お姉ちゃんと待ち合わせ
それじゃ、諸注意でもしましょうか。
まず、この物語はフィクションだから。実在の人物、地名、団体、組織、あとは……えーっと、諸々、ぜーんぶ関係ないわ。
また、これはアダルト……いえ、これは違ったわね。
でも、読んでてちょーっと背中が痒くなるような内容だから、たとえば、電車なんかで読んでて後ろから覗きこまれたら……相応に恥ずかしい思いをするかもしれないわね。
それと、これは近親相姦モノだから。私はあなたのお姉ちゃん。どうこうするってことは、つまり、そういうことよ。そういう話が嫌いな人は、ブラウザバック推奨ってね。
後はまあ、特に言うことはないかしら。
それじゃあ、私と、デート……しましょうか。
ごめーん、待った?
……こういう時は、気を利かせて 「今来たところだよ」 とか言うものでしょ?
要求したのは私だーって言われてもね……。こういうものには様式っていうのがあるの。女の子と出かける時のマナーって奴かしら。
まあ、今更あなたにそんな事を求めても、無理か。あなたったら、昔から女心がまるでわかってないものね。
ほら、いちいちむくれない。そんなことはどうでもいいから。早く行きましょ。そこの駐車場に停めてあるんでしょ? あなたの軽。
女の子と遊ぶのに軽自動車だなんて、一昔前なら失笑モノだったのよ? それで我慢してあげるって言ってるんだから、少しはありがたく思ってくれてもいいと思うんだけど。
……ふふ、そんなに嫌そうな 「ありがとう」 は、滅多に聞けないわね。やっぱりあなたは、昔からちっとも変わってないわ。
いえ、別に馬鹿にしてるわけじゃないわ。まあ、褒めてるわけでもないけどね。
それで……何?
最初はどこに行くのかって? そうね……水族館がいいかしらね。
あら、海無し県にも水族館はあるのよ? 女の子と遊ぶつもりがあるのなら、少しは下調べをしておきなさい。
そりゃ、まあ……ルートはもう決めてあるって言ったけど……それはそれ。エスコートとか、するつもりないわけ?
……やっぱり、あなたに紳士的な対応を求めるのが、まず前提として間違っていたようね。
知ってたけど、こうして目の前に事実として叩きつけられると……まあ、気分のいいものではないものよね。
何よ。少しは私をエスコートするつもりになった?
……ここまで言っても下手にでないなんて、あなたはやっぱり変わってないわね。
だーかーら、別に馬鹿にしてるわけじゃないわよ。褒めてるわけでも、ないけれど。
まあいいわ、行きましょ。今日は丸一日、付き合ってもらうんだから。
そう、丸一日……ね?




