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第17話 空間移動で〜す

「なあエルフィー、俺にも結界貼るって言った?」

「勿論そうするわよ?いやなの?」

「そう言う訳じゃないよ……俺はそもそも、攻撃には自信があるんだ。

 これで防御が完璧になったら無敵になっちまう……大歓迎だよ……

 でもさ、ふと思ったんだけど……もしかして散髪……髪を切れなくならんか?

 切ろうとしたら跳ね返されるとか?

 男だし、伸ばしっぱなしは、まずいからな?

 ましてや、一応、俺もアンカーも王子だぞ?ボサボサ頭ではいられないぞ?」

「大丈夫よ。皮膚の表面だけに貼ったから、髪は切れる……

 あっ……お風呂で身体洗えるかな?」

「ハハハハッ。エルフィー勘弁してくれよ?俺、風呂で体洗いたいぞ?

 それに何より、体を洗えないと、お前達が困るだろ」

「静かに擦れば、大丈夫だとは思うけど……

 う〜んと、どうしようかな〜?

 思いつきだから……これは色々改良の余地有るわね……」

「エル姉、だったら、敵意のある攻撃だけ弾くようにしたら?」

「そんな細かい条件付けるの難しいんじゃ無いか?」

「あら、出来るかもよ?結界魔法は得意だって言ったじゃない。

 多分、こんな感じに結界を張りたいって思えば、

 案外、苦労せずに、出来るんじゃ無い?」

「それが出来たら……やはり反則級ですね?姉上の魔法……」

 アンカーと自分に、結界を貼り直し、

 更に、メアリナとマックスにも、結界を貼るエルフィナ。

「お前、結界魔法は得意だって言ってたけど、

 いつからそんなに結界を張るのが、上手くなったんだ?」

「ああ……ほら、近付いてほしくない人とかいるでしょ?

 バカ王子とか、貴方の兄とか……」

「どっちも一緒じゃね〜か」

「性懲りも無く、まだコソコソと、

 纏わりついて来るのよ?まるでストーカー……」

「本当、お前、必要な時はちゃんと魔法出来るんだな?」



「さあ〜て……そろそろ行くわよ?でもその前に……

 ねえ?アンカー……そちらの護衛の方達は、信頼出来る方々?」

「ええ、全員信用のおける者達ですよ?どうかしましたか?」

「そこの落ち着きがない、彼も?」

「ビンスですか?もちろんです。幼馴染でもあるんです。

 何か気になる事でもありましたか?」

「ビンスさんですか?貴方何故そんなに汗をかいているのです?

 ご存知かどうか知りませんけど……

 私、呪いで色々酷い目にあってきたのです……

 それで自然と、他人の顔色を伺うのが、得意になったのですよ?

 貴方、何か隠していませんか?」

「い……いえ、そんな事は……」

「私、少し先の未来を見る事が出来ます。

 大丈夫。安心して……貴方に悪いことは起こりませんよ?

 だから私を信じて、隠さずにお話し下さい」

「あ……姉上……」

「アンカーは、心配しなくて良いのよ?

 ねえ、ビンスさん。例えば貴方、(ふところ)に猛毒を……」


 〝シャキン!〟

 エルフィナの話しが終わる前に、

 ヴィンスの首に剣を突きつける護衛隊長のオーティス。

「動くなヴィンス!レッド!ヴィンスの懐を調べろ」

「オーティス隊長。こんな物が」

「その瓶の中身は何だ?ヴィンス」

「………………」

「だんまりか?ヴィンス……お前それを飲んでみろ……」

「隊長さん。そんなことさせなくても良いのですよ?

 幼馴染みなんでしょ?心優しいアンカーには、少し辛いでしょ?貴方にもね……

 飲ませろと言いながら、苦悶の表情してたわよ?貴方……

 え〜と……オーティスさん?」



「何故だヴィンス?私とお前とオーティスは、

 小さい頃からの付き合いじゃ無いか?」

「す……すみません……妹を人質に取られて……」

「誰がそんな事を?」

「申し訳ありません……言えません……妹の命が……」


「妹さんてこの子かしら?」

「「「「えっ?」」」」

「エルフィー!お前この一瞬で?」

「ホ〜ホッホホ〜私の得意技の一つ……って言う程、

 得意技多くないんだけどね……空間移動で〜す」

「ちょっと待て……それって、行った所しか行けないんじゃ無かったか?」

「ね!そうよね?」

「はぁ?〝そうよね?〟?」

「妹さんって聞いた途端、目に浮かんだのよ……妹さんらしき女の子が!

 そしたら次の瞬間そこに一瞬で移動してたって訳!驚き〜」

「「「「……………………」」」」

「ん?驚かない?」

「驚きすぎて言葉が出ない……出来る事は数少ないとは言え、

 めちゃくちゃ進化してるな……

 上手く組み合わせれば、どんな事でも出来ちまう気がするわ」

「……そんな事より……ねえねえ、この子が妹さんで間違いない?」

「は……はい……(とら)われていた妹です……」

 涙ぐむビンス。


「なんか、とっても大きな屋敷の地下牢に入れられてたわよ?」

「大きな屋敷?」

「宰相殿です」

 妹の無事に安心したヴィンスが答える。

「あ……あの人が?」

「あの人ってこの人?」

「「「「えっ?宰相殿?」」」」

「ひい〜〜!近づくな!このオークの化け物が〜」

「あっ……あれやってるな……」

「あのビビリよう……今日のは特に凄そうね?」

「あれとは何ですか?」

「エル姉、認識阻害の魔法で、オークみたいに見える様にしてるのよ」

「えっと……いつもの美しい姉上にしか見えませんが?」

「ああ、俺たちにも、いつものエルフィーだよ。

 エルフィーに向けられている感情によって、人それぞれ、ずいぶん見え方が違うみたいなんだよ」

「あのね……あの人、屋敷の主人あるじみたいだったから、

 きっと関係していると思って、一緒に連れてきたのよ」

「ジオランド宰相?貴方が単独でやる訳ないですよね?

 誰と共謀してこの様な事を?」

「………………」

「ギザマ〜喋らんと、この場で食い(ごろ)すぞ〜〜」

「やだ、エル姉ノリノリ……」

数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

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