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ゴーストイーター 葦野雁村の惨劇  作者: 榎広知幸
第三幕 霞乃家の一族

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48/75

48・浴室で

 風呂場に向かった翔子は、由那と一緒にお風呂に入ることになった。


 翔子は脱衣所で着ている服と下着を脱ぎ全裸になると、タオルを片手に浴室へと入る。


 浴室はかなり広く、湯船は一度に4人くらいは入れそうな程の大きさがあった。


「大きなお風呂……。さすが霞乃屋敷って感じだね」

「そうですか? でも、いくら広くてもわたしお風呂はいつもは一人で入るので、結構寂しく感じることもあるんですよね。でも、今日は翔子さんが一緒に入ってくれて嬉しいです!」


 そう言って、おさげ髪をほどいた由那が笑顔で微笑む。


 シャワーで頭と身体を洗うと、翔子は髪をまとめると洗い場から湯船へと入る。


 湯船に浸かった翔子は天井を見上げると、うーんと伸びをした。


(ふう、お湯加減もちょうど良くて気持ちいい。来て良かったな……)


 翔子がそんな事を考えながら、お風呂のなんともいえない心地よさに浸っていると、ドボンと湯船に飛び込んだ由那がびゅっと手で水鉄砲を飛ばしてきた。


「あうっ!」


 翔子は顔にまともにお湯を浴びて、思わず声をあげてしまう。

 そんな翔子に、由那は笑いながら言った。


「えへへ、こういうの、誰かにちょっとやって見たかったんです!」

「もう……。じゃあ、お返しだよ」


 そう言うと、翔子は両手を使ってお湯をざばっと由那に浴びせかけた。


「うっ……。翔子さん、やりましたね! じゃあこれならどうですか!」


 お湯を浴びせられた由那はムキになったのか、今度は全身を使ってザバザバっとすごい勢いでお湯を掻き出し、翔子はそれをまともに受けてしまう。


「あぶっ……」


 お湯を受けた拍子に、思わず湯船の中で転びそうになってしまう翔子。

 その姿を見て、由那はふふんと勝ち誇ったような表情を浮かべた。


 翔子はその由那の表情にすこしかちんと来て、こっちも何かお返ししようとした所で、ふいに洗い場の方から声が聞こえた。


「何やってるの……?」

「……あ」


 翔子は声がした方を見て、思わず声をあげる。


 そこには、タオルで前を隠した裸の蓮花が立っていた。


「あ、お姉ちゃんもお風呂ですか! わたし、お姉ちゃんと一緒にお風呂に入るなんて久しぶりの事で嬉しいです!」


 蓮花が浴室に入って来たことに気づいた由那が嬉しそうに言う。


「……どうも」


 いつから蓮花が浴室にいたのか分からないけど、恥ずかしい所を見られたかもしれないなと思いながら、翔子はそう言って軽く頭を下げた。


 蓮花は冷たい目で由那と翔子を見ながら言う。


「……あなたたちが入ってるって知ってたら、遠慮したんだけど」


 蓮花に冷たい目を向けられることになれているのか、由那はなんとも思っていないようなとぼけた感じで言葉を返す。


「ほへ、わたしたちの脱いだ服、気が付きませんでしたか?」

「……洗濯物だと思ったわ。浴室は防音だから中の音も聞こえないし……はぁ」


 そう蓮花はため息をつくと、洗い場に座り、その黒く長い髪をシャワーで洗いはじめる。


 スレンダーな一糸まとわぬ蓮花の姿を見ながら翔子ははすな様の事を思い出し、今頃どうしているんだろうとその存在に思いを馳せた。

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