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第4話 チェシャ猫④
「『アリス』を探すゲーム…」
「そう!ルールは簡単、この不思議の国のどこかにいる『アリス』を見つけるんだ!見つけられたら君の勝ち!外の世界に戻れるってわけさ」
「『アリス』を見つけられなかったら?」
「外の世界には戻れなくなっちゃうかもね。でも、その時はこの世界で暮らせばいいさ」
外の世界もこの世界もよくわからないから、正直勝ち負けはどちらでもいい気がしたが、『白ウサギ』として不思議の国にいる以上、このゲームには参加せざるを得ないだろう。
「おっ、やる気が満ちてきたみたいだね。時間制限とかはとくに決めていないから、ゆっくり楽しみながら進めるといいよ」
そうこうしている間に森の出口が見える場所まで歩いた。
「チェシャ猫が案内できるのはここまで。この先に『白ウサギ』を待っているやつらがいるよ」
「待って、まだ『アリス』がどんな子かも知らないよ」
するとチェシャ猫は一番の笑顔見せた。
「大丈夫、会った瞬間に『アリス』だって感じるさ」
そう言ってチェシャ猫は空中をふわふわしながら消えていった。