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【ウエディング異世界転生】~2人は幸せを目指し異世界で魔女の呪いと戦う  作者: ゆきちゃん
第3章 大魔法師の4人の弟子は黒魔女となり呪いをかけた
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32 第3の魔女ランダ3

 心配した2人が、第3の魔女ランダと大魔法師マーリンとのやりとりを見ていた。


 聖女で白魔女でもあるソーニャ王女が、投映魔法でそのシーンを空間に映していた。


 そしてそれを、騎士カイロスとともに見届けていた。


 2人だけでいる時は、つい異世界転生前の名前で呼び合っていた。


「悟さん。あのハートのブローチはなんでしょう? 」


「確かあれは、大魔法師さんの洞窟にお邪魔した時、ある棚の中に何気なく飾られていました」




 その日、騎士カイロスは、大魔法師マーリンが住む高山の洞窟の部屋を訪問していた。


「カイロス様とソーニャ王女様が初めて出会った時は、どんな様子でしたか? 」


「もう御存知だとは思いますが、異世界転生前の話です。不思議な感じでした。王都のような人の往来が激しい街で、変なことをしている彼女を見ました。彼女はかがんで草を見ていたのです」


「『草を見ていた』のですか? それはどうしてですか」


「環境が厳しい場所に一生懸命根を張って、生きている一株の草を応援していたのです。私は友人達と他の用事があったのですが、思わず足を止めました。そしてしゃがみ込んでいる彼女に声をかけた」


「それはまた、特別な出会いでしたね」


「はい。それから立ち上がった彼女を見た時も、さらに何倍も驚きました」


「美貌ですか? 」


「いえ、少し感じが違います。違いますけど、彼女を見て心がとても強く引き込まれました。そして、その力は今まで、ずっと私に作用しています」


「‥‥‥‥ そうなんですか。私とランダとの間とは違うのですね」


「大魔法師様、違ってもよいのですよ。無限の人々がいるたくさんの世界で、長い未来を一緒に歩くたくさんの2人がいると思いますが、運命はそれぞれ、違う道を用意していると思います」


 騎士カイロスはそう言った後、何気なく部屋の中に視線がいった。


 ごくごく普通の部屋。


 男性らしく、機能性を重視していた。


 壁には本棚があり、たいそう価値があると思われる魔法書がたくさん置かれていた。


 たくさんあったが、ある区画だけ魔法書は置かれてなく小さな小箱が置かれていた。


 不思議に思って騎士カイロスはそれに近づいた。


「大魔法師様。この小箱は‥‥?? 」


 大魔法師も近づいて、その小箱を見た。


「小箱自体が手作りで表面に綺麗な手編みのクロスが張られているから、ここに飾っているのです」


「これは相当な技術です。ところで、これはどうやって手に入れられたのでしょうか? 」


「‥‥‥‥‥‥ はるか昔の話しです。数百年目、私の弟子だったランダが持ってきたものです」


「あ――――の これは小箱なんですが、中に何か入っているのでしょうか?開けたことは? 」


「えっ! そういえばそうですね。実は数百年開けたことはありません」


「どうでしょうか。今開けて見ては」


「わかりました」


 大魔法師マーリンは本棚から小箱をとって、ふたを開けた。


 すると


 数百年経っているのもかかわらず、中からとても良い花の香りが漂った。


「これは、時間を経て何かを保存する停時魔法、それから中に入っているのは―― 」


 中に入っていたのは、赤いハートのブローチだった。


 大魔法師マーリンは心の底から驚いた。


「えっ、えっ!! これはどういうような意味ですか?? 」


「異世界転生前の私の世界とたぶん、意味は同じなのでしょうね。『私はあなたを愛している。だから私のハート《心・心臓)を受け取って』という意味です」


「‥‥‥‥‥‥ しまった!! 数百年後に自分の大失敗に気が付くなんて!! 」


「大丈夫ですよ。さあ、すぐにリカバリーしましょう」




 大魔法師マーリンが赤いハートのブローチを取り出し、魔女に見せた。


 その瞬間、数百年の時間が瞬く間につながった。


「それは‥‥‥‥‥‥ 」


 そう言ったきり、第3の魔女ランダは押し黙った。


「ほんとうに申し訳ない。ただ魔法のことばかり考えてしまう変な男だから、返事を返すのにこんな・ばかげた時間がかかってしまった。これからは、ずっとここで一緒に暮らしてほしい」


「あのう‥‥‥‥‥‥ 」


 第3の魔女ランダの両目にはみるみるうちに大粒の涙が溜まり、こぼれ落ちた。


「でも、もう私は黒魔女になってしまいました。あの暗黒の絶対神と血よりも濃い契約を結んでしまったのです。ほんとうにお気持ちはうれしいのですが」




「大丈夫。やり方はあるわ。騎士カイロスならは聖剣クトネリシカに使い、黒魔女になる魔力だけを消滅させることができるわ」

 

 白魔女となったマリがその場所にいきなり転移してきた。


「そう、マリには白魔女の部分があったから。でも、私にも残っているのかしら」


「問題ないわ。むしろ私よりも大きく残っているはず。なにしろランダの心の大部分は、お師匠様に対する愛なのだから。あなたの師匠様に対する愛は白魔女の部分よ」


「そう!! うれしい!! でも、根源自体を消滅させる聖剣で、その人のある部分だけを消滅させ、残りを残すことはできるのかしら?? 」


「私の時はできたから、たぶん大丈夫」


 その時、聖女であるソーニャ王女がその場所に転生して言った。


「私の騎士を信頼してください。彼は絶対失敗しないので」




 翌日、騎士カイロス、ソーニャ王女、大魔法師マーリン、白魔女マリが王宮の前の広場に集まった。


 さらにロメル国王自らが視察していた。


 その中で、騎士カイロスは聖剣で第3の魔女ランダの黒魔女の部分を消滅させた。


 白魔女になったランダが言った。


「私の愛が報われたことで、ロメル王国の恋人達にかけた呪いも消滅しています。ただ、心配なことは呪いを受けて別れてしまった恋人達のその後です」


 白魔女マリが言った。


「ランダ、それは仕方がないわ。自然の成り行き任せで良いのよ」


「う――ん、でも強い呪いの力で離れてしまった2人の時間軸が再び交わることは難しいわね。私だけ、師匠様への気持ちが報われて幸せになった。申し訳ないわ」


 それを聞いて。ソーニャ王女が言った。


「ランダさん。あなたは白魔女になられました。白魔女が使える魔法の中に『結びの魔法』があります。その魔法を使いかって愛し合っていた恋人どおしの時間軸を再び結ぶのです」


「私は白魔女になったばかりです。すぐにできるでしょうか? 」


「大丈夫。白魔女であれば息を吸うように自然にできるはずですよ。心の中をのぞいてみてください。」


 ランダは自分の心がもう知らないうちに、「結びの魔法」の術式を知っていることを認識した。



 







お読みいただき心より感謝申しわげます。

皆様の休日を少しでも充実できれば、とても、うれしいです。


もしお気に召しましたら、ブックマーク、重ねて御評価いただけると作者の大変な励みになります。

よろしくお願い致します。





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