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『落ちこぼれミーティング』

今日もみんなに指さされ


不細工な一日生き抜いた


何もしてないピエロみたい


知らない人も敵になる


こんな世界でバタついて


生きてく意味が分からない



だから私の世界で話し合おう


開いた画面に文字を打つ


顔も知らない誰かに嘆く


そんな日課も悪くない



「それはわたしも同意見」


味方がいるだけホッとした


声も知らないキミだけど


私の支えになってます






雨足強くて靴もない


泥まみれ それも慣れっこだ


他のみんなはカラフルで


私を避けて帰ります



そんな世界を生きてきて


歩く道さえわからない




こんな日常(セカイ)に既存して


楽しくないことばかりです


「その気持ち ボクも分かります」


同じ者同士 旗を振る






「もう、なにも見たくないよ」


暗闇に片足呑まれ


藻掻いても落ちるだけ


見下す彼らが正しいか──?



「こんなのは暴力だ」


コメント欄には味方の言葉


「大丈夫、キミはまだ大丈夫」


頑張らなくていいんだよ


それは悪いことなんかじゃないからね



「キミの生き方を邪魔する権利は誰にもないんだ」


「愛されて生まれてきたことを誇りに思って良いんだよ」


「生きていることを誰が悪いだなんて決めるんだ」


「間違っていることなんて何一つないんだよ」




たくさんの味方の声が溢れてきたんだ


文字だけなのに その想いに涙が出たんだ


顔も声も知らない人達だったけど


同じ想いで人は繋がりを結べるんだ




死ななくて良かった そう思えるのは


あの日の言葉と仲間の支え


今が嫌で嫌で死にたい日々を生き抜いて


それでも辛くて明日も生きなきゃいけなくて


濡れた枕で疲れも取れない


有義な時間を手放して


無駄な出費が積もっていくだけ




だから 私の世界でぶちまけよう


名前も知らないみんなと話そう


文字だけだから気持ちに張り付く


稚拙な想いも全部受け止めて


それでも返してくれる人達がいる



わたしは彼らに感謝しなければ


文字だけでは伝わらない想い


顔も声も知らない人達だったけど


話せて良かった人達だから


出逢うことこそ最初の一歩


踏み出せ 踏み出せ 一歩ずつ


下を向かない 振り向かない


前だけを見て、胸張って


「これが今のわたしだ」と


キミの目を見て言い切るんだ


怖さも辛さも全部忘れて


この時だけは 最初の私になりましょう


生きてる意味が分からないなんて


今はもう考える余地さえなくなった





差し伸べられた細い手に


不思議と優しい人だと分かった


私がその手を受け入れたあと


キミは恥ずかしそうに微笑(わら)ったんだ……。




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