表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生した幼馴染がチートの逆ハー作っとった  作者: 斉條
とりあえず「異世界キタ━(゜∀゜)━!ーーーー」細かいことはほっとけ
3/3

3

ズバァァァァァァァァァァァァァァァァン、グシャっと俺が人生にかけての一文を宣言している間に、大きい音と小さい音がして扉の所に倒れてたモブと、外で構えてた数人の男たちが一瞬で塵に・・、いや塵ではないちゃんと残っている。血と肉が。

見ていられないようなグロさ最悪の光景に吐き気が込み上げてきたが、ちゃんと自己内簡潔実況をしよう。


これをしたのはヘタレ魔王だ。なんかイライラしたようにヘタレが軽く手の平をかざして握りしめたその瞬間、俺がご覧の最悪の光景になったってわけだ。圧力かなんかを操っているに違いない。

魔王というのは本当に本当の本当のようだ。魔王の最強ステータスは本物らしい。

よほど、ストレスも溜まっていたようだがそれだけで圧力死、それ以前に殺してしまうだなんておかしい。


そりゃあ、魔王を悪役にするとすれば完璧なのだがミツルもそれが当然のように平然と振る舞っている。

俺はあっけにとられて、吐き気に囚われて苦しむ。囚われるならヤンデレ美少女って決めてたのにな。そんなくだらないことを考えているのがわかったのか更に吐き気が襲い掛かってきた。だってほんの数分で剣持ったおっさんが殺る気で攻めてきてそれから言葉を発するまでもなく血肉の塊になった。吐かずにいるにはどうすればいいんだ?吐き気が止まらない。


でもその吐き気もすぐ消えた。ついでに体力も溢れてくる。なんでもできそうな気がしてきた。何が起こったのか今度はわからずキョロキョロしているとミツルが手をかざしてくれているのがわかった。


「お前、ヒーラーなのか?」


女子がヒーラーってまあ、ありがちで優しいような女の子を想像できる。でもその分攻撃力が低かったりするから勇者が守ってあげて、ラスボスを倒した後二人は結婚する。みたいな、素晴らしきテンプレートよくあるよね。


「違うよ、ヒーラーなのはソワン。」


ソワンっていうのは優しそうで本物の爽やかなお兄さんだっけか?じゃあなんでミツルが回復技使えるんだ?誰でも回復系の技って使えるものなのか?


「ううん?私はね。奪う者。っていうかレンタルする者なんだよね。無料で。」


意味が分からない。悟れるようになっても頭がよくなったわけではないらしい。それとも余計なことにだけ気づいてしまう頭になっているのか俺の頭・・。


「じゃあ簡単に、この世界と魔法のこと教えるよ。その代り長くなるよ。」


合点了解です。この年齢でこの世界を全く知らずに暮らしていけるとは思っていない。

よく考えたら、俺って二回目の人生の寿命を17年くらい縮められて生きているのと同じようなものなんだよな。

そういう風に肝心なことを考えて周りの殺気をスルーする。なんと俺はスルースキルまで身に着けていたのだ。

そもそも小屋の中に血肉は一応入り込んでないとはいえ、匂いはひどい。その中で長い話をされるとかなりつらいものがあるが、それは異世界だからしょうがないで我慢しよう。


「まずは、私がこの世界へ転生して身に着けた知識をミツルという観点で話していくよ。」


長くなりそうだ。俺が耐えられるかどうかがかなり大事になってくる。

それで難しい話となればさらにごめんだ。


「異世界なので勿論魔法はあるし、魔物も魔族たっている。勿論魔王もいる。

でも魔法は生まれながらに持つ者にしか使えない。魔法を使えるものは100人に一人くらいなんだって。それも親の遺伝とかじゃなくて運命的なものらしいよ。

その魔法も人それぞれみんな持つものが違う。自分の持つ魔法の正体は自分で気づくまではわからないらしいよ。だから魔法を持っていたって気づかないまま死んじゃう人だっているんだ。」


なるほど、魔法を持って使えるものはすでにレア物なわけだ。百人に一人とかいうのがなんか魔法っていうか異世界とかそういう感じがするな。リアルじゃ、百人に一人だとかどうとか漫画以外だと病気などのたとえにしか使われない。


で、魔法を持ったものが初めの方にちょこっとあらわれてライバルになる。倒された場合はそれから魔法を持ってるやつばっかり敵にまわってくるイメージ・・。そのうち人工魔法とか出てくるんだよな。どうせ。


「まあ、能力的なものでね。誰がどう使うかによってもちろん強度もかわってくるわけだ。

魔王族はなぜか全員が魔法を持っている一族だが、魔王を見ていてわかるように悪用しているわけではない。でもこの時点で100人に1人という謳い文句は嘘のように思えるが、

勿論、魔法を持たない者だって何人もいる。ここで魔法というものの説明はついただろう。」


うんうん。ファンタジー異世界っぽいな。話の展開的には聞くのがちょっと早い気がするが。


「次はこの世界の話だ。でも勿論魔法を持たない、でも力は欲しい。そんな奴らはいる。そんな奴らは剣術を極め後に勇者と言われる。そりゃあ、魔法を持つ者だって剣なんかを極めれば勇者って呼ばれるよ。でも、それを国が許さないんだ。国は魔法を持たない元勇者の軍でね。国は他の奴らが大きな力を持つのが許せないんだ。アキト君に言わせれば、二次元ではよくある展開でしょ?」


ああ、本当によくある。嫉妬心からつまらない力関係の欲望、恐れから国一個潰す、とか言いはる王様。で、そういう王様の裏にラスボスがよくいるんだよな。本当は王様はいい王様で陰で操ってたとかいう展開がよくある。


「アリシャは、こちらの私はそれを許さなかったんだよ。なぜか彼女は自身も幼馴染も、家族すら不自然なことに魔法を持つものだったから。だから、魔法を持つからという理由で理不尽に殺されてしまった親の仇を打ちたいんだよ。アリシャは。私は。」


ミツルはアリシャという名前で、こちらへ転生したといっていた。こちらでも不幸になってしまったのか?ミツルは。そしてこちらでは自分自身ではなく、両親というもっともミツルが大事にしていたものを理不尽に殺されてしまったのか?

これ以上再び、ミツルを不幸にするのか?また、一人にするのか?

これ以上悲しい思いをミツルにさせるなら、神だろうと、ショタだろうと俺は殺してやる。


おっと、殺してやるなんて言葉が自然に出るとは・・、これはきっとこの世界のせいなんだろうな。ましてや、俺のせいなんかではなくミツルのせいでもない。俺はそう信じる。


「ミツルの記憶では本当の親じゃなかったとしても、アリシャにとっては本当の自分の生みの親。人生で最も大切な人たちだ。許せないに決まっているよね。

彼女はだから、私は国王軍をぶっ潰さなきゃならないんだよ。アキト君。

君は勇者になりたいって言ってたね?それは、国に反逆するべき理不尽を許さない勇者?それとも、理不尽な王に使える私たちの敵と呼ばれるべき勇者?」


ミツル自身が普段の自分の周りに醸し出される優しい空気を自ら殺気に変えて俺に問いただしてきた。怖い、なんて思わない。アリシャなんて人間は知らないけど、ミツルは俺にとってたった一人でずっと幼馴染だから。怖いだなんて決して思わない。むしろ、こんなにもミツルの空気を換えてしまった国王とやらを、理不尽な王を俺は許さないだろう。きっと。


「俺は・・・、前者かなー。お前がいる限りはな。」


本心だ。限りなく本心である。でもどことなくギャルゲーの主人公のセリフっぽい。


「生意気な口聞かないほうがいいよ、今の彼女の幼馴染は俺なんだから・・・・ね。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ