俺も逃げても良いですか?
俺も固まる…
如何すりゃ良いんだ?、俺も今直ぐ逃げだしたいよ!
オッサンとのやり取り聴いて泣き出してる女性、二人は完全に注目の的、遠巻きに見ながら店に入るお客様、買い物済ませ出て来るお客様、中には車に乗り込み様子伺って此方見て居る方まで居られる…。
完全に見世物に為ってるもう今直ぐ此処から逃げ出したい、俺何にも関係無いんだから余計な事するんじゃ無かった、此処でふと思う都会の人間は薄情だって言うけど此れじゃ無関心を装いたく為るよな。
とは言っても此の侭にして置く訳にも行かないし、車直して走り出せる様にして上げれば泣き止んで呉れるのかな?、逃げ出すのは止めた関わった以上はしょうがない直してから離れよう、そう決めた、なら話聞いてからだな。
(・∀・)ウン!!
「あの~、貴女がこの車のオーナーさん?」
こくんと頷く。
「さっきのオジサンは知り合い?」
首を横に振る、どういう事だ?、まあ良い詮索は後回しだ。
「ゴメンね、車検証見せて貰えるかな?」
こくんと頷き、助手席側のドアを開けグローブボックスから車検証を取り出し差し出される、この間未だ一言も発して居ない。
差し出された車検証から点検記録見て前回の車検でプラグは交換されて居る、前回の車検から未だ一年経って無いのに二万キロ近く走ってる、其の前の記録も併せて見るが1万キロ以下だった何で?、とは思ったが其れは後回し先に直して仕舞えば良い、診断に間違い無ければ必要な工具はマイナスドライバーだけ、15分も在れば十分だ。
「ありがとう!」
そう伝えて車検証を返す、泣き止んでは居たが鼻は啜ってるし不安そうな顔の侭だ、此れじゃ未だ駄目だなと思いもう一言掛けた。
「15分も有れば直ぐに走り出せるから!」
一瞬驚いた顔をしたが不安そうな表情が消えて直ぐに笑顔が出て来た、多分年上の人だが正直に可愛いと思った、其れ位嬉しそうにしている、良かったな逃げ出さなくて…。
「直ぐに終わるから、店の中ででも待ってて呉れる?」
首を横に振り、まともな言葉を初めて聞く。
「見てても良いですか?」
「構いませんけど?」
「ありがとう!、なら終わるまで見てます!」
何をされるのか不安なのかな?、そんな風に思ったが次の言葉で其の言葉は吹き飛んだ。
「この子と三ヶ月位毎日ずっと一緒だった、楽しい思い出だけがいっぱい詰まってるの!、またこの子と走れるんだね!」
そう言い今日一番綺麗な顔で笑ってた、じゃあ始めるか!
まだまだこれから!