アウトオブあーかい部! 〜部室棟 乙女の干物 集まりて 怠惰を極め 綴るは実績 電子の海へ あゝあーかい部〜 44話 チュパカブラ
ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図女学院。
そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。
あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。
『アウトオブあーかい部!』は、そんなあーかい部のみんなの活動記録外のお話……。
ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図女学院。
そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。
あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。
『アウトオブあーかい部!』は、そんなあーかい部のみんなの活動記録外のお話……。
とある金曜日の夜……あさぎのお隣さん、改めモーラの部屋。
「「……。」」
『そんな……俺のマグナムを豆鉄砲みてーに!?』
『やめろ……来るな、ぎゃぁぁぁあ!?』
「っしゃぁあ第一犠牲者ぁ!」
「こっちだったかあ……。」
モーラとあさぎは温めた冷凍シュウマイの山を箸でつつきながら、洋物のB級映画を優雅に嗜んでいた。
「……はぁ。これがポップコーンかフライドポテトなら…………よし!
「フライドポテトは冷蔵庫のシュウマイ食べきってからだからね?」
「えええ〜!?」
「買って来たのモーラ姉だし、冷蔵庫もう入んないでしょ……。」
「あと何本映画見ればいいのぉ……。」
「映画観なくても食べれるよね……?」
モーラのスマホがトークアプリPINEの着信音を奏でた。
「モーラ姉、映画止めとくねー。」
「ごめん、さんきゅ。」
モーラが通話に応じると、あさぎは黙々とシュウマイの山へと箸を伸ばし、口へと運んだ。
「……ん、美味しいけど……流石に、飽きる……そうだ。」
あさぎは冷蔵庫から焼肉のタレを持って来た。
「…………まあ、肉だし合うでしょ。」
あさぎはモーラが通話をしている傍らで小皿に焼肉のタレを注ぎ、シュウマイをつけて一口……。
「……いけるなこれ。」
あさぎが焼き肉のタレでシュウマイを食べすすめていると、やがて通話を終えたモーラが戻って来た。
「お待たせ〜……って、焼き肉のタレ?」
「意外といけるよ。」
「まあ…………肉かあ。」
モーラも釣られて焼肉のタレでシュウマイを一口。
「……おお。」
「でしょ?」
「美味しいけど……なんだろうこの背徳感。」
「シュウマイ食べてるって感じなくなったからじゃない?」
「そっかあ……。」
「美味しいけど……、映画観ながらは食べられないねこれ。」
「カーペットにタレこぼしたらあさぎの皮がおニューのカーペットになるからね。」
「金持ちの家に敷かれてるヤツ?」
「アレ悪趣味だよね〜。」
「その悪趣味な事やろうとしてたよね……?」
「あさぎの皮は……ほら。」
「もしかして皮目当てに肥えさせてる?」
「北京ダックか……。」
「モーラ姉、『アリかも』みたいな顔しないで?」
「じょーだんだって!皮も肉も美味しくいただくからさ♪」
「さっきまでB級パニック映画観てたのにサイコホラーときたか。」
「なんだっけそういうの……ポリリズム?」
「カニバリズムだよ……。」
「あー!そうそうそれだぁ!」
「……モーラ姉って海の向こうで変な肉食べたりしたの?」
「いや、流石に廻ったのは都市部だけだよ?そんな変なのは売ってなかったんじゃないかなぁ……。」
「え〜……。じゃあ、焚き火囲んでゾウムシの幼虫食べたりは
「したなあ……。」
「バナナの葉っぱフミフミしたり
「したなあ……。」
「おっきなカエル手掴みしたり
「したなあ。」
「…………変な都市だね。」
「ね〜?」
・・・・・・。
「……モーラ姉、チュパカブラいた?」
「あんなトゲトゲ、食べても美味しくないでしょ。」
「え"……いたの……?」
「いや、想像。」
「そっかあ……。」
「ビッグフ
「あさぎ、あたしのこと探検家だと思ってる……?」
「まあ。」
「言い切りよった……。」
「まあまあ、チュパカブラ想像しながら食べてみてよ。」
あさぎは目の前のシュウマイの山を指差した。
「はぁ……。んまあ、チュパカブラよりは…………、
モーラはモグモグとシュウマイを咀嚼した。
「……美味いかあ。」
「流石にチュパカブラよりはいけるでしょ。」
2人は停止していたテレビの画面に視線を戻した。
「『チュパカブラ』の続き観る?」
「だね。」
あさぎがテレビのリモコンを押すと、画面で静止していたおっきなチュパカブラが再び動き出した。
「美味しそうに食べるなあ……。」
『きゃぁぁぁあ!?』
『助けてくれー!!』
・・・・・・。
「……『チュパ』じゃないよなあ。」
「じゃないね〜。」
「思いっきりバリバリいってるし。」
「じゃああいつ『バリカブラ』?」
「「……。」」
「「……ダサ。」」
「『チュパ』ってつけた人凄いなあ……。」
「知らない人が想像で描いたら唇のお化けになりそうだもんね。」
「……モーラ姉描いてみてよ。」
「やだ怠い。」
『絶対に見つかるなよ……!?』
『そんな、奴ら待ち伏せ……ぎゃぁぁああ!?』
「「……。」」
いつしか2人は画面のチュパカブラが人を喰らうタイミングに合わせてシュウマイを食べる遊びに興じていた。
「……最後の一個。」
「けっこう食べたもんだね〜。」
「ってことは、この映画けっこうキルスコア高いな……?」
「なるほど……。食べものでパニック映画のキルスコア数えるの……アリだな。」
「いや、その前にモーラ姉はその悪癖直して。」
2人の前のテレビにはこんがり黒焦げになり力なく倒れるチュパカブラが映し出されていた。
「ああ〜!?シュウマイの直火焼きやってないじゃん!?」
「盲点だったなあ……。」
「……やる?」
「やりません。」
「かぶりつきたかったな〜……?」
「ダメ。」
「う〜ん、チュパ『カブらず』……。」




