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第13話 モフモフ聖獣の子

「へ〜アンカーの離宮って、建物も可愛くて、

 花畑に囲まれて、すごく綺麗だな。

 だけど、何でアンカーだけ離宮で暮らしてるんだ?」

「はい……私だけ2人の兄とは、母親が違いまして……」

「それは知ってるけど、王家では良く有る事だろ?

 お前の母上は、確か、アンカーが幼い頃亡くなったとか?」

「ええ、母の出身は、子爵家で……貴族としては身分が低く、

 王宮で勉強も兼ねて、働いていたらしいのですが……

 父にみそめられ……そして私が産まれ……

 ただ皇妃とは……その……色々……」

「ふ〜ん。それで離宮に?母上が、亡くなられた後もアンカー1人で?」

「はい……お分かりかもしれませんが……家族とは余りソリが合わなくて……

 ここの方が落ち着くのです。

 それに、母が造った、花に囲まれた離宮が気に入っておりまして」

「アンカー皇子。貴方の母上様は、素晴らしい方だった様ですね?」

「えっ?エルフィナ様?母をご存知なのですか?」

「ううん。でも貴方を見れば、貴方の母上様の事は、自ずと分かりますよ?」

「そうよね。私にも分かるわ。アンカー皇子は、とても良い人そうだもの」

「ありがとうございます。そう言って頂けて、とても嬉しいです」



 〝キャウンキャウン……キュウンキュウン……〟

「ちょっとあれ見てエル姉!超可愛い!」

「何?なんなのこの2匹の可愛いモフモフは?」

「メアリー、動物の赤ちゃん大好きよね?てか、嫌いな人はいないか……

 ワンチャンかしら?ん?もしかして魔獣?いや違うわね……聖獣?

 ちょっとアンカー王子?この子達どうしたの?分かってます?

 この子達、神の使いなんじゃない?」

「え!?聖獣?そうなのですか?昨日離宮に迷い込んできて、

 どこにも親犬……じゃない……その……親聖獣?いないのですよ」

「あれ?ちょっと貴方!あれれっ?」

 突然アンカーの両肩を掴み、じっと目を見つめるエルフィナ。

「〝あれれっ?〟?」

「あ、ごめんなさい。ちょっと、貴方の未来が見えた気がして……

 私ね、前から悪い事の起こる予感を感じる事が出来たのだけど、

 最近は、悪い事とか関係なく、突然未来が見えたりするのよ。

 それに……ねえ?もう一度、目を見せてくれる。うん、やっぱり……

 貴方、神の加護があるんじゃないかしら?

 そう言うのも感じる様になったの」

「え……そ、そうなんですか?」

「ええ、聖獣使いの加護かな?」

「どう言う加護なのでしょう?」

「動物やら何やら、聖獣まで、使役できる加護だと思うわ?

 普通、聖獣は人には懐かないわよ?こうやって懐かれてるのが良い証拠よ?」

「そうなんですか……」

「あら?あんまり嬉しそうじゃないわね?」

「要はビーストテイマーの上位種みたいなものですよね?

 割と有りがちなんではありませんか?」

「聖獣まで従える事の出来る人は、

 歴史上でも、これ迄に数える程しか居なかったはずよ?

 聖獣が力を貸してくれるのだから、帝国最強にさえなり得る加護だと思うわよ」

「そんなに凄いのですか?

 あ、でも、メアリナ様の顔をペロペロ舐めて懐いていますけど……

 こっちの子はエルフィナ様に抱かれてすごく嬉しそう……

 めちゃ尻尾を振ってますけど……」

「あれれ?何で?」

「ああそうでした。神の愛子の、エルフィナ様と、その妹様ですものね。

 神の使いの聖獣が、懐いて当然ですね」

 何故か自己納得するアンカー。

(〝神の愛子〟って、私が声の聞こえ方を変えて、適当に言っただけなんだけど……)


 〝チョイチョイ〟

「何?メアリー。袖を引っ張って?」

(この子達可愛すぎ……欲しい……)

「ダメよ。聖獣なのよ?そんな貴重な……」

「構いませんよ?こんなに懐いていますし」

「えっ!宜しいのですか?アンカー王子」

「ダメよ。アンカー王子の加護の元にやったきた聖獣なんだから」

「いえ、さっきまで、子犬だと思ってましたし……

 それでは、私とメアリナ様とで1匹ずつ育てませんか?」

「本当にそれで宜しいの?……

 でもこの子達を引き離すのは、少し可哀想な気が……

 まあ、近い将来また2匹一緒になるとは思いますけど……」

「「???」」



(ねえ、エル姉。さっきの何?近い将来とか、どんな未来が見えたの?)

(フフ、ナイショ)

(教えて!もしかして、私と彼が一緒になるとか?……)

(うわ!なんで分かった?メアリーにも予知能力が……な訳ないか?)

(ほ、ほんと?)

(良かったじゃない?彼、超美形だし、優しくて良い人そうだし)

 見る見る顔が赤く染まるメアリナ。

「顔が赤いですよ?どうかされましたか?」

「「ナイショ!」」



「今日はもう余り時間がありませんから、

 城下の案内は明日でも宜しいですか?」

「そうよね……早く見てみたいけど、

 この時間じゃゆっくり出来ないものね」

「でしたら、湯にでも浸かってゆっくりなさって下さい。

 ここのお風呂は自慢の風呂なんです。よく褒められるんですよ。

 ゆっくり身体を休めて下さい。

 夕食の用意が出来ましたらお呼び致しますね」

数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

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