表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SFや異世界でも通用する医療系知識  作者: とあるインキャ大学生
死体から得られる情報
3/4

ある日突然死に至る、恐ろしい病気

 色々とテレビなんかでも取り上げられることの多い病気です。


 突然死する病気って、実は3分の2が心臓か脳血管に関わってるんです。

 今回はそんな恐ろしい病気をサラッと列挙して行こうかなと思います。


 まずは心臓系


 ①虚血性心疾患

 機序:血管にドロっとしたプラーク(粥腫)がこびりつく→血管内壁が弱くなり、血が出て塊(血栓)になる→ポロッと取れた血栓が心臓に栄養を送っている血管(冠状動脈)に詰まる→心臓に不具合が起こる


 血流が一部滞って心臓が痛むのが狭心症。完全に血管が詰まって心臓の一部が壊死するのが心筋梗塞。


 ②大動脈解離

 機序:血管は内膜中膜外膜の3層構造だが、血流が内膜を突き破って中膜の間をバリバリと割って流れ始める→中膜に囲まれた部分(偽腔)を血流が流れる為、その部分が変に膨らんで本来の血管が狭くなったり、詰まってしまったりする。


 場合によってはバリバリと血管壁内を血流が進んでいく事があり、大動脈に起こった解離が冠状動脈にまで広がったり、血管が破れてしまったりした場合、虚血性心疾患や心タンポナーデになって突然死する可能性がある。


 ③心筋症

 肥大型心筋症

 機序:心臓の筋肉が無意味に分厚くなる→心臓は心膜という伸びにくい膜に覆われている為、中身が窮屈になり、十分に拡張出来なくなる→不整脈や突然死


 拡張型心筋症

 機序:心筋が薄く弱くなり、十分に収縮出来なくなる→主に一番圧が高まる左室が膨れ上がる→弁膜症や不整脈、血流鬱滞に伴う脳梗塞


 その他、心筋炎、強直性筋ジストロフィー、心サルコイドーシスなど


 ④弁膜症

 僧帽弁狭窄症

 僧帽弁閉鎖不全症

 大動脈弁狭心症

 大動脈弁閉鎖不全症


 これらの発生に感染性心内膜炎が関わっている事もある。


 次は脳血管系


 ⑤クモ膜下出血

 機序:脳血管の分岐部など、壁(内壁の内弾性板)がもろくなっている所に血流が溜まり、動脈瘤が作られる→破裂する→急激な頭蓋内圧亢進と脳血流低下→意識消失と脳ヘルニア→突然死


 ⑥脳出血

 機序:高血圧などが原因で脳内で出血する→脳は頭蓋骨に囲まれているので、出血すると内圧が上がる(頭蓋内圧亢進)→意識消失や、脳が変な所に押し出される(脳ヘルニア)→突然死


 ※脳血管系の病気だと脳梗塞って有名ですけど、突然死の原因にはなりにくいんです。

 脳梗塞→運動障害→転倒事故や溺死 という感じで間接的な原因にはなり得ますけどね。


 その他


 ⑦肺動脈血栓塞栓症

 機序:脚の静脈などに血栓ができる→血流に乗って、毛細血管である肺動脈に詰まる→とんでもない胸痛と呼吸不全→突然死



 高コレステロールや高血圧、糖尿病といった甘くみられがちなものも、これら突然死する病気のリスクを何倍にも引き上げます。怖いですねー


 では、今回はこれくらいでー

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ