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プロローグ
僕は、自分が大嫌いだった。
ちょっとした言葉で傷ついてしまう弱っちぃ自分が。
友達を信用できず、悩みを打ち明けられない自分が。
友達の新しい一面を知るたびにその友達を少しずつ嫌いになっていく自分が。
いつもマイナス的な考え方をしてしまう自分が。
そして何より、自分の意見を言う勇気がない自分が大嫌いだった。
でも、そんな僕にある女が言ってくれたんだ。
「あなただって人間なんだから、少しくらい悪いところがあって当たり前じゃない」と。
僕は彼女に悩みを打ち明けたわけじゃない。それらしきことを言った覚えもない。だけど彼女は気付いてくれた。そして励ましてくれた。そんな彼女に、僕は恋をした。