協議
前回の続き。
北極圏にも接する大国。
奇怪な殺人事件?が起きた都市で、遺体の検視に当たった医師と警察官が協議した。
「凍ったところを切られたのではない?」
「違います。体温がふつうで、クルマから降りた直後に首を切断されています。」
「何で切断?」
「それがよくわかりません。通常だと大量の出血があるべきなのに、それが全くないのが不可解です。今回のような例がありましたか?別の場所も含めて。」
「ありません。州から首都の警察本部に照会しましたが、出血が全くない殺人事件や傷害事件は起きていません。」
「凶器は何だと思われますか?」
「思い当たりません。現場には何も残されていないし。」
「何者かの犯行でしょうが、的をしぼることができません。」
(続く)