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第14話 ちょっと待って!!食べちゃダメ!

「お風呂広いわね?離宮とは思えない……

 アンカー皇子のお母様って、お風呂好きだったのかな?」

「そうかもね?それにしても一緒にお風呂入るなんて、

 何年ぶりかしらね?あれ?何これ?」

「ん?……何?」

「ううん、何でもない……」

(これって聖紋よね?)

 メアリナの首の後ろに、広げた羽根の様な模様が浮き出ていた。

「……それにしても……」

「キャッ!どこ触ってるのよ?」

「15歳にしては育ちすぎじゃない?〝プニプニ……〟

 きめが細かくすべすべで、透き通る様に白い肌」

「だからどこ触ってるのよ?」

「柔らかおっぱい。いつの間にこんなに育ったのかしら?」

「エル姉こそ、16歳にして、

 私より立派に育ってるじゃない……それに凄く綺麗だし」


「お〜い!ただでさえ1人で寂しいのに。なんちゅう会話してるんだよ?

 俺もそっちに行かせてくれ」

 壁一つ離れた所でマックスが叫ぶ。

 隔てた壁の上は空いていて繋がっていた。

「お馬鹿がまたなんか言ってるわよ?

 覗いたら許さないわよ?マックス!」


「「キャァ〜!」」

 突然何かに驚き叫ぶ2人。

「ど、どうした〜!」

「「入ってくんな〜変態!」」

 2人が投げた桶が、2個とも見事にマックスに命中する。

 〝ボコボコッ!〟

「イッテ〜!何だよ?心配してやったのに……」

「聖獣2匹が入ってきて驚いただけよ!

 大丈夫だから向こうに戻りなさい!

 目え(つぶ)れ〜!桶よりもっと痛〜い魔法が飛ぶわよ?」

「分かったよ。でも、お年頃の男子が居るんだから、

 ああいう会話はNGだぞ。想像して夜寝れなくなるだろ?」

「わ〜マックス、エッチ〜」

「マック兄、最低〜」

「メアリー。これが普通だからな?ふ・つ・う」

「お馬鹿は、ほっといて、この子達洗ってあげよ?」

 この後も続く〝キャピキャピ〟した声に、

 その夜は寝れなくなるマックスだった。

「おっぱいが1つ……おっぱいが2つ……ね、眠れん……」



「わ〜美味しそう。全部コスタルの料理?

 スパイスが効いていて良い香り〜」

「今夜は、なにぶんにも急だったので、

 たいした料理は出せませんが……」

「いや、十分()()()()料理でしょ?

 ジェフの方々にお礼を言っておいて」


「このポタージュは、帝国特産のポテトを、

 冷温倉庫で、1月(ひとつき)ほど寝かせて、まろやかな甘みを出した物です」

 そう言いながら、口にポタージュを運ぶアンカー。

「ちょっと待って!!食べちゃダメ!」

「えっ?どうしました?」

「それ毒が入ってるわよ?」

「ま、まさか……だ、誰か!今直ぐ、これを料理した者を呼んでくれ!」



「殿下……ポタージュを料理した男、どこにもおりません……

 最近入ったばかりの奴です。申し訳ございません」

「どうやらその男、怪しさマックスね」

「マックスとか言うな……」

「申し訳ありません。決して私の命じた事では……」

「当たり前じゃない?何も疑ってないわよ?

 貴方、真っ先にポタージュを口に入れようとしたんだから。

 それよりお腹減ったから、残りの料理を頂きましょ?」

「いえ……しかし……」

「他のは大丈夫だって言ってるもの」

「え?大丈夫?言ってる? あ、あの……残りが大丈夫って言うのは?

 それにポタージュに毒が入ってるって、何故分かったのですか?」

「この子達が、そう言ってるもの」

「聖獣がですか?」

 エルフィナの足元で2匹の聖獣が、

 尻尾を振りながら楽しそうに食事していた。

「そうよ?この子達、犬以上に、鼻が利くって言ってるわよ」

「ああ、それで……って、なぜこの子達の言っている事が分かるのですか?」

「私ずっとオークそっくりって言われていたのよ?

 動物とか魔物……聖獣だって意思疎通できるわよ?」

「え?本当ですか?」

「やだ冗談に決まってるじゃない。もうアンカー皇子ってば……

 貴方、素直すぎよ?すごく良い人なのは分かるけど、少し心配ね?

 メアリーの旦那さんになる人は、もう少し慎重になってもらわないと」

「「えっ?」」

「な……何でもありません。それよりほら、冷めないうちに頂きましょう?」

 メアリナが、顔を赤くして、俯いていた。

「でしたら、何故分かったのですか?」

「何となく、この子達の思ってる事が分かっちゃった……何でだろ?」



「だ、誰だ?」

 ボーっとした表情で、ひょっこり現れた1人の男。

「あっ!こいつです!この男……うちで最近雇った料理人……

 お前なんだな?これを料理したのは?」

「あ……は、はい……私です……」

「なぜ、のこのこ戻ってきた?逃げたんじゃないのか?

 あっ、まさか、あの……これも……エルフィナ様の魔法でですか?」

「えっと……どんな奴か見てみたいわ……とは、思ったかな?」

「思うだけで、どんな魔法も使えるって言うのは本当だったのですね?」

「時々よ?時々……」

「反則だろ?エルフィーの魔法は」

数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

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