「生きてるんだよな俺…」
思いっきり寝ぼけてますよね?
暗き木々が作る闇の中へ落ちて行く、不思議なもので何にもぶつかる事も無く唯堕ちて行く…。
「ウオーーーッ!」
声に為らぬ大声、其の自分の声に驚き目が覚める。
見開いた眼は自分両の手を見詰めてしまう。
「生きてるんだよな俺…」
滝の様な横殴りの雨、車体を掴まれ振り廻される様な猛烈な風…、そんな中を走って居たんだ必ず届けると約束して。
「でもあの時俺は生き残ったんだ、だから此処に居るんだ…」
全身の毛が逆立ち毛穴が開き強張った身体、其の言葉を呟き籠った力が抜けて行く…。
「ヤな夢を見たな…」
そう呟き額に腕を乗せ瞼を閉じると段々意識が遠のいて行く、生きている事を確認出来た其の安心感から考える事を手放した。
「嫌な夢を見た…」
覚えているのは此処まで…。
「もう!、ダメじゃないのマー坊こんな畳の上で寝ちゃ風邪引いちゃうよ?」
聞き覚えの有る声がする美澄が帰って来たのか?、そうか其の侭眠って仕舞ったんだな…、あの侭畳の上に転がって…。
「お昼も食べて無いじゃない…、もうしょうがない子だねお腹空いて無いの?」
「お帰り…」
「ほら顔洗っておいで、ご飯にしよ?」
「判った…」
何時もなら起きている時間だが今日は猛烈に眠い、凄く悪い夢を見が気がするが何を見たのか思い出せない。
良い夢で無い事だけは解る、身体中に残る倦怠感が伝えてる、正直何もしたく無い此の侭布団に戻って直ぐに寝て仕舞える位に…。
「元気ないわね、お仕事で嫌な事でも有ったの?」
「そんな事無いよ、一寸嫌な夢見たんだと思う…」
「思う?、覚えて無いの?」
「そうなんだ、何も思い出せなくて…」
「そっか…、判った!」
(*´艸`*)
あの顔は悪巧みしている筈だ、何を企んでるんだ?
「何考えてるの?」
「何でも無いよ、ご飯食べてお風呂入って、何時より早いけど寝ようね♥」
食事を済ませ風呂も上がり布団にもぐり込む、食事の後片付けの音が聞こえる…、段々音が遠く為って行く…。
暫くして左腕によく知る重みが掛るり暖かくなる。
「マー坊起こしちゃった?」
「…起きてるよ…」
「今日はよく眠れなかったの?」
「…寝たんだけど何か疲れちゃって…」
「そっか、ゆっくりお休みしようね♥」
「ありがとう…」
意識が遠く為って行く、其の中で聴こえる優しい声、混濁して行く意識の中で言葉も返す事は出来ない、でも声だけは届いてる、そして体を起こすのも判った…。
「もう寝ちゃったのかな…、お姉ちゃんは傍に居るからね…、嫌な事は思い出さなくて良いから安心して眠りなさい…」
其の声は上から聴こえて来る…、覗き込まれてる気配も有る…、優しく頭を撫でられている…、更に意識が遠く為って行く…。
「マ…坊は…事な大…な…だか…、も…何処……行……で……」
聞き取れたのも、覚えているのも此処迄、後は解らない…。
聞き取れ無かった…




