逃げやがった!
誰の車?
運転席のドアを開け一寸固まる。
車内は可愛い小物が置いて有る、助手席には無造作に置かれたブランケット…、この車オーナーは女性だぞ!。
何を驚いて居るかって?、この車可愛い荷台が付いてます、サーフボード積んだ若いお兄さん達がのる車を二周り程小さくした車なんですね、女性のオーナーは珍しいです!。
これ以上詮索しても悪いから、早速キーを回しエンジンを掛けて見る、問題無く素直に掛る…。
これで焼付きや抱き付きじゃ無いのは判明した、スロットルを軽く煽るともたつく…、気になったのは走行距離で見た目の割に走ってる、もう直ぐ10万㌔に届く距離を走ってる、これで不具合箇所は二つに絞れた、まぁ片方で間違い無いだろうが受けたメンテの記録が判れば完璧だが…
エンジンフードを覗くと中はスカスカで俺のオツムの中身と良い勝負、メンテしやすくて大変結構な事だ、構造もシンプルなエンジンはキャブのスロットルワイヤーで煽って見ても同じだな。
「オイ!、君直ったのか!」
背後から声が掛る。
「君!、直ったかと聞いてるんだ!」
「いや~、情報が足りないんで…」
何様だコイツ、何で上から言葉なんだよ!、普段からこんな物言い何だな自分では何も出来無いタイプだろ、其のくせ偉そう何だよな…。
「情報?、さっさと直せば良いんだ!」
「だったらあんたが直せば良いだろ!」
「つべこべ言わず直せ!」
「あんたに恩も義理もねえよ!、アバヨ!」
「うっ…」
そう言い帰ろうとバイクの方へ振り返る、其処に泣きそうな顔をした女性が立っていた、もしかしてこの人がこの車のオーナーさんなの?
「ごめんなさい、ごめんなさい!」
そう繰り返してる、私も飛び道具と泣く娘には勝てません、どうしようと思って居る時。
「後は任せたぞ!」
偉そうな捨て台詞残してオッサンは高そうな黒塗りのロイヤルサルーンに乗り逃げて行った…、???
俺にどうしろと?、あのオッサン関係者じゃ無いの?
(・・?
だけど泣いてる女性を此の儘放って置く訳にも行かないし、来店されたお客様達は何事かとこっち見てるし、完全に俺は晒し者状態、俺なんもしとらんて!、俺悪うなかとよ!、そう叫びたかった…。
前回と違って今回は歳上の女性、車持ってるし当たり前か、少し色素の薄い髪色のラーメンヘアー?、この頃流行りのソバージュと言うんだっけ?
此の儘にしとけ無いよな…。
泣いてる女性を前にして…。
(-ω-;)ウーン
まだまだ続いてます。