「聞いてるから続けて…」
震えてる、其れが何故なのかは聞いて知って仕舞ってるから。
「違うね…、居たんだよ正樹っていう弟が…」
其処で途切れて次の言葉が零れて来ない、震えてる、直接は聞いて居ないが大まかには想像出来た事だ、何故かは聞いて知って仕舞ってるから。
「聞いてるから続けて…」
「ありがと、マー坊。」
「気にしないで良いよ。」
「未だあたしが小学校に上がる前の頃、弟が出来たんだ…」
言葉が少し明るく為った、多分笑ってる、そう感じる。
「お母さんが教えて呉れたの赤ちゃんが出来たって、嬉しそうに笑ってたの…」
「美澄は嬉しく無かったんじゃないの、両親を独り占め出来なく為るんだよ?」
「あたしそんなに意地悪じゃない!」
「如何だかな?」
解ってるよちゃんと聞いて居るから、どんなに楽しみにしてたかを知ってるから。
「マー坊…、一寸お仕置き必要かな?、優しい優しいお姉ちゃんが可愛がって上げるから?」
(ФωФ)フフフ・・・
「イヤイヤそれは謹んでお断り致します。」
((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル
「ハイッ、良い子で聞いてね♥」
( ^ω^ )ニコニコ
「其れは勿論!」
((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル
「ホントにマー坊てっば…、アッ!、マー坊の馬鹿!、何処迄話したか忘れちゃったじゃない!」
(#^ω^)ピキピキ
「大丈夫!、ちゃんと覚えてる!」
「嘘おっしゃい!」
(#^ω^)ピキピキピキピキ
「赤ちゃんが出来たって嬉しそうに笑ってたのって言ってた!」
(≧▽≦)/
「合ってるけど…、マー坊ってホントに生意気!」
「素直だって思うんだけど…」
(・・?
「もう良いわ、是じゃ話が進まなくなっちゃう…」
「助かった…」
「なんか言った?」
(#^ω^)ピキ
「何にも言って無い!」
((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル
「ホントに進まない…、其れでね……」
そして楽しそうに次々に言葉は零れ続け、弟だって決めてた事も、名前も決めてたって事も核心に届く処迄ホントに楽しそうに…。
そして溢れていた嬉しそうだった言葉が止んだ、此処が其の時なんだ…。
シャワーの音だけが響く浴室、俺の右肩、美澄の右肩、其れが流れ落ち続けて温かい、シャワーの当らぬ左肩に温かい物が落ち始め、背中へ落ちて行き冷たく為って行く、お姉ちゃんだと気丈に感情を抑えているのが解る、シャワーのお陰で暖かくなって居る浴室なのに、寒くは無い筈の背中に当たる丸い柔らかい物二つ、首から抱かれた腕からも伝わり始めた小刻みな震え、我慢する必要など全く無いのに…。
是が上に立つ者と言う事なのか?、弟の前では弱い所を見せらねぬ姉と言う者か?、俺の姉も乞う言う人に成ったのだろうか?、美澄は本当に弟に逢いたかったんだろうな…。
俺も逢って見たかったな…、俺が此の地に、そして成りたいものに成れるチャンスを与えて呉れた姉さんに…。
逢って見たかった、成りたいものに成れるチャンスを与えて呉れたあの人に。




