第7話 妹とお兄ちゃんの試合【後編】
どうも見浦ロキです。
正直に言いますと、この作品元々バトルものにしたかったんです。
ですがまぁいろいろありましてこうなりました。
まぁそれでもいいんですけどね!
「5番 センター 」
そう呼ばれてキャプテンはバッターボックスへ向かう。
「ふん・・・貴様らのピッチャーはもう使えん。そして貴様らは・・・」
「負ける!」
そう言って相手のピッチャーが豪速球を投げる。
バァン!とミットに収まった瞬間そんな轟音がした。
「・・・ストライク!」
審判がそう言うと周りからは「うぉぉぉぉぉ!」と歓声が広がった。
そしてもう一球、同じ球が来ると今度はバットにかすってファールになる。
そしてそのあとそれが三回ほど続いたが、結局は三振になってしまった。
「ふん・・・まさかこの俺がこんなにむきになってしまうとは・・・」
そう言って残りの二人も三振に抑えた。
「ピッチャー・・・八百万くん」
「え?」
観戦席にいた紗苗はそんな声を出してしまった。そして観戦席からマウンドを見るとそこにいたのは兄だった。
「なんで・・・お兄ちゃんが・・・出てるの?」
紗苗は混乱していた。兄を貸す条件として実は裏で啓介と話し合っていた。
「いい!お兄ちゃんは目立させちゃダメ!」
「もちろんさぁ!」
そうして啓介とは契約を結んでいた。
「うがぁぁ!これじゃあ下手すればモテちゃう・・・それだけは避けねば・・・」
そう心の中で思った。しかしこれが吉と出たことをこの時の紗苗は知らない。
お兄ちゃんサイド
「めんどくせぇ」
解はそんなことを思いながらマウンドに立った。
「まぁ好きにやらせてもらおう」
そう言って解は大きく振りかぶった。
「くらえ・・・」
そして解から120キロほどのボールが飛んでくる。
「へっへっへ!こんなのホームランだ!」
そう言ってバッターの子はバットを振るが・・・その球は急激に下に沈んだ。
「え?何だこりゃ?」
「ストライク!」
そう審判が言うと、観戦席は唖然としていた。
「・・・」
そしてそのあと、八つ橋高校は反撃できなかった。
チェンジになり最終回、こっちは先行だったため攻撃するが、解には回らないまま終わった。
「まぁこの回もさっさと終わらすか」
解はそう言ってマウンドに立った。周りからはものすごい歓声だった。
「ストライク!バッターアウト!」
「よし!ワンアウト!」
周りのみんなはそうやって解を盛り上げていた。
そしてそれを見た紗苗は・・・
「お兄ちゃんがあんなに笑っているのって発明しているときと位だな」
そう思った途端、紗苗によくわからない気持ちができた。
「あれ?でもそれだけじゃないよね?」
急に心配になったのだ。兄にとっての笑えることって何だろうと?私の立ち位置がどこなのかも・・・全く分からなくなってきていた。
もう兄の非モテ計画なんてどうでもいいくらいに、そのことばっかを考えるようになった。
自分といるときに見せないような、あの笑い方がとても引っかかってしまう。
そんな時だった。マウンドを見ると兄の方にライナーの打球が当たったのが見えた。
「解!大丈夫か?」
「何とか・・・大丈夫だ!」
そのライナーを取っていたため、アウトにはなったが解は肩を痛めた。が解は投げると言った。
その理由は「自分が来た意味を」と言っていた。
「4番・・・ピッチャー」
彼が出てくると「うぉぉぉ!」と言う声に包まれた。
第一球目は、ホームランすれすれの大きな打球だった。
二球目は、スライダーで、空振り
そして第三球目・・・これですべてが決まるかもしれない。
「もらったぁ!」
そう言って彼はマシンに当てた。それはまたピッチャーライナーだった。
今度はその破壊力の乗ったライナーが彼の橈骨と尺骨のあたりに思いっきり当たった。
その音はバチンなどとそんな音ではなかった。
バキッ!と骨の折れる音だったが、彼の腕に当たったことにより、勢いは死にマウンドに落ちる。
普通の者ならそこで倒れるが解はグローブをとって、左手でボールを握って、ファーストに投げた。
「・・・アウト!!!!!!!」
審判がそう言ったと同時に「うぉぉぉぉぉぉ!」という歓声と拍手が聞こえた。
啓介は解の方へ向かった。
「やったな!解!」
そう言うが解は一切反応しない。
ボールの当たった解の腕を見るとそれは見るに堪えない酷いあざをしていた。
「おい!解!」
その声は観戦席にいた紗苗にも届いた。
「お兄ちゃん!」
紗苗はネットの張っていないところから飛び降り、兄のもとへ向かう。
スタッフに止められそうになるが、啓介と怜花がそれを阻止してくれた。
「お兄ちゃん!大丈夫?」
「紗苗?何でここに!」
解はそう言ったと同時に、その場に倒れてしまった。
「お兄ちゃん?お兄ちゃん!」
紗苗は倒れた兄を抱きかかえた。
いかがでしたか?
最近疲れがたまってきて大変です!ですが頑張ります!
ではでは・・・