第3話 発明家と焦げた唐揚げ
どうも見浦ロキです。
解の発明品が全然出てきていないことをここで謝罪します。
次回からはなるべく出していくようにしますので・・・
妹サイド
彼女の学校生活は忙しい。それは誰でも分かる。
まず学校に来ると下駄箱にはたくさんのラブレターがある。
それを頑張って拾って、教室に持っていきすべて読む。
HRでは、しっかりと一日の内容を把握する。
授業すべてでしっかりと発言したりする。
給食準備は進んで自らやる。
「はぁ、めんどくさいな」
紗苗が一番嫌いなのはこの告白である。
前にも言ったが紗苗は超が付くほどの重度のブラコンであるため、他の男なびくことは100%ない。(どんなにイケメンでも)
「好きです!」
モブが告白した。「ごめんなさい」とひらりと断る。これを十回繰り返す。
そして家に帰る。
これが彼女の学校生活である。
そして彼女がなぜ毎日元気でいるかはこれである。
彼女には『マル秘ノート』と言うお兄ちゃんとイチャイチャするという内容が書かれた禁断のノート(もちろん誰も知らない)が存在する。
それを書いていると元気になるらしい。
再び兄サイド 放課後
「ねぇ?今日解の家に行っていい?」
怜花は解にそう質問すると解は「まぁいいんじゃない?」と言った。
「まぁ紗苗ちゃんがダメって言ったら帰るけどね」
「紗苗はそんなこと言わないだろ」
解は笑って答えた。それにつられたのか、怜花も笑って解とお話をしていた。
「ねぇねぇ・・・解ってさ?」
唐突に怜花が話し方を変えて解に質問を投げかけた。
「ん?なんだ?」
「・・・やっぱり何でもない!」
怜花はさっきの表情とは一変していつもの元気いっぱいな姿に戻った。
「えぇ!なんだったんだよ!」
「ナ・イ・ショ!乙女は秘密が多いほうがいいんだよ!」
そう言って怜花は解の腕を引っ張り、彼の家に直行した。
再び妹サイド 家
「フンフンフ~ン♪」
紗苗はご機嫌そうに料理をしていた。
「今日は学校の帰りに肉屋のおばさんから鶏肉貰ったから、今日はお兄ちゃんの大好きな唐揚げ!」
そう言って棚から片栗粉を取り出して手際よく肉に片栗粉をまぶしていく。
「これでお兄ちゃんとの好感度上げまくりよ!」
そうニヤニヤしながら彼女は鶏肉を揚げていく。
ちょうど一個目が出来上がり、二個目を入れたところで大好きな兄の「ただいま」の声が聞こえる。
紗苗はいつものツンツンモードになり、兄のところまで行く。
「あ、お兄ちゃん、おかえr」
最後の「り」を言おうとしたときに目に入ったのは怜花の姿であった。
「・・・なんで・・・怜花さんがいるの?」
「あ!わりぃ!言ってなかった!」
「・・・こんばんわ!怜花さん」
紗苗は特技にも等しいポーカーフェイスで怜花に挨拶をする。
「あ!こんばんわぁ!紗苗ちゃん!」
紗苗とは反対に怜花はウソ偽りのない満点の笑顔で挨拶をする。
「・・・まぁ今日は許す!」
いつも兄に見せるツンツンで何とかその場をしのいだ。
あ!ちなみに唐揚げの2個目は焦げました。(食べたのは解です)
食事後、怜花はそのまま家に帰ってダイニングテーブルには解と紗苗だけになった。
「あの・・・お兄ちゃん・・・ごめんなさい・・・」
紗苗はとってもがっかりした表情でしゅーんとなっていた。
「いいよ!それに紗苗の料理は焦げてもうまい!だからな」
そう言って解はいつもの笑顔を見せる。
「・・・ズルイ・・・」
紗苗は少し顔を赤くして、口を尖らせて言った。
「え?今なんか行った?」
「何でもない・・・」
この二人の話はやはりどこかで必ずかみ合わなくなっていくのであった。
悲しい?いいや違う。では楽しい?これでもない。では何か?
では何なのか・・・それは幸せである。
紗苗はまず小学校三年生で大好きだったおばあちゃんが死んでしまった。
そして両親も自分が中学二年生で死んでしまった。
その中でもお兄ちゃんと一緒にいる時間だけが、彼女にとっての幸せな時間であり、家族の時間でもある。
しかし、それが永遠に続く保証なんて一切ない。紗苗はそんなことを一切考えていない、いいや考えたくないと思っているのである。
紗苗にとってただ一人の家族であり、大好きな人でもある。それはどんなに時が過ぎても変わらないと彼女は強く思っているのであった。
そういつまでもいつまでも。
いかがでしたか?
次回は明日位になると思いますが、ぜひ見て行ってください。
ではでは・・・