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第15話 結界魔法には自信があるのよ?

「で、お前が毒を盛った……と言う事で間違いないか?」

「あ……も、申し訳ありません……私です……」

「誰の差し金だ?」

「アンカー王子。主犯探しはやめときませんか?」

「え……何故です?」

「首謀者を見つけ、その勢力と徹底的に戦う……

 その覚悟が、おありなら止めませんが……

 多分ですが……それをしてしまうと……帝国が混乱に陥りますよ?

 私達4人には、毒をもってしても、どうする事も出来なかった……

 それを首謀者に知らしめたと言うだけでも良いのでは?」

「私達4人……ですか?はい!そうですね?私達4人……」

「そこ?アンカー? ね?エル姉」

「すみません。なんか、お仲間に入れて頂けてる様で……」

(そりゃそうよ。なんたってメアリーの将来のお婿さんなんだから……ね?メアリー)

(エル姉、し〜、し〜)

「あっ!メアリナ様、又顔が赤いですよ?ま、まさか毒に……」

「違います!もうアンカーったら……」

「メアリー。失礼よ!呼び捨て?」

「良いのです。むしろ親しげで嬉しいです!」

「こりゃ、決まりだな?」

「な、何がです?」

「アンカー鈍感!私も呼び捨てで良いわよね?私の弟になるんだから」

「えっえっえ?見えた未来って……」

 メアリナ、アンカー、2人共顔が真っ赤っかに染まっていた。



「うわ〜王城からそう遠く無いのに、こんな景色の良い場所があるのね」

 コスタル帝国の王都は、海に面していて大きな港もある。

 ここは王城から、馬車でほんの20分程度の距離なのだが、

 山に囲まれ、街並みは見えず、

 海だけを見下ろす丘の上のレストランのテラス席にいた。

「王都に隣接しているとは思えないリゾート地みたいな場所でしょ?

 私の母がここの景色が大好きで、このレストランを造ったのです。

 だから毎週のように来ていました。

 幼い頃の、母との数少ない思い出の場所なんです。

 天気の良い日の夕方来ると、夕陽が凄く綺麗なんですよ」

「でもアンカー皇子……暫くはここに来ない方がよろしくってよ?」

「何故です?」

「あそこを見てみて」

「あれ?中腹の辺りに土煙?」

「殺意を持った100人程が、ここに向かってますよ?

 こちらの護衛は10人程ですか?

 ここは袋小路だから逃げ場がないでしょ?

 貴方を狙う勢力を何とかしないうちは、暫く来ない方が賢明よ?」

「懲りもせずに、立て続けに仕掛けてくるとは……

 申し訳ありません。私の油断です……どうしたら……」

「決まってるじゃない」

「……と申しますと?」

「食事にしましょ?ここはレストランでしょ?もうお腹ぺこぺこ」

「……え?あの賊どもは?」

「大丈夫よ?ここ一帯1kmに結界を張ったから。

 触ると跳ね飛ばされる特殊な結界よ。

 私の出来る数少ない魔法の1つよ。結界魔法には自信があるのよ?

 ほら、見て。跳ね飛ばされて、こちらに来れずバタバタと慌てて、

 物凄く土煙が立ってるわよ。

 こっそり近づきたかったんでしょうけどね……

 帰りは、馬車と護衛の方の周りに、同じ結界を張って帰りましょ。

 皆んな跳ね飛ばされるわよ?見ものでしょ?

 それにしても、昨日ああ言っておいてなんですけど……

 私達を狙う勢力を徹底的に潰す必要がありますね?何とか出来ないかな?

 このままだと私達が帰国した後の、アンカー皇子の身が心配よね?」

「……それにしても……エルフィナ様……

 100人の敵を前に、何でそんなに落ち着いておられるのですか……」

「何でかしらね?昨日、メアリーや貴方の未来が見えたからかしら?

 未来で皆んなあ幸せそうに暮らしてたもの。

 無事やり過ごせるって分かってるから……

 それに、万が一だけど、追い込まれた時の私の魔法は反則級らしいわよ?」

「反則級……そこまでなのですか……」

「そうみたいよ?だから何かあったら頼ってね。

 って言うか頼ってくれないと怒るわよ?」

「……もう既に1度、命を救われております……

 これで2度目です……何とお礼を言ったら良いのか……」

「だから、貴方は、もう私の弟だって言ったでしょ?

 姉が弟を助けるのは当たり前の事よ?お礼なんて言わなくて良いのよ」

「アンカー。エル姉の家族愛は凄いわよ?覚悟した方がいいわよ?」

「……だな……お前達に何かあったら、世界が滅びかねない……」

「あら?マック兄もじゃない?」

「そ、そうか?へへ……」

「何が〝へへ〟よ……」

「エル姉顔が赤いわよ」

「さ、食事食事!お腹ぺこぺこよ」

「やっぱり食べるのね?なんか私喉を通るか……」

「もちろん食べるわよ。せっかくシェフが心を込めて料理してくれたんだから」



「海が目の前ってだけあって、魚介の料理が抜群に美味いな」

「ありがとうございます。この店の自慢の料理なんです」

「皆んな普通に食べてるじゃない。動じなくなってきたわね?

 でも、アンカーは、これからも油断しちゃだめよ?」

「はい。あ……あ、姉上……」

 顔を赤く染めるアンカーと、無理やり姉と呼ばせているエルフィナだった。

数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

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