第二話『問題』
第二話『問題』
仕事を初めて、1週間が過ぎた。
会社で意味を聞くのは気まずいと感じて言い出せず、ガイジの意味は依然として分かっていない。
この1週間はとにかくプログラミングの勉強だ。
会社でも家でも、勉強に励む日々が続いた。
そして今日は、重要な会議の日であった
上司のAさんはいつも以上にやる気を起こし、何やら懸命に資料作成に当たっていた。
俺は新人という事もあり、今回の会議には参加できなかった。
しばらくすると、深刻そうな顔で上司のAさんが戻ってきた。
俺「Aさん・・・どうしたんですか?」
Aさん「俺くん・・・実はね、このゲームは大きな問題を抱えているんだ」
Aさん「本当ならその事に取り掛からなきゃいけないんだけどね、今回また違った問題が見つかったんだよ。」
俺「どんな問題なんですか?」
Aさん「どうやら昨日で会社を辞めたα君が間違ったデータを上書き保存してしまって、どのボタンを押してもジャンプボタンなんだ・・・。」
Aさん「テストは1週間に1度の会議で行われるから、ついさっきそれに気が付いたんだ・・・。」
俺「ゴクリ・・・」
Aさん「俺くん。直してもらえないかな?」
俺「え?は・・・はい!」
初めての実務だった俺は、無性にワクワクしていた。
俺に仕事が任されたんだ・・・!
ガイジバスターズは1TBの容量を使うため、バックアップを取ることは禁止されていた。
俺は手探りの状態でキャラクター操作の修復に取り掛かる事になった。
続く。