊な環境故に腐敗菌が繁殖せず、特殊な細菌によって死体がチーズみたいな悪臭を放つ組織に変わったものなんです。
西洋では魔術なんかにも使われてたみたいで…いやはや、恐ろしいですね…
では、今回はこれくらいで。