聴こえる声、聴こえた声
寝惚ける俺、寝惚ける美澄。
動く気配を感じて意識が少し引き戻される
「マ……大……何…にも…く無…か……ー…も…よ…」
頭を撫でる手は止まらぬが次第にゆっくりになり、俺の意識を再び深い所へ誘う、其れを確認したように頭から胸を優しく叩く物へと替わる、幼子を寝かしつけるように…
「……キ……う……に…行……で…、…っと…緒‥‥よ…ね…」
何を言ったんだ良く聞き取れないよ…、もう限界だ身体と意識が乖離し指先一つ動かせないが不安は無く優しく胸に感じるリズムを覚えている。
目が覚めたのは部屋の中が明るく為り始めた時間、小さな息遣いが聞こえる、眼を開け見慣れた天井を見て右腕を持ち上げる、身体が軽いシッカリ眠れたと言う事か…。
息遣いが聴こえる方に目を向ける、微笑みを湛える幸せそうな寝顔が有る。
起さぬ様にそっと腕を抜き起き上がろうとしたが上着を握った手が引き戻す。
「何処に行くの…、ここに居なさい…」
「起こしてゴメン、トイレだよ」
「おしっこ?…、まだ暗いよ…、お姉ちゃんが付いて行って上げるね…」
「独りで大丈夫だよ?」
「我儘言わないんだよ…、そう言う事は大人に成ってから言うんだよ…」
困った女性だな…、大の男に何言ってんだか?、顔を見ると未だ寝てるのは間違い無さそう寝惚けてるんだよな。
「判った、もう少し寝てるよ」
「我慢しないの…、お漏らししちゃうよ…」
「もうそんな年じゃ無いから!」
「アレッ?、マサ…」
(@_@;)
眼が大きく開かれ覚醒したみたいだ。
「嘘!、さっき迄あんなに幼かったのに!」
「元から此のサイズですけど?」
(。´・ω・)?
「マー坊ゴメン!、アタシ変な事言ってた?」
( ;´Д`)
「我慢するとお漏らしするよって!」
(*^▽^*)
「忘れて!、忘れなさい!」
ヽ(`Д´)ノプンプン
「イヤイヤもったいない!」
ヽ(^。^)ノ
「忘れなさい!」
٩(๑òωó๑)۶
少しづつ明るく為ってきた部屋の中に朝の陽が射しこむ、赤い光の中に浮かぶ顔は赤く染まってる陽の光の性なのかどうかは解らないが…。
「ねえ、マー坊あたし変な事言って無かった?」
「何の事?」
「気にしないで、もう少しこのままで良いかな?」
「未だ早いから良いんじゃない?」
「そうだね♥、じゃあもう一寸だけ!」
(^^♪
「じゃぁ一寸だけ!」
「うん!」
(^^♪
良い夢見れそうだな、眼を閉じたそれを確認した様に擦り寄って来る。
暫くしてうつらうつらしていた、聴こえて来るのは規則正しい寝息に代わった音だけ…。
「もう何処にも行かないでね…、お姉ちゃんがずっと傍に居て上げるよ…」
届くかどうかは解らないけど答えて上げる。
「何処にも行かないよ…」
微笑んだ気がした。
「良い子だねマサキは…」
今度ばかりはハッキリ聞き取れたんだ…。
あ~あ…、聴こえてしまったよ…




